松阪偏愛ツアー旅前ガイド④
こんにちは。
旅前ガイド、最終章です。
和田金
明治11年創業。東京の料亭「和田平」で修行を積んだ初代、松田金兵衛が鍛治町(現・本町)に牛肉店を開業したのが始まり。
お客様の用途に合わせたお部屋でいただく、寿き焼コース・あみ焼きコース・ステーキセットなどがある。皇室の方やさまざまな分野で活躍の著名人も来店。時には文学の世界の方もいらっしゃるとか。その方からの名文を通しての感想の一文に「ちょっとあぶって色が変わるだけにとどめたところを金網からとって生醤油にひたして食べると口いっぱいにミルク、バターの香り、豊満なかぎりの柔らかく…」とある。
普段使いのお店ではないかもしれないが、一度は経験してみたい“和田金“。
松阪の一夜
江戸時代の国学者“本居宣長“と同じ時代の国学者で歌人である“賀茂真淵“との一生に一度の出会いを「松坂の一夜」と呼ぶ。
宣長が古事記伝を完成することができたのもこの出会いがあったから。“古事記を研究するのであればまずは万葉集を理解すること“を勧めた真淵とは、その一夜以降長きにわたり何度も手紙でのやりとりがあった。宣長は質問だけではなく批判的な意見も送ったとか。時には怒りの返信も書いたという真淵。しかし宣長のズバ抜けた才能や学問への志の高さを認め、厳しく接する中でも晩年の宣長への書簡では、多くの弟子の中でも「後は頼む」といった宣長への気持ちが伺える。
松坂の一夜の舞台ともなった旅籠“新上屋“。憧れの真淵への入門が認められたあと、宣長はどんな気持ちで家路を歩いたのだろう。
松阪大映劇場
昭和15年、松阪湊町にアサヒ館として開館。昭和35年に現館名に改称。当時は大映の封切館であったが、それから10年、同系列から独立しポルノ映画館に業態を変更。ただでさえディープスポットなのに、ハッテン場と化していてさらにディープさを増す。男1人で行くならご注意を。もしくはそのつもりで行こう。
現在では市内に残る最後の映画館。手書きの看板がなんともいい。こういうのを残していくことが本来我々VACANTの仕事だなと思う。
80年近くの歴史あるここは、高い天井やロビー、2階席など、まさに“劇場“というに相応しいレトロな雰囲気漂う空間。
劇場に向かう路地はここだけ時が止まっているような情緒がある。
一升びん 平生町店
今や全国的に有名な“一升びん“。先代が一升びんを囲んでワイワイするのが好きだったことからこの店名がつけられたそうだ。三重や愛知に12店舗を展開する一升びんだが、我々がお勧めしたいのは“一升びん発祥の店 平生町店“だ。
昭和感たっぷりの店構えと赤ちょうちんがたまらない。カウンター席では昔ながらの七輪を使った炭火で焼き肉を楽しめる。そのほか小上がり席や座敷もあり、さまざまな状況によって使い分けることができる。創業以来変わらない秘伝の味噌ダレでいただく松阪牛。高級なイメージだが、実際高級だが、ここでは松阪牛をリーズナブルに味わえるお得なセットもある。赤身も美味しいが絶対食べて欲しいのが松阪牛のホルモンだ。ブリブリの脂でとっても甘い。鮮度が命のため県外に出回ることがないので松阪に来たら是非だ。
ご静聴ありがとうございました。こうやってわかりやすく皆さんに届くようにと調べていると私たちも知らないことだらけ。へーそうだったのかぁの連続です。同じように暮らす毎日も、知ると知らないでは面白さが全然違う。
2月11日、人と場所と自分との新しい出会いに期待で胸が躍る。皆さんのご参加、心よりお待ちしております。
りえ
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