<受講者からの質問に答えて①>
(受講者からの質問)世界の差異を生成するためには,個々の個性を変化させ気づきを得て行動することが必要であり,そこに満足=価値が生まれるため,個々人の,個性を尊重し,気づきを養い,行動に移して,価値につなげることが,世界の価値を変えることになる。このような解釈でとらえていても問題ないでしょうか。
貴重なご質問有難うございます。このような疑問を持たれること当然と思います。もう一度,定義を確認すると,「世界」とは「認識されるものの総体」ですから,私たちが言語で思考している限り(言語は認識されたものの一つなので),「世界」の外に出ることはできません。「世界」とは「差異」の体系ですから。「差異」の外に出ることもできないわけです。ですので,のご質問の内容は,すべて「世界」の中の出来事です。私たちの日々の行動はほとんどが言語で説明できるはずです。その意味において,それは「世界」=「差異」の体系の「反復」なのです。しかし,時間というものが流れている以上,全く同じ「世界」=「差異」を再現することはできず,そこに「差異」の<差異>が生じます。この<差異>がどこから生じているのかが問題で,それは自分の意思を超えたところから生じているはずです。なぜなら,自分の意思を認識できるのであれば,それは「世界」の一部ですから。この<差異>が生じるというところまでが「生成」の論理で説明されるところで,では「生成」をどのようにして生成すればよいのかについては,これまでの講義ではまだなされていません。このプロジェクトでは,この点を皆さんと一緒に考えていくことを期待しています。それが多分価値創造の原点になるはずですので。
8月27日 20時43分
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