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【237日目】ゲスのかんぐり

ご隠居からのメール:【ゲスのかんぐり】

「現象は心の影」というのは徹さんの仮説だが、世の中には逆の見方をする唯物論ゆいぶつろん哲学者がうようよいる。たとえば、マルクス。

そこで、徹さんは自らの仮説の正しさを証明し、英語で論文に書いたのだと思うが、世界の大勢は唯物論哲学優勢で、特にコンピュータの活用が、その傾向を加速させた。今の世の中、コンピュータを活用したゲノム分析や言語分析の推進によって、こころよりも、ものが優越することも証明できるようになるのではないかと反論すれば、それはゲスのかんぐりだと徹さんは言うかもしれない。

彼は最後までパソコンを使おうとしなかった。さすがにスマホは持っていたが、電源をオフにしてしまうので、連絡もとれないことが再三あった。

しかし、「現象は心の影」だとすれば、彼は理想的な生き方をしたのではないかと思う。というと、それもゲスのかんぐりになるかもしれない。そもそも、彼は人のうわさをするのが嫌いで、人から噂をされるのも嫌いなのだ。こうして彼のことを書くと、自分がまたゲスのかんぐりをしているのだと気がとがめてくる。


返信:【Re_ゲスのかんぐり】

唯物論とはまた難しい言葉だね。「唯物論か、唯心論か」は、「卵が先か、ニワトリが先か」と似たような議論だろうか。人間は矛盾をかかえて生きていくのであれば、やはり、「和を持って尊しとなす」が正しい考え方だな。

人格者の勉強をしていると、死生観をもって行動すると書いてあった。近しい経験は、やはりベンチャー時代。七難八苦と遭遇すると、よく、「死ぬワケじゃないんだから」と言ったし、言われてた。そもそも、あの当時、経営者が「死ぬ気で働け」と旗をふっていたからしょうがないね。

結婚して子供が産まれてからは、死生観はもっていない。

むしろ未来のことばかり考えている。人生百年時代だからますますそう思う風潮になっていくのだろうか。でも、自分の人生が残り三十日だったら、どのような行動をするだろうか。心残りは結構ある気がする。ひとつの判断基準として持っておくのは、良い気もするな。


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