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「燃え尽き症候群」
私にとって二度目のことでしたが、大手の国際金融機関同士の合併作業がまさにピークを迎えていた頃の出来事です。いつものように超満員で、かつ少なからず酔客も混じった終電間近の通勤電車の中で「それ」は起きました。
始発でもなければ座席に座ることもできないぎゅうぎゅう詰め車内で、連日の作業に疲れ切っていた私は、いつものように車内のつり革に文字どおり「おさるさんのように」ぶら下がっていたのでした。
おそらく立ったままウトウトとしていたのでしょう、ふと気がつくと目の前にぼんやりと幻影が浮かび上がっていました。
それは姿形がハッキリとしたものではないのですが、なにやら白く輝くようなものが目の前に現れたので、「一体なんだろう」と思い手を伸ばして「それ」をつかもうと何度か試みるのですが、私の手はその幻影の光の中を素通りしてしまいます。
そんな動きを幾度となく続けていた時に突然電車は一瞬ブレーキがかかり、その揺れと共にふと我に帰った記憶がありますが、問題はその時のことです。
目が覚めた私の目に映ったのは、「この人いったいどうしたんだろう?」と言わんばかりに、心配そうというよりむしろ「怪訝そうな目」で私をじっと見つめている隣に立っていた女性の表情は、それからかなり時が経った今でも忘れることはでできずにいます……(つづきは本書↓で)
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