【303日目】読書再開
ご隠居からのメール:【読書再開】
自宅から一冊だけ持参した養老孟司『バカの壁』を読みはじめる。その他に長男が差し入れしてくれた百田尚樹『日本国紀』、瀬戸内寂聴『寂聴九十七歳の遺言』、瀬尾まいこ『そしてバトンは渡された』がある。三女がアマゾンに注文してくれた井上荒野『あちらにいる鬼』、有吉佐和子『非色』もそのうち手元に届くことになっている。
病院に一冊だけ持参を許されたとすれば、どんな書を何を選ぶか。私が選んだのは論語でも聖書でもない。『バカの壁』だが、それより手っ取り早いところで、『寂聴九十七歳の遺言』を読んだ 「私の最後の不倫相手は四歳年下の作家、井上光晴さんでした」と寂聴はいう。
井上光晴は「日本のドストエフスキー」と称される作家だとも称されており、いかにも寂聴が惚れ込みそうな天才作家の風貌の持主だが、私は彼の小説を読んだことがない。しかし、「日本のドストエフスキー」とはどんな作家で、どんな小説を書いているのか、興味が湧いてきた。そこで、代表作の『地の群れ』や娘の井上荒野の小説『あちらにいる鬼』も読むことにした。鬼とは寂聴のことだろう。
返信:【Re_読書再開】
瀬戸内寂聴さんの本は、浦安へ帰るとき半分くらいまで読んだが、人間の本音を後押ししてくれるような、女性的な愛の本だね。養老孟子さんの「バカの壁」も気になる。今度、読んでみるよ。
その前に、amazonprimeで「鎌倉殿の13人」を観はじめたいのだが、まだ、「青天を衝け」を全部観ていないので、次にいけない。今日中に最終話までいけるといいな。
日本国民は、自由主義、民主主義によって「言論の自由」と「信仰の自由」を得ることができたわけだが、現代では「言論の自由」によって、人を傷つける言葉が世の中にあふれてしまっている。「言葉」によって、精神的ダメージをうけ、人は命を失ってしまうこともある。芸能人はこの苦労の先頭にいる人たちだと思う。
どうすればよいか考えると、「自分が攻撃しない思考」と「防御する思考」両方のスキルを磨かないと、心豊かな人生を送ることができない。「note」を読んでいると苦しんでいる人も多くいるように思える。文章にすることで頭を整理しストレスを発散しているのかな。
「自分が攻撃しない思考」は、もちろん「戒語を慎む」であったり、「徳を積む」最近だと、徳川家康の「堪忍は無事長久の基・怒りは敵と思え」という言葉を胸に刻むようにしている。まさに聖人君子を目指すわけだ。
では、「防御する思考」はどうだろう。このあたりが、ロクデナシの資質が必要なところなんだろ思う。まあ、「気にするな」ということだ。
「人の事はくよくよ考えず、自分の好きなこと、思うことをやろうぜ」ということだろう。しかし、相手に感情的な言動をとられてしまうと、気にしないわけにはいかないのだ。この挑発に堪えることは、まさに七難八苦だと思う。
近衛文麿元首相の言動で大戦に発展してしまったことは間違いない。スターリンや毛沢東、蒋介石の挑発にのって戦闘に発展し、事態終息のチャンスをことごとく逸してしまっている。
一方、幕末の戊辰戦争では、徳川慶喜の言動で、大きな大戦にならず、日本は何十年間もの損失と命が助かり、近代国家の道へ進むことができた。実際に戦われた戊辰戦争や南北戦争は、勝負がはじめから決まっている、武士の誇りを守る戦いだったというわけだ。
近衛文麿首相と徳川慶喜将軍の違いは、「防御する思考」の差だ。「攻撃しない思考」と「防御する思考」このふたつは、人生にとってものすごく重要な技術だな。
<<<次回の話【より道‐101】戦乱の世に至るまでの日本史_時代を超えた因果応報「畠山騒乱」