溢れる原作愛!『実写版ワンピース』が成功した理由を考える
皆さま、ご機嫌よう。
今回は、やっと『実写版ワンピース』を観ましたので、感想を熱く語っていこうと思います。
まずは作品を観た経緯から。
自分は、ナルトやドラゴンボール、ワンピースで育ってきた生粋のジャンプ大好き男です。
一番好きな漫画は?
と言われればワンピースは三本の指に入るくらいに好きな作品ですし、青春時代に育ててくれたこの漫画を愛しています。
だからこそ、実写版をなかなか観ることが出来なかった。
クオリティが高いのは話に聞いて知っていました。
それでも、いざ実写を作るとなると漫画のようにはいかない事実もよく分かります。
だからこそ、ワンピースらしい世界観が実写化することでなくなってしまうんじゃないかと。
もし自分が求めているワンピースじゃなかったらどうしようと漠然とした不安があったわけですね。
だから実写キャストの仲睦まじい様子や舞台裏ばかり見て満足していて、肝心の作品を今の今まで観ていなかったことを白状します。
実写キャストが好きになったので、いざ作品を観て自分の思い通りではなかった時にがっかりするのが嫌だったというのもありました。
シリーズものには何度もがっかりさせられていますからね。
何とは言いませんが。
そんなこんなで、シーズン2配信されたら流石に観よう、シーズン2配信されたら…!
と先延ばし先延ばしにしてたわけですね。
で、気づいたらまだシーズン2配信されてないのに全話観てました✨
これはもう理屈ではなかった。
1話観始めたら最後、止められなかったという感じでした。
『よし全話観るぞ!』
と自分が意気込んだというよりも、作品に込められた熱量で最終話まで導かれたというイメージが近かったですね。
毎話毎話ファンにはたまらない仕掛けが満載で、本当に楽しかったです。
今回は、実写版ワンピースの何がそんなにすごいのかについて、自分なりに分析していこうと思います。
ルフィという男
実写版ワンピースでまず挙げたいのは、ルフィの人間性が色濃く描かれているというところですね。
言わずと知れた麦わらの一味の船長であるルフィという男。
実はかなり興味深い男です。
普段は何考えているかよく分からない夢いっぱい元気いっぱいの少年なのに、大事な場面でいつもこの男は芯を食ったことを言います。
初期ワンピースのアニメ化『THE ONE PIECE』のスタッフがこんなことを言っていたので言葉をお借りします。
自分もまさにこの言葉の通りだと思います。
人を見抜く時に関して、この男は本気の観察眼を発揮します。
ゾロ、ナミ、ウソップ、サンジと仲間を選んでいく時に、彼はまずその根幹となる人間性を見ているのですね。
そしてこの観察眼には一切の狂いがなく、彼はそのことに確固たる自信を持っている。
ルフィが人の上に立つ船長に相応しい器だと言えるのは、その洞察力があるからだと言えると思います。
更に彼がすごいのは、一人一人の仲間を自分の半身のように大切に扱えるところです。
今回の実写ドラマ、そんなルフィの人間性がよく表現されていました。
世界一の剣豪ミホークとの戦いで傷ついて目覚めないゾロに話しかけ続けて、お前がいなきゃ俺はダメだという場面。
あそこは、特にルフィという男がよく表されている素晴らしい場面でした。
実写版で、ルフィが仲間に懸ける想いをしっかりと描いてくれたのはかなりポイント高かったですね。
ルフィは、なぜ人の上に立つに相応しい器を手に入れられたのか?
それはひとえに、シャンクスという男の影響が大きいのだと思います。
ルフィは幼い頃に、本物の男を見て育っています。
彼とその仲間を見て、固い絆で結ばれた自由な海の戦士たちに憧れているのです。
ルフィが人の上に立つ存在になれたのも頷けますよね。
真剣佑という男
この作品を語る上でやはり欠かせないのがこの男。
ロロノアゾロ役こと真剣佑です。
もうね、完全にゾロでした。
自分は邦画や日本のドラマなどはあまり観てこなかったので、真剣佑と聞いても名前は聞いたことあるくらいの認識だったのですね。
こんなにかっこいいとは。
1話目の剣戟で完全に惚れましたね。
鍛え上げられた肉体に文句のつけようのない鮮やかな殺陣。
その精神含めて彼はゾロの生き写しクラスです。
ワンピースは言わずもがな日本の漫画。
やはり日本人も活躍して欲しかった。
そんな日本の作品を愛して同じように育ってきた青年が、実力で勝ち取ったゾロ役というのは、聞くだけでもう武者震いがしますね。
同じ日本人として胸に込み上げてくるものがあります。
ゾロを演じてくれていることを誇りに思います。
彼がワンピースで一番好きなキャラクターもゾロであるとか。
おめでとう、そしてありがとう真剣佑。
溢れる原作リスペクト
この作品が実写版として成功した理由、それはなんと言っても原作をリスペクトしているところです。
それは作品の随所で感じることが出来ます。
『ビンクスの酒』が流れたり、『うそつきノーランド』の絵本が読まれたり、ワンピースと言えばの伝説曲『ウィーアー!』が流れたり。
細かいところでファンを喜ばせるということをおろそかにしていません。
それだけでも大満足なのですが、この作品が真にすごいのは、漫画約12巻までのストーリーを1時間8話のドラマに綺麗にまとめ上げて、かつより作品の魅力が増すようにプラスアルファを行ったということ。
本来は45巻まで登場しない中将ガープを登場させたのはその最たる例だと思います。
ルフィを近くで見守ってきた大人がどんな想いでいるのかを描く原作改変は、ルフィを深堀りするにあたってとても有用な方法だと思いました。
ガープとゼフが『新しい時代』の会話をする場面も、とても良かった。
ファンが見たかったコビー、ヘルメッポとの馴れ初めを描いたのも非常にポイント高かったですね。
ワンピース初期を舞台に、冒険譚としての魅力だけではなく近年のワンピースで見られる『見守る大人の視点』を取り入れたこと。
これにより、ワンピースを初めて観る幅広い年齢層に刺さる作りに仕上がっていると思います。
美術セットに関しても、『バギーのテント』、『ゴーイングメリー号』、『バラティエ』はじめ一切の抜かりが無い。
原作デザインの魅力はそのままに、実写映えするデザインになっていたというのも非常にポイント高いです。
作品全体に渡って、どうすればワンピースの魅力が最大限に伝わるのかを入念に考えて作られているのを感じます。
作者の尾田先生のOKが出るまで配信しないと制作サイドが豪語していますからね。
この溢れる原作リスペクトこそが、この作品が愛される大きな理由だと思います。
差別問題を取り入れている
最後に取り上げたいのが、『差別問題』。
今回の実写版では、これが一つの大きなテーマになっていたと思います。
ワンピースといえば、この『差別を考える』というテーマがとても大きな表題にありますよね。
世界政府、天竜人はじめ、この世界には差別が当たり前のように蔓延しています。
今回のアーロン率いる魚人達は、それをよく体現していました。
魚人たちは当たり前のように奴隷として扱われています。
アーロンは生まれながらに不当な扱いを受けることに対して憤っているのです。
アーロンの主張は最もなものですし、魚人の中にこうした強硬派が現れるのに何の違和感もありません。
こうした『差別』という重い問題は、作品を観る現代人に対して深く突き刺さります。
現実世界でも、未だに白人黒人の間に揉め事が絶えなかったり、ウクライナとロシアの戦争など様々な見過ごせない争いが起きています。
こうした今なお解決できていない問題を抱える現代人にとって、優生思想を声高々に語るアーロンの演説には考えさせられるものがあるのです。
このワンピースという作品が単なる冒険譚に終わらない理由、それがこの『差別』という問題を生々しく描いているところにあります。
昨今なにかと話題になる『ポリコレ』に関してですが、この作品では大いにやる意味があると自分は思いました。
本来のポリコレを行う目的としては、生まれや育ちによる差別をなくしていこうというもの。
この作品でそれを行う意味はかなり大きいと感じます。
多くの人種が混ざった麦わらの一味が、世界を変えていく。
その姿は、今後ワンピースを良く知らない視聴者にとっても大きく心に響いていくことでしょう。
実写版ワンピースが世界で大ヒットした背景として、こうした社会問題をしっかりと取り入れたというのも大きな要因の一つだと考えられます。
総評
『実写版ワンピース』。
総じて、素晴らしい作品でした。
実写化するに当たり、大切なポイントをしっかりと抑えていましたね。
総評いきましょう。
以上の点を鑑みて、95点。
本当に文句のない出来栄えだったと思います。
個人的には、あれだけ見ていた実写キャストがスクリーンで活き活きと大暴れする姿を見届けることができただけでも大満足です。
やっぱりバギーがお気に入りなんだよなぁ。
これはシーズン2も非常に楽しみですね✨
余談ですが、最近『るろうに剣心』、『銀魂』、『キングダム』をはじめ、実写化の成功事例が増えてきているように感じます。
こうなると、自分がワンピースと並ぶほどに愛してやまない漫画『ナルト』の実写版も是非そろそろ制作して欲しいと切に思いますね。
今の映像技術であれば、ナルトの独特な魅力を持つ世界観も表現できると信じています。
ナルトの実写速報も、首を長くして待っています✨
ワンピースに話を戻しまして。
冒頭で少し触れましたが、現在ワンピースを再アニメ化するというプロジェクト『THE ONE PIECE』も始動しています。
このアニメ化、どれだけ本気で行われているかの舞台裏動画がyoutubeで公開されていました。
この熱量に、期待しないというのがもう無理ですね。
この再アニメ化プロジェクトも、末長く続いて欲しいと強く願っています。
漫画のワンピースでは終盤に差しかかり、物語は佳境を迎えていますね。
ワンピースの漫画が終了しても、尾田先生が与えてくれた魂は次の世代に受け継がれていく。
まさに『D』の意志と同じように。
今後のワンピース、まだまだ目が離せませんね!
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
それでは、今もなお夢を与え続けてくれるこの作品に感謝して。
最後にお気に入りの名言で締めたいと思います。
ではまた✨