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「燃え尽き症候群」

私にとって二度目のことでしたが、大手の国際金融機関同士の合併作業がまさにピークを迎えていた頃の出来事です。いつものように超満員で、かつ少なからず酔客も混じった終電間近の通勤電車の中で「それ」は起きました。

始発でもなければ座席に座ることもできないぎゅうぎゅう詰め車内で、連日の作業に疲れ切っていた私は、いつものように車内のつり革に文字どおり「おさるさんのように」ぶら下がっていたのでした。

おそらく立ったままウトウトとしていたのでしょう、ふと気がつくと目の前にぼんやりと幻影が浮かび上がっていました。
それは姿形がハッキリとしたものではないのですが、なにやら白く輝くようなものが目の前に現れたので、「一体なんだろう」と思い手を伸ばして「それ」をつかもうと何度か試みるのですが、私の手はその幻影の光の中を素通りしてしまいます。

そんな動きを幾度となく続けていた時に突然電車は一瞬ブレーキがかかり、その揺れと共にふと我に帰った記憶がありますが、問題はその時のことです。
目が覚めた私の目に映ったのは、「この人いったいどうしたんだろう?」と言わんばかりに、心配そうというよりむしろ「怪訝そうな目」で私をじっと見つめている隣に立っていた女性の表情は、それからかなり時が経った今でも忘れることはでできずにいます……(つづきは本書↓で)

◎ベストセラー『「クビ!」論。』で 1000人以上をクビにした経験を綴った著者。 その後、自らも幾度もの「クビ!」と転職を経験し、ついに定年に…… そして66歳、たどりついた境地とは!? 理想とはほど遠い年金支給額。人は定年を迎えた日から無価値になるのか!? 冷酷な現実を前に達した結論が、 「いっそ定年なんかしなければいいのだ。この先ずっと価値を提供し、 対価をもらい続ければいい、それも高く。でもどうしたら?」。 30代、40代のサラリーパーソンが 今後否応なく直面する「ジョブ型」雇用において、 考えておきたい「ジョブ型定年」と前後のライフプラン。 それまでに直面するであろう転職や給与、そして「クビ!」まで、 人事のプロである著者が余すところなく解説。 「ジョブ型」キャリアを「○金(まるきん)」で終わらせるための一冊です。ぜひお近くの書店でお手に取ってご覧ください。

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