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社会課題研究所”シャカケン! 地方の抱える「移動」「事業承継」の課題について実践者たちの声を聴き事例に触れる
くるくる喫茶うつみで温かなほうじ茶ラテと、お世話になっている方々との歓談する時間を頂いた後、喫茶マンボで夕食を頂いた。
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ラーメンといちごパフェの食べ合わせを気にせず、各々の味わいを楽しむ。まろやかなスープと適度な歯ごたえの麺がマッチしている鶏白湯ラーメンはとても美味だった。
一見すると重そうに感じられるが、スルスルと食べられ、お腹に重く溜まるような感じはしない。スープはとろみがあるのに飲んだ感じは爽やかで、心地良い味わいだった。
いちごパフェは最近再開したとのことで、頂くことにした。前回食べたときも感じたが、バニラアイスの中に入っているフローズンイチゴのようなものの食感が良くて、あっという間に食べ終えてしまう。
イチゴの酸味とホイップクリームの甘さのバランスがほど良く、見た目ほど甘さを感じない。また、コーンフレークではなくイチゴが中に敷き詰められているので、とても贅沢な気分を味わえる。
何度食べても満足度の高い逸品だと感じる。余談だが、Instagram担当者が最近変わったらしい。とはいえ、誰なのかは分からない。Instagramがなくなると旬な話題をキャッチするのが難しくなるので、消えなくて良かったと思う(Facebookもあるにせよ)。
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喫茶マンボで夕食を済ませた後、スクエアシップへと赴く。「シャカケン」の3回目が開催されるためだ。
1回目は上記記事で伝えた通りである。2回目の記事は存在していない。そのため、せっかくなので今回のnoteでは、2回目についてもサラッと触れておこうと思う。
社会課題研究所”シャカケン!第2回:人口減少社会における「移動」のあり方とは? を振り返る
社会課題研究所”シャカケン!”は、『社会課題解決に関心をもつ様々な立場の人が集まり、学びと創発を通して社会課題×事業・活動の機運を高める、研究会型プログラム』である。今年の9月から始まっている。
第1回は空き家をテーマにセミナーが開催されており、第2回は移動をテーマとして開催されている。
西川 緑さん|唐桑町まちづくり協議会事務局/地域活性化支援員
武田 堅治さん|島根県雲南市役所政策企画部政策推進課 主幹
田島 颯さん|暮らしの交通株式会社
片岸 将広さん|株式会社日本海コンサルタント
上記4人のプレーヤーが、自身の実体験や取り組み事例を元に、地方公共交通や地方の移動をテーマにした地域活性化策、そして未来像について話している。簡潔なレポートは以下の通りである。
唐桑町:デマンド交通の実証運行
西川緑氏(唐桑町まちづくり協議会)は、交通空白地域の課題を解決するためのデマンド交通の実証運行について報告した。唐桑町では、従来の公共交通機関が縮小・廃止され、高台移転者の交通手段が大きな問題化していた。
その問題を解消するため、ミヤコーバス路線との接続を考慮しながら、98箇所の停留所を設置し、デマンド交通を運行。デマンド交通の運行によって、利用者から「自由に外出できるようになった」などの高い評価を得ている。
現状でも良い反応を得ているが、それでもニーズをすべて汲み取れているわけでない。今後は患者輸送機能の付加や観光客への利用開放も進め、さらに利便性を高める方針があるなど、未来に向けた取り組みの発展性について話している。
雲南市:地域協働による公共交通の維持
武田堅治氏(雲南市役所)は、民間バス撤退後の公共交通維持について紹介した。市民バスからデマンドタクシーへと移行し、利用者の増加を実現する一方で、運行経費やタクシー業界への影響といった課題に直面し、解決策を模索したとのこと。
そして、これらの課題に対して、運行内容を限定化しながら、民間事業者との協働を進め、バランスを図ったと話している。また、地域住民が主体的に参加する「地域自主組織」の結成や、企業との連携協定を通じ、公共交通の未来像として「五方良し」の社会を目指している。
特徴的なのは、市民全員が自身の責任によってまちづくりに主体的に携わることを志向している点である。こうした住民一人一人の意識づけを達成しているからこそ、事業者を含め様々な連携を進められているように思われた。
暮らしの交通:移動を目的地に変える発想
田島颯氏(暮らしの交通株式会社)は、交通手段の提供を超えて「移動の動機」そのものを創出する新しいアプローチを提案した。同社の乗り合いタクシーサービス「mobi」やデジタルサイネージ事業は、地域の魅力を編集・発信し、移動を増やすことを目指している。
つまり、単なる移動手段の提供に閉じた活動をしているわけでない。高齢者が移動したくなる仕組みを作る「まごころサポート」事業も展開。交通は手段である以上に地域活性化の鍵であり、シニア層の移動促進も重要な課題とされている。
特徴的に感じられたのは、移動を増やすための取り組みを並行させている点。町の中に移動したくなるための仕掛け・企画を生み出すことで移動する動機を増やし、結果的に移動事業の維持・成長に繋げている。多面的なアプローチは、様々な地域にとって参考になるモデルに思われた。
気仙沼市:モビリティの新たな可能性
片岸将広氏(株式会社日本海コンサルタント)は、気仙沼市でのモビリティ社会実験について発表した。同市では、居住地の分散や観光需要の増加に対応するため、シェアサイクルやAIオンデマンドバスの導入を進めている。
これらの取り組みは、単なる移動手段ではなく「+αの楽しみ」を提供し、スローシティの深化や地域特有の体験価値の創出を目指しているとのことである。インバウンドにつなげ、観光促進も図っているようだ。
また、財源問題に対しては行政と民間の双方からの投資を誘導し、持続可能な交通インフラを構築する両輪の対策によって対処するとされており、今後の更なる発展が気になるところである。
社会課題研究所”シャカケン!第3回:地域で取り組む「事業承継」とは? をレポートする
第2回を経て行われた第3回のテーマは「事業承継」である。
栗山 麗子さん|気仙沼ビズ センター長
片山 あゆ美さん|家業イノベーション・ラボ実行委員/エヌエヌ生命保険株式会社 事業開発部CSV推進チーム チームリーダー
友田 景さん|株式会社ノトツグ 代表取締役
上記3名がパネリストとして登壇し、事業承継にまつわる各人の取り組みについて講演している。また、開始冒頭では、気仙沼商工会議所による気仙沼市内の事業承継の現状についての話があった。
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気仙沼市内の事業者の状況として、承継者及び後継者候補があると回答した事業者が多く見られた一方で、後継者候補さえいない事業者も少ない現実が明らかになっている。
また、廃業を予定している事業者の中の半数以上は後継者がいないことを理由として廃業を検討している実態も明るみになった。昨今、気仙沼市内で一社しか行っていなかった業種が、その一社の廃業によって業種ごと消えた話があったとのことで、シャカケン!を訪れた人々が現状の深刻さについて触れる時間となった。
気仙沼ビズ|気仙沼ビズの活動から見えた気仙沼市の今について
気仙沼ビズのセンター長・栗山氏からは、栗山氏が就任してから3ヶ月の振り返りが報告されている。
2024年11月末日時点で、気仙沼ビズへの相談件数は264件となり、利用者の9割がリピートするほど盛況となっているそうだ。そうした一方で、一つの事業者が相談に訪れた後、次回の相談が1ヶ月後になるなど期間が空いてしまう課題があるようで、継続的支援の形が模索されているという。
また、気仙沼ビズを介して生まれた事例についての紹介があるとともに、小規模事業者の多くがあと2-3年が勝負所にあると話し、現状のままでは誰にも引き継がせられないと話している厳しい現状について伝えられている。
気仙沼ビズでは、今後市内と市外による連携の強化を図るとともに外貨や外部人材の取り込みを進め、地域内を還流する資金の増加を進めたい考えがあることなど、連係をキーワードにして今後についての思いが語られた。
家業イノベーションラボ|「家業らしさ」であふれたら、日本はもっと面白くなるについて
エヌエヌ生命保険の片山氏からは、家業イノベーション・ラボに関する紹介があった。
詳細は上記ウェブサイトに譲る。片山氏からは、家業に従事する人々の苦悩や実際に家業イノベーション・ラボを通じて新規事業に取り組んだ後継者の事例について語られている。
従来、家業を継ぐ2代目・3代目などの後継者に持たれているイメージと現実とのギャップが語られるとともに、家業に従事する人々を通じたイノベーションの可能性について具体的な事例をもとに話されており、来場者にとって家業の未来に触れる時間となった。
ノトツグ
ノトツグの友田氏からは、能登地方で発生している廃業問題とそれに立ち向かっているノトツグの活動について説明が行われている。能登地方では、大震災・津波による被災を受け、急速に廃業の拡大が懸念されていう。
ノトツグでは、そうした廃業危機にある企業を買収し、再生支援を行う取り組みを通じて、廃業拡大の阻止を講じているとのことである。また地方創生に触れ、『経営者が若い世代に交代された方が、企業の利益率が上がる』といった中小企業庁の調査結果を踏まえ、世代交代の重要性について語られた。
「Re ベンチャー」をテーマとして、他の世界を知っている人々を経営に参画させることで事業革新を起こして時代の波を乗り越える大切さ、『経営革新とは当たり前のレベルを上げる』といった話など、大きな被災に見舞われた気仙沼市で生きる人々にとっても示唆に富む内容が終始展開されている。
質疑応答
登壇者の発表が終わった後、質疑応答が行われている。その中で、現状維持を指向する人々をどのようにして未来指向に変えられるのか、質問が向けられた。この質問に対しては、現状の価値観を認めた上で一緒に変革していく方法や現状の価値を言語化して更なる可能性を提示する方法、そもそも現状維持が駄目なのか再考する必要性が語られている。
社会課題研究所”シャカケン!はまだまだ続く
社会課題研究所”シャカケン!は、来年も継続的に行われる。次回がいつになるか具体的な日取りは出ていないが、ウェブサイトやInstagramで情報が発信されるので、興味のある方々はぜひそれらを確認して欲しい。
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