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2025年2月15日。長崎の地で、最高の観戦体験をみた
昨年夏の体験
昨年の夏、とあるチームの観戦チケットが当たり、公共交通機関を利用し子供たちを連れて家族でスタジアムに向かった。
普段仕事で訪れるのとは異なる、客観的な視点でサッカー観戦を体験してみた。
この時に痛感したのだ。
日本の夏の試合で、すでにサッカーを好きな人たちならばともかく新規の人たちに、特に子連れの人たちに継続してスタジアムを訪れてもらうのは容易ではない、と。
なぜならば、常に汗をかく気候の中スタジアムまで向かったうえで、初来場の時点ではおそらく興味が強くない、暑さから逃れる手段のない環境で最低2時間を過ごすことになるから。
どうすれば「観戦環境・体験」を向上させられるのか
それ以降考えていた。
どうすればサッカーは「観戦環境」や「観戦体験」を向上させられるのか。
無論、サッカーという競技の面白さは重々承知している。
こんなに面白いものは他にないとさえ思う。
ただ、季節によっては競技に本格的に触れる前段階のハードルが高い。
サッカーはごく一部の会場を除き、室外競技だ。夏は暑く冬は寒い。
観客の観戦環境はそのまま気候に左右される。
そこに外で開催される競技の難しさがある。
室内競技であるバスケットボールが近年人気を集めているのも、競技としての魅力はもちろん、観戦環境の良さも無関係ではないだろう。
観戦環境はハード面に左右されることから、改善するのは容易ではない。
大きな費用がかかる。
ならばそれを上回るほどの観戦体験を、初めてサッカー観戦をした人たちでも分かる魅力を伝える必要があると考えていた。
最適解を見た、2月15日のピーススタジアム
暑さと寒さという違いはあるが、2月15日、ロアッソ熊本とのナイトゲームでその最適解を見た。
V・ファーレン長崎のピーススタジアムは在来線に加え新幹線も乗り入れる長崎駅から、徒歩で約10分。
子連れでも15分ほどあれば到着するし、歩く距離を短くしたければ路面電車(長崎電気軌道)やバスに乗ってより近くまで向かうこともできる。
スタンドからピッチまでは最短5mで、どの席から観ても臨場感たっぷりに楽しめる。
また、複合施設であるため食事ができるフードホールや商業棟など、一時的に暑さや寒さから避難できる環境もある。
開業時から分かっていたこれらハード面の魅力に加え、ナイトゲームならではの圧倒的な観戦体験に驚かされた。
誰しも驚く、ナイトミラージュ
試合直前、会場全体の明かりが落ちる。
ファン・サポーターの持つペンライトが、川辺に住む無数のホタルのように淡い光を放つ。
そこに大迫力のナイトミラージュ(レーザーショー)がお出まし。
インパクトメンバー(ベンチメンバー)、スターティングメンバー一人ひとりを、大型ビジョンだけでなくピッチ全体を使い紹介していく。
炎も上がり、さながらライブ会場のようでもある。
最後には花火が打ち上がった。
サッカーに興味がなくとも目が釘付けになるに違いない。
自然と気分が高揚したところに、ほぼシームレスに選手たちが入場してくる。
そして、最高の観戦環境での90分間が始まる。
この日のV・ファーレンは先制されるも、後半に一挙3得点を挙げ逆転勝利。本題である試合でも、何度となくスタンドを沸かせた。
「試合以外」の観戦体験の重要性
サッカー観戦には試合が魅力であればそれでよい、という考え方もあるだろう。
ただ、筆者は初めてスタジアムを訪れた人たちをリピーターにするにはそれでは足りない、と考えている。
どこのクラブも「試合以外」の観戦体験を充実させているが、それらの最高峰を長崎で見た。
また、勝利した試合の後にもナイトミラージュは実施される。
ファン・サポーターにはお馴染み、FUNKISTの「V-ROAD」が流れるなかでの幻想的な光景によって最後の最後まで非日常の体験ができ、現実に引き戻される帰りの道中も負担が少ない。
2月中旬のナイトゲームは長崎とはいえ寒く、当初は疑問の気持ちもあったが、勝ち点3獲得に加え最高の非日常を体験できた一戦だった。
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