【ネタバレ】アヤナミレイの考察
●アヤナミの変化●
"初期ロット"のアヤナミは、綾波レイと違って人間味を帯びている。
何故なら好奇心、感情が初期ロットには芽生えるからだ。
"綾波レイ"であれば、アニメ版ならゲンドウにしか心は開かない。感情も教えられないとわからない、自分から何かを理解しようとしない、任務や命令だけ固執する。
つまり綾波レイは機械のようであった。
新劇では"ポカ波"と言われるように、アニメ版とは異なり、感情が垣間見える。好きという感情も芽生える。
そして「碇君がこれ以上、エヴァに乗らないようにする」と他人を思いやる気持ちもあり、アニメ版より人間味がある。
その一方で、やはり任務や命令には固執する。
そしてQとシンエヴァのアヤナミ。今までの白いプラグスーツから黒いプラグスーツに変わった。"黒レイ"(ファン界隈)や"そっくりさん"と呼ばれるようになった。
その初期ロットはQではアニメ版のような無機質かつ機械のような人格であった。
しかし、シンエヴァでは人混みや犬、猫、赤ちゃん、様々な物事に関心を持つようになる。味噌汁にも「ホクホクする」と言う。
畑仕事では「仕事って、何?」と任務ではない事を体験するようになる。
風呂では「LCLと違ってポカポカする」と感じる。
自分の名前にも興味を持ち「私は綾波レイではない」と理解しつつ、周囲の影響で「名前、つけていいの?」と命令にない事にも興味を持つ。
今までの綾波レイと違って、挨拶や言葉の意味を理解していき、それを言動に活かしていく。
アスカから「初期ロットのあんたは、シンジを好きになるようにプログラムされてるのよ」と明かされても動揺せず受け止める。
そこでシンジに「名前、つけて欲しい」と頼むようになる。
たまたま通りかかった図書館でもQを回想し「碇君が本を持ってきてた」と"思い出し"、Qでは見向きもしなかった本に興味を持ち、子供からヤマアラシの絵本を渡される。持っているじゃがいもを落としてしまうが、その子供から「返す」という事も学ぶ。
エヴァンゲリオンのキーアイテムであるS-DAT(カセットを聴く機械)を返す場面もある。
ある日黒レイは右手首の装置が鳴り、一度倒れる。
そしてまたある日、畑仕事のおばちゃん達から促され中学の制服に着替えた後、鈴原家へ帰ると右手のひらがブラックホールのように穴が空いている事に気付く。
黒レイは気付いていた。
自分はネルフの中でしか生きられない、定期的にLCLのなんらかの補給をしないと形が保てない事を。リリスの魂のせいなのか、遺伝子のせいなのかはわからない。
アスカも黒レイを心配していた理由がここでわかった。
そして最期、シンジに会いに行く。
「名前、考えてくれて嬉しい」
「けど、ここじゃ生きられない」
「好き、ってわかった」
「もっと一緒にいたかった」「さようなら」
1番人間らしく成長した場面で、黒レイはLCLとなって形が消えてしまう。
最後は破の綾波レイが髪が伸びた状態で初号機の中に留まっており「私はここでいい、エヴァに乗らない幸せ、碇君にそうして欲しかった」と伝える。
●新劇の綾波レイ及び黒レイ●
アニメ版のような無機質な"物質"、"器"ではなく、新劇では人間味がある描写である。
しかし、人間味を帯びると死んでしまい(破、対ゼルエル戦)、また"レイ(0)"からやり直す事になる。
シンエヴァでも0からやり直した結果、体が持たずに消えてしまう。
儚い。
筆者はアスカ推しではあるが、シンエヴァを観て綾波レイ、黒レイがいかに儚く可愛らしいか理解出来たと感じた。
初期ロットは初期段階。
人間に近いように作られているのではないか?
それか新劇の綾波レイはアニメ版と違って学習するようにプログラムされているのではないか?
様々なロットを重ね、感情を感じない、任務や命令にのみ従順にプログラムされたのが、アニメ版綾波レイなのではないか?
筆者は綾波レイのレイは0という意味だと解釈した。
もし間違っている事や感じた事があればコメントを下さい。