ゲームオブスローンズ かなり正直な感想
皆さま、ご機嫌よう。
ゲームオブスローンズの設定について、記事を上げました。
それを作成したのも、
自分がドラマを見ていて、前提知識があればもっとスムーズに見れるのにと思ったからなのですね。
設定について感想の記事で書いていると、長さが大変なことになると思ったというのもあります。
さて、今回は感想です。
かなり正直に思ったことを話していきます。
圧巻のクオリティ
はい。まずはクオリティについてですね。
はっきり言って化け物です。
小道具、衣装、ロケーションなどの美術、映像効果、そして物語構成に至るまで、全てのクオリティがずば抜けています。
全てが凄いのだから、飽きることはまずありません。
小道具や衣装
物凄いです。
衣装の刺繡の細かさや剣の柄の彫刻、地域ごとの衣装の違いなど、こだわりがこれでもかと感じられます。
王族の武器や鎧には彫刻が至る所ににあしらわれてあったり、
逆に旅をする騎士や一般兵などが身に着けているものは簡素で機能性を重視したものだったりと、役目に応じた衣装の使い分けを感じます。
最近は4Kなど画質がきれいになって、更にこれを如実に感じられるようになりました。
これらの小道具や衣装をただ眺めているだけでも飽きないほどの作りこみは、一見の価値があります。
ロケーション
これも物凄い。
大陸全土を舞台にしているため、非常に大規模で魅力的な建造物を見ることが出来ます。
北のウィンターフェルから東のキングスランディング、南のドーンに至るまで、造り込みに妥協が感じられません。
舞台となる大陸自体が南米大陸レベルに大きいので、地域によって気候や地形が異なったりします。
それらに合わせた建物作り、この気温と地形ならこのような建造物が建つよねといった、説得力のあるロケーション作りが巧みです。
加えて、建物を見ただけで文化の違いを感じられるのも凄い。
建築様式が全く異なることで、国同士の相容れなさというか、一つになることの難しさが画面を見るだけで伝わってくるんですね。
ロケーションの多種多様さは、この作品の物語を視覚で説明するのにも大きく貢献していると思います。
映像効果
美術もさることながら、映像効果も凄いです。
このような剣と魔法が出てくるファンタジー作品の場合、映像の迫力とインパクトで視聴者を惹きつける必要があります。
現代人は実際にほぼ見たことのない世界なので、作品の魅力を伝えるのには映像で満足してもらうのが大前提なんですね。
剣戟などのアクションから、ドラゴンやホワイトウォーカーなどの生き物を説明するのに、映像の迫力は何よりの武器です。
この作品はアクションのクオリティも演出のクオリティも総じて高い。
例を挙げてみます。
剣戟アクション
この作品は、アクションも凄いです。
本当に目の前で斬り合っているかのような、リアルなファイトシーンを見ることが出来ます。
自分、アクションでは映画トロイの戦闘シーンが好きなのですが、それに近いものを感じましたね。
常に急所を狙い合う、油断した方が死ぬ緊張感の漂うバトル。
手に汗握らずにはいられませんでした。
迫力を殺さないように画面を揺らすテクニックや激しく切り替える技術が使われていたりと、これだけで何度も見返したくなります。
そして、この作品ではグロ要素も取り入れているので、目を覆いたくなるような凄惨な場面もちょくちょく目にします。
この話は別項目でも詳しく話しますね。
ドラゴン
ドラゴンは今までに前例がないほど恐ろしいビジュアルに作られています。
無数の岩のような鱗に覆われていて、目はギョロッと赤い。
吐く炎は、全ての生物を単純な力で圧倒します。
実際に見たら腰を抜かすようなレベルのCGです。
ただファンタジーの生き物というだけでなく、空の飛び方から炎の吹き方など、解剖したとすればちゃんと生き物として構造を理解できるようなレベルにまで作りこまれています。
それがまた、妙な説得力があって恐ろしいんですよね。
ホワイトウォーカー
ファンタジー要素として重要な存在ですが、その実態は謎です。
森の子らが生みだしたとだけ言及されていました。
死体を操るという要素もあり、ゾンビを使役するネクロマンサーという感じですね。
テーマカラーは青、黒、白。
ドラゴンが赤に属するので、原作小説『炎と氷の歌』のタイトルから考えると対になるような色関係ですね。
ホワイトウォーカーの場面では、度々ホラー演出が用いられています。
ドラゴンは分かりやすく恐ろしいですが、
ホワイトウォーカーは逆に正体が分からない不気味なものとして描かれていることが多い印象です。
ここで挙げた映像効果は一例ですが、他にも様々な映像効果が用いられています。
そういうところに注目して見返してみるのも面白いかもしれませんね。
重厚な人間ドラマ
なんでもありにした英断
大前提として、この作品はなんでもありです。
現実で起こり得ること全てが起こり得ると言っていいです。
主人公級の人物が突然死んだり、急な裏切りなど、予想のつかないことが山ほど起こります。
規制も少ないHBOが制作しているので、
登場人物が演じるベッドシーンなどのエロ要素も、流血して切断面が浮き出るようなグロ要素も、惜しみなく描かれています。
最初はこれに度肝を抜かれましたが、そのなんでもありさ加減が、妙に世界観のリアルさを演出しているのです。
なんでもありなのを画面で見せつけられることで、この人物は重要人物だから死なないといった先入感を持たせずに、終始緊張感を保ちながら見続けることが出来ます。
なんでもありなのは、このドラマの大きな魅力でした。
複雑に絡み合う人間関係
登場人物が繰り広げる人間ドラマにも目が離せませんでした。
まず、登場人物が異常に多いです。
しかしどの登場人物も、ちゃんと活かされているんですよね。
登場人物の多さが、そのまま魅力に直結しています。
そことそこが絡むのかとか、こことの確執がどうなるのかなど、ドラマが進むごとに楽しみになっていくことが多いです。
熱くなる展開や見ていて心が痛いと感じる展開などもあったりするので、感情を揺さぶられるという意味で非常に面白かったです。
かなり正直な感想
ここからは、かなり正直に全体を通しての感想を述べていきます。
※重要なネタバレを含んできますので大丈夫な方はご覧ください。
主人公の処刑
まず最初に強烈に印象に残ったシーンは、ネッド・スタークの死ですね。
主人公級な扱いで出てきて、まさかシーズン1で退場するとは思いませんでした。
ここまでも結構なんでもありでドラマが展開してきましたが、この場面でなるほど本当に何でもありなんだなと改めて感じたのを覚えています。
戸惑いと同時に、ワクワクもしました。
正直なんでもありなら、こんなに面白い物語はありませんからね。
利き手を失う最強の剣士
ゲームオブスローンズで自分が好きなキャラの一人が、このジェイミー・ラニスターです。
彼は剣の腕も立つ家柄も良い『王の盾』という設定で、最初の方はいわゆる無慈悲な完璧人間みたいに描かれていました。
1話で妹のサーセイと愛し合っているところを見られたからと言って、ネッドの息子であるブランを塔から突き飛ばしますし、なんだこいつと思っていましたが。
話が進むごとに状況が一変。
彼は捕虜になりながらも持ち前の話術で巧みに戦線を潜り抜けますが、それも限界を迎えて野盗に利き手を切り落とされます。
最強の剣士が手を切り落とされるという設定に度肝を抜かれました。
つまり彼を、剣士としては描かないと宣言したようなものです。
結構悲惨で心に来ましたが、これからの展開に期待も膨らみましたね。
それからは、女王である妹の相談役であり恋人として尽力していました。
物語が進むごとに確執のできた弟のティリオンともうまくやろうとして、サーセイとの関係を取り持とうともしてましたね。
根が紳士の良いヤツです。
最終章では、彼は愛した妹と共に死亡。
実に彼らしい最期だったと思います。
物語が進むごとにジェイミーが好きになっていっていたので、雑な殺され方しなくて本当に良かったなぁと思います。
ラストシーンのブライエニーが彼のことを書物に記すシーンも熱かったですね。
頭のキレるティリオン
ゲームオブスローンズを語るからには、やはりティリオン・ラニスターは欠かせないでしょう。
酒好きで娼婦好き、そして頭がキレる。
ゲースロ好きでこの設定で嫌いになるやつはいない。
実質この物語の主人公ですね。
彼は頭はいいですが、身体は未発達の障害を抱えています。
産まれてくるときに母を死なせてしまったというのもあり、父タイウィンに疎まれていました。
望まれた子ではなかったのですね。
ティリオンはいつも、タイウィンの手のひらで転がされ続けていました。
シェイのこともそうですね。
大方、娼婦を操って忌むべき息子を操ろうとしていたのでしょう。
シェイを泣きながら殺す場面には泣かされました。
そして、いつまでも親父の良いようにされて息子なのに命まで奪われようとされて、自分は父にとって忌むべき息子でしかないことを悟ります。
タイウィンを殺す場面は見ていてスッとしましたね。
タイウィンのラニスター当主としての才をもっと見たかったなとも思いましたが、ティリオンに殺されるのは納得のいく最期です。
その後、ラニスター家のティリオンは敵側の『女王の手』に。
この展開力が凄まじいです。
物語が進むごとに、ティリオンを応援していました。
彼は殺されなくて本当に良かった。
狡猾なベイリッシュ
好きだったキャラのもう一人として、ピーター・ベイリッシュがいますね。
娼館の主で狡猾な策略家。
最終的に鉄の玉座の権力を狙っているという設定に心惹かれました。
スタークであるサンサをボルトンに嫁がせ、ラニスターにボルトンを滅ぼさせて自身は北部総督になるつもりでいました。
しかしサンサにはすべてバレていて、悪事を暴かれて彼は処刑されてしまいます。
策略で守るべき人物すら操り、自分の利益のためだけに動いた彼には相応しい最期だと言えるでしょう。
しかし、ゲームオブスローンズにリトルフィンガーの影あり。
魅力的なキャラクターであったことは確かです。
どこまでが策略なのかを相手に悟らせない巧みなリトルフィンガーは、大好きなキャラになりました。
ラストへの不満
好きなキャラは他にも大勢いますが、全部語っているとキリがないのでラストの話をしていきます。
デナーリスの結末についてですね。
もちろんデナーリスも好きですが、ラストの展開だけは疑問を感じます。
デナーリスがキングスランディングを焼き払うという展開ですね。
まあ、展開としては全然なしではないです。
親しいミッサンデイを目の前で処刑されたのは、彼女にとって大きなショックだったのでしょう。
彼女の最後の言葉『ドラカリス』の言葉通り、デナーリスは王都を焼き払ったのだとは思います。
思えば、デナーリスという人物は終始自身を『正義』とみなし、敵である悪を裁いてきました。
エッソスで親方を磔にしたり、必要以上のことも自身の掲げる『正義』のために行ってきたんですね。
しかし、そうした行動によって起こる反発も同時に目にしたはず。
最終的には、デナーリスには慈悲を与えられる良き女王になって欲しかったなというのが正直な感想です。
玉座がドラゴンに溶かされたのも予想外の番狂わせとしては面白いですが、玉座の奪い合いと称したドラマでそれをやるのは何だかなぁとは思ってしまいましたね。
あとは、取ってつけたようにジョンと恋人関係になりすぎだなとも思いました。
確かに、デナーリスとジョンの関係は、サーセイとジェイミーの対比でもあります。
ジェイミーはサーセイを止められませんでしたが、ジョンはデナーリスを止められたんですね。
その対比はとても素晴らしいと思います。
でもそうするならば、もっと早い段階でデナーリスとジョンに接点を持たせても良かったのではと思ってしまいました。
ちょっとぽっと出な関係に見えてしまったというのが正直なところですね。
ブランが七王国の王になるのも、別にそれは求めてない感が強かったです。
そもそも三つ目のカラスについてもう少し詳しく教えてほしかったのはありますが、それはとりあえず置いておいて。
確かに三つ目の烏を後継した過去や未来を見通せる者が王になるのは、道理的には分かります。
最も賢い選択でしょうね。
しかし、あれはもうブランとも呼べない状態のため、それが王になられてもなんか釈然としないなぁというのが正直なところです。
スターク家が終盤になるにつれて集っていくのは良かったですね。
ネッドとキャトリンが死んだ後もその遺志は残っているようで、この展開は熱かったです。
感想としては、こんなところでしょうか。
正直全体を通して振り返ってみると、素晴らしく面白いドラマではあるのですが、最終的に拍手喝采を送りたい物語では終わらなかったところが残念なところです。
おそらくファンも増えて、考察も激化していったのでしょう。
それで予想を裏切る方向に、舵をきったのではないかと思っています。
これは色々な作品に言えることですが、
SNSが発達したことで、ファンの考察ムーブメントが加速しているように感じます。
中には公式を超えるような考察を叩き出す人もいるのは確かです。
しかし、公式はどっしりと構えていて、ファンの声に物語をブレさせるくらいなら、最初の構成のまま突き進んで欲しいなと思いますね。
もちろん、最初からこの構成だったことも否めないのですが。
以上を、ゲームオブスローンズの感想の総括とします。
最後に
ゲームオブスローンズ、死ぬほど面白かったです。
物語において所々気になることはそれはまあないことはないですが、そんなことは小さなことだと思えるくらいの大傑作ドラマでした。
ゲームオブスローンズが与えてくれた衝撃は、それほどまでに計り知れないものがあります。
そんな大好評につき、ファンをウェスタロス・ロスから救うべくして新しく始まったのが『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』。
タイトルにドラゴンと称される通り、ターガリエン家のお話です。
ゲームオブスローンズの約200年前が舞台の、前日譚に当たる物語だそう。
鉄の玉座に座ったターガリエン家の内乱が描かれるそうで、ターガリエン家について深堀りしてくれそうな内容に胸が躍ります。
現在では、U-NEXTにてシーズン1が公開中です。
4シーズンは作られる予定みたいですね。
もちろん、観ようと思っています。
HBOはマーベルやスターウォーズのように、このゲームオブスローンズの世界をシリーズ化する計画の構想もあるそう。
全ては原作者R.R.マーティンの承認次第という形になるそうですが、もしシリーズのように作り続けられるとなったとしたらそれはそれで面白いですよね。
HBOが制作する時点で品質はもはや保証されているようなものなので、安心して視聴できます。
この世界が今後も広がっていくと考えると、楽しみで仕方ありません。
さて、今回はこのくらいにして。
ここまで読んでくださった方、本当に感謝です。
これからも好きな作品や印象に残った作品をピックアップしてご紹介していきますので、一緒に盛り上がっていきましょう!
皆さまの『冬』が、長く続かないことを祈ります。
ではでは。
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