ロキ シーズン2 かなり正直な感想
皆さまご機嫌よう。
今回は、MCUドラマ『ロキ』シーズン2の感想です。
いやぁ、面白かったですね。
『ロキ』はやはり神ドラマでした・・・!
語りたいことが多いので、さっそく本編いきます。
相変わらずジェットコースター
『ロキ』シーズン2でも、
相変わらずのジェットコースター的展開力で楽しませてくれました。
ロキのドラマの魅力は、物語の面白さもさることながら、なんと言っても
予測不能な緩急のあるジェットコースター的展開なんですよね。
シーズン1から確立した良い意味でファンの期待を裏切り、
最後には大きく期待を上回って終わりを迎えるという展開力。
それが今シーズンも顕在なのが何よりも嬉しかったです。
1話でいきなりトンデモ人物『ウロボロス』とトンデモ装置『時間織り機』が登場して、すかさず視聴者を圧倒。
エンドゲームの時と同じ時間の感覚はTVAでは通用しないことを全てを覚えているウロボロスとの会話で見せつけて、
終いには時間軸を安定させるために人が『時間織り機』の近くまで行ってどうにかしなければならないという設定までぶち込んでくる。
時間軸を織り上げるってなんだよ。
どうしてそんなことが出来る前提なんだよと。
もうね、とんでもないです。
やはり視聴者を惹きつける力が群を抜いて高いですね。
目に見えない概念的な時間というものが見える化されていて、
本来物凄く複雑な話のはずなのになぜか分かりやすい。
時間に対して徹底的に物理で解決しようとするTVAも最高でした。
これぞ見たかったTVAの在り方ですね。
舞台背景も、時間を取り扱うだけあって様々です。
古き良きシカゴ万博のアメリカが舞台になり、クアントマニアのポスクレでちらっと出ていたカーンの変異体ビクター・タイムリーが登場しました。
コミックでも出てきているタイムリーでしたが、何故か気弱な吃音症持ちのキャラクターになっていましたね。
ジョナサン・メジャースの演技の振れ幅が凄まじすぎて、俳優としての恐ろしいほどの実力を感じずにはいられませんでした。
こうした爆弾的な要素をたくさん放り込んでおきながら、全編ノンストップで息つく暇もなく怒涛の展開をお届けというわけでもないのがロキ。
丁寧に描きたいところは丁寧に、怒涛の展開で描きたいところはそれに相応しく劇的に描いています。
場面場面での描き分けも非常に上手なのですね。
丁寧な描写で描いてる瞬間も退屈に感じることなく、まるで次の絶叫ポイントまでの坂を上っているかのような感覚に陥らせてくれます。
正にジェットコースターのような、という表現が相応しいドラマです。
この緩急が、ドラマ『ロキ』を観る人を掴んで離さない作品たらしめているのだと思います。
シーズン1と変わらない軸
そんなシーズン1に引けを取らない圧倒的展開力を持ったシーズン2ですが、物語の軸自体は、シーズン1と変わっていません。
ロキは、自分では気づかずにそうしているのかもしれませんが、ヒーローになる道を突き進んでいます。
もっと言うと、彼は友達を救いたいという一心で、時間軸の消失というヤバすぎる現象を解決しようと悪戦苦闘しているのです。
悪戯の神であるがゆえに、なかなかできなかった友達。
常に人の上に立つ存在であることを自負して生きてきたのでしょう。
神だからこその高慢な性格が人を撥ねつけ、結果的に彼には友達というものが長い間できなかったのだと思います。
しかし、TVAというトンデモ組織の中では、そんなロキを神として扱う者は誰一人としていませんでした。
1人の人として馴染める感覚が、ロキには心地良かったのでしょうね。
1000年を超える長い人生の中でもっと崇高な視点には至らなかったのか?
生まれ出でしもの全てを愛し慈しむ的な。
お前何歳だよとは言いたくなりますが、まあゲームチャットで暴言吐いてる兄貴にも言えることなので可愛げのある神様たちと目を瞑りましょう。
ロキは対等に話せる友達が出来て心底嬉しかったのです。
だからこそ友達を守りたいと思えたし、TVAの創り上げた『神聖時間軸』の守護者に自分がなろうという考えに至ったのだと感じます。
ロキというキャラクターが、更に人間的で愛着あるものになりましたね。
とんでもなく複雑に入り組んだ非常事態が起こっているのに、
それを解決する人物の行動原理はとてつもなくシンプル。
そんなところもロキというキャラクターの魅力だなぁと感じます。
魅力的なキャラクターたち
ロキに出てくる登場人物は、全員が魅力的なんです。
主要人物はそれぞれが自身の考えを持っていて、納得のいく行動をとっています。
ロキの変異体であるシルヴィは、可能性の分岐を縛り付けている『在り続ける者』を殺して自分の人生を探して必死に生きようとしていますし、
ミスミニッツは黒幕のように見せておきながら、
ただ『在り続ける者』を愛してしまっているだけの純粋な機械生命体。
ラヴォーナは、明確に真実を知りたいという想いを抱えていながら、結果的にミスミニッツに振り回されている。
こうした登場人物の思惑が絡むことで何らかの事件が起きるので、
それが物語に納得感と深みを与えています。
シルヴィが在り続ける者の変異体であるビクターを見逃す場面など、
ぐっとくるものがありました。
この物語にもう一つ深みを与える何かを提案するとするなら、
メビウスの裏切りが見てみたかったというのはありますね。
メビウスが、ロキに最も近い相棒のような存在でありながら、最初から最後まであまりにも良い奴すぎます。
時にはロキに反発し、彼を裏切るような行動をするところも見てみたかったなと思います。
そうした紆余曲折あってこそ、和解して団結した時に新鮮な感動が生まれますから。
キャップとアイアンマンのような、
喧嘩はするけど互いを認め合っているというようなバディ関係をロキと築けたとしたら、より物語に深みが生まれたなと感じましたね。
全員が団結した時に、『うん、でしょうね』という感情しか抱けなかったのは、正直勿体ないなぁと思ったところです。
カーンの脅威をより描写している
シーズン1の考察の中でも触れましたが、
やはりこのドラマの功績はカーンを詳細に描写していること。
シーズン2は、『在り続ける者』が映像的に復活したことでそれが更に色濃く表れています。
シルヴィに『在り続ける者』が殺されたのも、言ってしまえば過去の話。
時間を超越できるようになったロキは、そんな過去にも当然戻れてしまう。
そして『在り続ける者』は、そんな未来をも見透かして、全てわかっていたような口ぶりでロキに語りかけてくる。
この展開はとても好きでしたね。
時間という概念を超越した存在というものが良く描かれていましたし、
本来シルヴィなど敵にすらなっていないというのが伝わってきました。
このスーパーパワーを完全に超越した圧倒的な強さ。
これこそが征服者カーンなのだと、制作陣に説明されている気がしました。
征服者カーンを説明するという意味でも、このドラマはMCU作品として優れていると言わざるを得ないです。
なぜ映画でやらないのか
『ロキ』の物語は単体として十分に面白いし、
MCUとしても今後に繋がる劇的な展開として仕上がっています。
他の記事でも再三言っていますが、
だからこそなぜ神映画にしなかったのかが疑問です。
ディズニープラスは、相当なMCU好きなら入るでしょうが、
そこまで熱の高くないライト層は月額料金のかかるサブスクにわざわざ入ったりはしないでしょう。
こんな素晴らしい作品を作ったとしても、観られなければ意味がない。
マーベルスタジオは、作品が増えていくごとに新規さんやライト層の参入障壁が上がっていくことを分かっているはず。
こんな重要な話をドラマでやってしまっていいのか。
本筋に深く関わる話をサブスクでしか配信しないというのは、最も参入障壁を引き上げる行為だと思いますね。
今後どのように映画でマルチバースサーガを展開していくつもりなのかと
制作陣に問いたいというのが正直なところです。
ドラマ『ロキ』は、今からでもシーズン1とシーズン2をまとめて一本の映画として公開するべきだと本気で思っています。
ディズニープラスのサブスクがこれまでの作品が配信される間にそれだけのコンテンツになると楽観視していたのでしょうか。
それとも、SNSの口コミで広がるからそこから加入して観てくれればいいと思ったのか。
マーベルスタジオの真意は分かりませんが、
いずれにしても、視聴側の腰の重さを見誤っていると感じます。
だからこそ制作側が、素晴らしい作品を普及していく努力を軽んじるべきではないと思いますね。
まあこのサブスクのディズニープラスに力を入れるという方針は、ディズニーの方針でもあったのだと思います。
マーベルスタジオの一存だけでどうこうできた問題ではなかったのかもしれませんね。
ディズニーはCEOの交代からの前のCEOに戻ると何やらバタついてもいますので、ここから上手く巻き返しを計って欲しいなと思います。
ディズニーは現在サブスク事業の鈍化を受け止めて、ディズニープラスの配信作品を大幅に見直すという方針に移行しつつあります。
この改革で双方にとって良い方向に進んでくれると信じたいところです。
最後に
『ロキ』、神ドラマでした。
だからこそ、マーベルスタジオの最近の展開の仕方を残念に感じます。
自分は制作過程が収録されたメイキングを見るのも好きなので感じるのですが、マーベルスタジオは物凄く温度が高いのですね。
制作陣全体の温度が高いからこそ、その熱が視聴者に伝わると信じて、実際に普及していくことを軽んじている気もします。
それがディズニーとしての会社全体の結論なのかマーベルスタジオの舵取りの末の結論なのか。
内部の実情を知らないので、ことの真相は分かりませんが。
自分はこれまで通り映画主体に戻って欲しい派ですね。
その方が新規層、ライト層にも楽しんでもらえる間口が広がるのは明白ですしね。
作品の評価にSNSの口コミを当てにするとしたって、
そもそもネットの意見というものは移り変わりやすいですからね。
まあ文字数制限のあるSNSが主流ですから、仕方のないことです。
少ない文章のSNSは圧倒的に作るのも見るのも手軽ですから。
ただ少ない文字数では、語り足りないということもある。
そう思うからこそ、noteで自分が好きなだけ話してます。
noteやブログは、言いたいことを好きなだけの文字数で語れるので、
話したいことを話したいだけ話すのにいいSNSだなと思います。
Youtube動画で好きなだけ喋るなんて言うのも流行ってますし、自分の気の済むまで話の出来るSNSってとても有意義だなと思います。
自分は、制作に携わっている人にもあわよくば届けばいいなぁと思って熱く書いてますね。
まあ英語で書いても特に大きな普及活動を行っているわけでもないので、その可能性は低いんですが。
それでも、ネットに残して誰かと共有できることに意味があると思って、
今日もせっせと記事を作ってるってなわけです。
楽しいからというのが一番の理由ですけどね。
好きな作品を好きなだけ語れるって、やっぱり楽しいです。
これからも、MCU関係の記事はこちらに随時まとめていきます。
あ、Xもやってます。
文字数制限がどうだとか言いましたが、XはXで好きです。
こちらでも好きな作品についてご紹介したり、noteの更新を告知しているので、是非見てってください。
Twitterと言ったらもうダメなんだろうか。
慣れ親しんだ名前まで変更するとは、やはり凄いねイーロンマスクは。
流石アイアンマンのモデルになった男ですね。
お世話になってます。
気付いたらものすごく長くなっているので、
今回はこれくらいで終わりにしておきましょう。
話が少し脱線したので、最後にこの記事で一番言いたかったことを。
『ロキ』は、神ドラマでした。
それでは皆さま。
とわに時を、いつでも。
ではまた。