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愛するクラブを公私ともに応援:JR諫早駅【特別編】

トランスコスモススタジアム長崎(以下、トラスタ)の最寄りである、JR諫早駅。
この駅にはJR九州の長崎本線と大村線、加えて2022年に開業した西九州新幹線が乗り入れています。
また、島原鉄道の島原鉄道線にも接続している、長崎県内でも有数の利用者が多い駅です。

諫早駅では9月22日のトラスタでのラストマッチ、ザスパ群馬戦を盛り上げるべくさまざま試みを実施中です。

そこで今回は、プライベートはもちろんのこと、企業や店舗などを通してV・ファーレン長崎を応援している方にお話を聞く「愛するクラブを公私ともに応援:〇〇」特別編として、諫早駅駅長の春本さんと諫早駅の駅員である小野さんに直接お話を伺いました。


V・ファーレンに関するキーマンは小野さん

諫早駅はトラスタの最寄り駅であるため、試合日にはこの駅を経由してV・ファーレンロードを通って徒歩で向かったり、バスに乗ったりしてトラスタに向かう大勢のファン・サポーターの姿が見られます。

駅としても試合日にはロックバンド「FUNKIST」 が作ったV・ファーレンの応援歌「V-ROAD」を流し、駅員の皆さんがユニフォームを着用するなど盛り上げに一役買っています。
その中心的な役割を担うのが、諫早駅に勤めて約2年半になる小野さんです。


駅員の小野さん

春本駅長「V・ファーレンの取り組みはまず小野くんが盛り上げようと頑張って、それを見た他の社員が協力しよう、俺もやろうとだんだん広がっていきました。どうしても、今日が試合というのを忘れる時もあります。
でも、小野君が試合の日にユニフォームを着てくることで『今日試合だ』と皆が気付き、すぐロッカーにユニフォームを取りに行くというような切り替え役をやってくれているので本当に助かっています」


小野さん「もともと試合の日にV-ROADをかけたりユニフォームを着用したりするというベースはあったので、あとはいかに全員を巻き込むかでした。
最初は忘れることもあったので、自分がLINEに投げたりすることで(駅員の)皆が積極的にやってくれるようになりました」

12年間サッカーをしてきた小野さん

小野さんは小学生から大学生までの頃まで12年間サッカーをしており、おもにCBとしてプレーしていました。
2009年にJ1リーグ3連覇を達成した鹿島アントラーズに惹かれ、また諫早駅の前には鳥栖駅(佐賀県)で働いていたためその時はサガン鳥栖の試合も観ていたそう。

諫早駅に転勤になったことで、徐々にV・ファーレンへの興味が涌いたといいます。

小野さん「今ほどじゃないですけど諫早駅でV・ファーレンさんのことを(以前から盛り上げようと)やっていたので、V・ファーレンの試合について社員同士で話していくうちに少しずつV・ファーレンも気になってきて、DAZNで観るようになりました」

高木琢也CROの活躍も観ていた春本駅長

諫早駅の駅長である春本さんは福岡県出身で、学生時代は野球部に所属。
ただ、中学生の頃にJリーグが誕生し、サッカーも好きで観るようになったといいます。

諫早駅の春本駅長(撮影日:9月3日)

春本駅長「世代的にやっぱり三浦知良選手が好きで。(1992年に日本が初めて優勝した)アジアカップの時の三浦さん、高木(琢也)取締役兼CROのプレーを見ていた世代です。

ここ(諫早駅)に来る前にV・ファーレンについて1番興味があったのは、V・ファーレンロードでの活動でした。JR九州は地域とつながりを持とう、地域を元気にしようと掲げているので、それを実践されていることに興味を持っていました。

もともとずっとサッカーをしていた小野くんのように、JR九州はスポーツを経験してきた社員やスポーツが好きな社員が多い傾向にあるんです。そのためサッカーや野球、ラグビー、個人競技もそうなんですけど、何かがあればみんなで応援しよう、盛り上げようという会話が始まるという特徴があると思います」

タイムリーに書かれる諫早駅のボードの謎、解明

諫早駅の在来線改札口から入った場所には、秋野央樹選手のボードやヴィヴィくんのぬいぐるみとともに、試合の結果を記すボードが設置されています。

左下のボードが試合後すぐ更新されている(撮影日:9月18日)

筆者は以前から、トラスタでの試合が終わり、駅に到着するとすでにスコアが記載されていることに驚きがありました。

春本駅長「当日のスタッフが試合の状況を確認していて、タイムリーに書くようにしています。
V・ファーレンを応援するという部分に加えて、我々はお客様をお迎えする準備をしないといけません。
試合が早く終われば早く帰りたいというお客様もいらっしゃるので、窓口とか改札とかでバタバタしないように準備をしています」

トラスタラストマッチを盛り上げるべく、諫早駅が実施する試み

9月22日のトラスタでのラストマッチに向け、諫早駅は複数の試みをしています。そのうちの1つがポスターの作成。V・ファーレンの後半戦ポスターを真似たもので、SNSなどでも話題になっています。

V・ファーレンを真似たポスター

春本駅長「駅員たちが地域を盛り上げようと取り組んでいる中で、9月22日に向けて何ができるだろうかとV・ファーレンのポスターを見ていて、『あ、これを真似たら面白いんじゃないか?』というような話になったようです。小野くんも含めてフォーメーションを組んでいます。
『駅って面白いんだ』と感じてもらえたらという思いもあって取り組みました」

この他にもみどりの窓口前に記入コーナーとして模造紙を設置し、ファン・サポーターからの応援・感謝のメッセージを募ったところ、なんと用意していた4枚すべてが早々に埋まったそう。
この模造紙は、V・ファーレンに届けられます。

また、新幹線改札口の外側にはトラスタでの歴史をまとめた大きなボードも設置。22日に諫早駅を訪れた際は、ぜひじっくりとご覧ください。

諫早駅に設置されたボード

駅としても、これらの取り組みによる反響を感じています。

春本駅長「普段から改札口でお客様といろいろな会話をするんですけど、V・ファーレンに関する会話が増えたと思います。
ご挨拶する時に、お声かけをいただくようになりました」

小野さん「試合終わりに列車に乗られる方が、結構声をかけてくださるようになりました。あとは諫早で試合がなくなることを寂しいねと話をされる方もいますね」

春本駅長の想い

春本駅長「(トラスタでの最終戦を迎えることについて)私からお伝えしたいことは3点あります。

1点目はこれまで諫早駅をご利用くださったファン・サポーターの皆様、応援してくださった皆様への感謝です。
2点目は選手の皆さんへの感謝です。諫早を本拠地として取り組んでいただいたことに感謝しています。
3点目は、これで終わりじゃないですよ、という気持ちです。
本拠地は変わりますけど、我々がV・ファーレンを応援するという気持ちは変わりません。
今まではファン・サポーターの皆さんをお迎えする立場だったんですけど、今後はファン・サポーターの皆さんを長崎駅に送り出していく。
一緒に勝利を願って頑張ろうというような立場になっていくという思いでいます。

JR九州自体も V・ファーレンを応援しています。
諫早駅だけじゃなく県北の佐世保駅なども試合の日はユニフォームを着て応援しているので、今後もその気持ちは変わりません。

V・ファーレンの魂は、作り上げてきたものは諫早にあるんだという我々の自負があるので、これからはその思いを込めてお見送りをする。
勝った時は良かったねとお迎えをして、負けた時は次頑張ろう!という思いを持って、お客様の応対を引き続きやっていければなと思っています。

(長崎は)地域の方が協力的です。お茶を振る舞ってくださったり挨拶してくださったりと、温かみがあって九州らしさを感じています。
JR九州ではD&S(デザイン&ストーリー)列車というものを走らせています。
この辺であれば(武雄温泉駅と長崎駅をつなぐ)『ふたつ星4047』があるんですけど、その列車を見たら地域の方が手を振ってくださるんですよね。

そういう温かみはV・ファーレンロードにもあって、挨拶してくださったり笑顔で応対してくださったりというのはすごく印象的だなと思います。
そうやって気持ちを高めていけば、試合では敵・味方であっても、良い気持ちで試合会場に臨めていくのかなと感じています」

小野さんの想い

小野さん「スタジアムが移転することによって、試合終わりの勝った時の楽しそうなファン・サポーターの姿を見る機会が減るのかなというちょっと寂しい気持ちはあります。
逆に送り出す側になるので、長崎で勝ってくれれば笑顔で戻ってきてくれるというのもあるので、帰ってきていただく方たちを迎える時の楽しみもあります。

自分としても、V・ファーレンさんとともに盛り上げていきたいと考えています。何年か前に1日駅長でヴィヴィくんが来てくれたので、またヴィヴィくんと一緒に仕事できたらなと思っています。

ヴィヴィくん(筆者撮影)

新スタジアムも気になるのでぜひJ1昇格していただいて、開幕戦から行ってみたい。
J1にV・ファーレンが上がって新スタジアムで鹿島との試合を観たいというのもあって、応援に力が入っています」

トラスタでは最後の試合となりますが、もちろん諫早駅とV・ファーレンの関係性は続いていきます。

諫早駅を「駅長対抗ご当地丼総選挙」上位に!

JR九州では現在、62の駅長が地域の推し丼をかけて闘う「駅長対抗ご当地丼総選挙」を実施しています。
諫早駅は「小長井牡蠣の白いスープ丼」でエントリー。

小長井牡蠣の白いスープ丼

この丼は総選挙のために作られた、特別なもの。
2012年の「かき日本一決定戦」で初代王者に輝いた「華漣(かれん)」という牡蠣が使用されています。
春本駅長は実際にこの丼を食べ、美味しさに驚いたそう。

春本駅長「フランス料理のシェフをされミシュラン1つ星を獲得された方が監修してくださっている、丼の域を超えた丼です。
全てに牡蠣が詰まっています。
上に乗っている牡蠣だけでなく、スープの中にも牡蠣のエキスが入っていますし、中にも牡蠣が潜んでいます。
食べ進んでいきスプーンを挿すと牡蠣が出てきて、本当に牡蠣三昧になっています」

「小長井牡蠣のスープ丼」は、諫早湾漁協小長井直売店で食べられます。前日までの予約が必要ですので、予約して訪れてみてください。
「駅長対抗ご当地丼総選挙」の予選投票期間は10月14日まで。
下記の投票用QRコードより投票可能です。

V・ファーレンの盛り上がりに貢献してくれている諫早駅のために、ぜひ投票をお願いします!
上位に入ると門司港駅前で開催され優勝を決定する「決勝イベント」に参加でき、諫早の名をより九州で広めることにもつながります。

春本駅長「華漣(かれん)だけを有名にしたいというわけではなくて、これをきっかけに『諫早に行ってみたい』と思ってもらい、お客様が実際に行ったら『諫早ってたくさん良いものがあるじゃないか』と知ってもらいたい。
入り口としてこの丼があると思っているので、ここから広げていきたいですね」

V・ファーレンと諫早という街、諫早駅との関係性はこれからも続いていきます。
そして、諫早が盛り上がることとV・ファーレンの盛り上がりは密接に関係しています。

「V・マガジン」ではV・ファーレン長崎はもちろん、V・ファーレンを中心とする地域の盛り上がりに貢献できればと考えています。
それはクラブの価値向上にもつながるはず。
お互いの魅力を知り、それぞれが魅力を伝え、相乗効果が生まれると嬉しく思います。

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