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愛するクラブがくれたもの【13】

V・ファーレン長崎を愛するサポーターの方からお話を伺い、応援することで得たもの、楽しさを多くの人に広める「愛するクラブがくれたもの」。
第13回は「匿名希望さん」よりいただいたお話です。

今回は増山朝陽選手を10年にわたり応援する、いわゆる「個サポ」の女性。
プロ入り直後から増山選手を追い苦楽を知るだけに、長崎での活躍や愛されっぷりを本当に嬉しく思っています。


ヴィッセル神戸での練習風景を見て、意識が一変

きっかけから語り出すとどれだけ書いても足りないのでまとめますが、私はあさひくんのガムシャラにサッカーを楽しむ姿に惹かれ応援をはじめました。
あさひくんのことは高校時代から知っていたし、全力で走り切るプレーで気になる存在ではあったけど、正直その時は赤木翼選手(東福岡高校→九州産業大学)の方が好きだったし、あさひくんがヴィッセル神戸に入った時も他の選手を推していました(笑)

でも、はじめてヴィッセルの練習を見に行ったとき、あさひくんが誰よりも楽しそうにサッカーに取り組む姿を見てどハマりしました!
その姿を見てやっぱりいいなあと思い、その足でユニフォームを買いに行ったほどです。

私は当時フリーターでだらだらした生活を送っていたのですが、このままではサッカーを見に行くことすら危ういと思い、あさひくんのおかげで心を入れ替え、定職につくため採用試験を真剣に受けるようになりました
合格発表の日は怖すぎて、落ち着くために朝から練習を見に行ったのを覚えています(笑)

採用試験に無事合格し兵庫県内での就職に成功したものの、正社員として働き始めると今のように練習は見に行けなくなると思い、そこからほぼ毎日のように練習場に通う生活が始まりました。マジでただの暇人です。

(匿名希望さんより提供)

あさひくんが年代別の日本代表候補に選ばれた時にはすぐに休みを交代してもらい、千葉までの切符を取りました…が、練習場所が公開されず。
はっきりした確証もなく、賭けで姉崎に行ったのを覚えています。
無事に合っており、いてよかった…と心の底から思いました(笑)

正社員として働き始めても通う日々

3月になると職場の配置が決まり、昼から仕事の部署へと配置されました。そのため、朝は自由。
つまりは練習を見に行ける!ということで、ほぼ毎日朝はいぶき(いぶきの森球技場、ヴィッセル神戸の練習場)、昼から仕事、家に帰るとすぐに寝るも睡眠は5時間。
翌日はまたその繰り返し
という日々が始まりました。
もう今はできません…あの時の自分の体力すごいなと思います(笑)

その後、あさひくんが横浜FCへの期限付き移籍になると、始動日にはやっぱり横浜にいました(笑)
横浜での一番の思い出は三浦知良選手(現・アトレチコ鈴鹿クラブ)に「神戸から来てくれたんだね!あさひも頑張ってるから応援よろしくね!」と言われたことです。
宮崎キャンプでは巨人軍のキャンプと重なり、満員でバスに乗らせてもらえずにヒッチハイクをして見知らぬ人が車に乗せてくれ、空港まで無事にたどり着いたのも良い思い出です。

(匿名希望さんより提供)

横浜時代も午前中に横浜に行き、新幹線で出社、ということも普通にやってました(笑)
このシーズンは練習試合で結果を残していたのになかなかベンチにも入れず、とても苦しいシーズンでした。初めて怪我による長期離脱もあり、あまり思い出したくない1年です。

サポーターの方に心無い言葉を浴びせられたこともあったし、今だから笑って話せるけれどホントにしんどかったなあと思います。

(匿名希望さんより提供)

2020年の福岡でのJ1昇格と、大分への完全移籍の思いがけないショック

2020年に神戸へ戻り、そしてアビスパ福岡への期限付き移籍になった時も、やっぱり始動日は福岡にいる私。福岡は地元ということもあり、あさひくんは大人気でした!
コロナ禍もあり、なかなか試合を見に行けなかった1年でしたが、このシーズンはとても充実していたように思います。
福岡ではJ1に昇格することができましたが、昇格を決めた試合は累積警告でベンチ外…。
だからこそ、今年は絶対にスタメン出場して昇格を決めて欲しいなと思います。

(匿名希望さんより提供)

翌年神戸に戻ってきて安心したのも束の間、発表されたのは大分トリニータへの完全移籍。
それまでの期限付き移籍もつらかったけれど「戻ってくるかもしれない」という安心感のようなものがありました。
完全移籍という言葉は私の中ですごくショックで、大好きな選手を大好きなチームで応援できることはめちゃくちゃ幸せだったんだなと思い知らされました。

妊娠・出産。子供さんと通うように

ちょうどこの頃妊娠が分かり、なかなか試合を見に行くことができずゴールも見れなかったけれど、最終節のアウェイ・柏レイソル戦でなんと決勝点を決めてくれ、生で見れたー!と喜びすぎた私は、1週間後に緊急入院となりました。
無事に産まれてきてくれた今だから笑い話になりますが、ゴール裏ではしゃぐのはほどほどにしましょう…。反省。

2022年3月に出産したこともあり、大分での2年目はほとんど見に行けませんでした。
ちなみに、子どもは「あさひ」と名付けたかったし、周りの人はみんなそうすると思っていたようですが、それはせず朝陽くんの「陽」という漢字をいただいて名付けました
サッカーをするかは分からないけれど、朝陽くんのように周りの人を明るく笑顔にできる存在になって欲しいなと思っています。

あさひくんはその後、2023シーズンにV・ファーレン長崎へ移籍。

1年目からシーズンシートを購入しました。
なかなか試合を観には行けなかったけれど、あさひくんの活躍はとても嬉しかったです。
正直、それまであさひくんのサイドバックにはいい思い出がなかったけれど、そんなことも忘れ去るくらいの活躍をみせてくれました。
息子も1歳の誕生日を迎え、息子と試合を見に行くことも増えていきました。

後悔はしたくない。だから今年も長崎へ

長崎2年目の今シーズンは、私だけでなく息子のシーズンシートも購入。
兵庫県尼崎市から、新幹線や飛行機でホームにもアウェイにも息子を連れて参戦する日々が続いています。
今では息子も「あしゃひくん」と名前を覚え、手を振ってもらうと嬉しそうです。
いつも私に付き合ってくれて、息子には感謝しています。

今シーズンは今のところ、リーグ戦には全試合出場。
クラブが実施した「KMT株式会社Presents V・ファーレン長崎推し総選挙2024」では1位。本当にすごいなと思います。

数年前はなかなか試合に絡めず、アウェイに帯同するかも分からない日々でした。
アウェイゲームの日は練習場に行き、そこにいれば練習を見て、いなければその足でアウェイの地へ行く…ということをしていました。
それを考えると、メンバー入りする!とほぼ確信できるシーズンがくるなんて、涙が出るぐらい嬉しいです。

この10年間、私自身もしんどいことがたくさんあったけれど、精神的にしんどい時は絶対にあさひくんがゴールを決めてくれて、めちゃくちゃ元気をもらいました。
初ゴールは過呼吸になるぐらい泣いて泣いて、1番しんどかった時に決めてくれたゴールは周りの人たちまでもらい泣きしていたのを覚えています。

いつも楽しそうにサッカーをするあさひくんを応援させてくれて、ありがとうの気持ちでいっぱいです。
私は応援しかできませんが、その声が少しでもあさひくんの力になってくれていたらいいなと思います。

今年のファン感謝祭では、借り物競争であさひくんが「自分を推し選手にしている人」というお題を引き、そこで10年間神戸から通っていると紹介してくれました。
10年間と覚えてくれていたのは、ホントにホントに嬉しかったです。

この10年間苦しいことも多かったけれど、今シーズンは絶対に笑って終われるシーズンにしたいです。
声が枯れるまで精一杯応援し続けたいと思います。

正直兵庫から長崎は遠いし、しんどい時もあるけれど行かない後悔はしたくない。
だから、私も全力でがんばります。

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