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愛するクラブがくれたもの【11】

V・ファーレン長崎を愛するサポーターの方からお話を伺い、応援することで得たもの、楽しさを多くの人に広める「愛するクラブがくれたもの」。
第11回は「miyuさん」よりいただいたお話です。

※サムネイルの写真は、今季第24節・甲府戦のもの。

miyuさんにとって、V・ファーレンを好きになるのは簡単なことではありませんでした。


徐々に、人付き合いが苦手に

愛するクラブがくれたもの…それは「苦難を乗り越える力」「乗り越えた先にある光」です。
私は今シーズンから特にV・ファーレン長崎が大好きになり、アウェイ観戦は6回、ホーム観戦は9割もしくは全通をめざしています。
それでも私にとって、こうやってサッカーを好きになるまでは苦難の連続でした。

まず、小学生の頃から私は大のスポーツ嫌いでした。理由は単純で、運動音痴だからです。
体力測定をすれば50m走10秒台、腹筋は30秒間で10回、ボール投げに至っては7mも飛びませんでした。
そのことでクラスメイトからからかわれた回数は数え切れ無いほど。次第に体育の授業も、スポーツの存在すらも苦手になっていきました。

学生時代に良い思い出のない私は人付き合いが苦手になっていき、人脈を広げることを怖がり、更には新卒で入社した会社でも人間関係が上手くいきませんでした。
初めての一人暮らしで家族を頼ることもなかなかできず、職場の先輩にも気を使い、友達もいない…。すごく寂しくて、家の中で号泣したこともありました。

彼氏とのなかなか上手くいかないお付き合い

そんな私を支えてくれたのは、V・ファーレンをはじめスポーツが大好きな彼氏の存在。
彼氏とはもともと友達の友達で、共通の別の趣味があり仲良くなりました。さらに小・中学校が一緒だったと知って、とても親切にしてくれたことからお付き合いが始まりました。

彼は、野球・サッカー・バスケなど、週末はいつもどこかの遠征や、スポーツ観戦に出かけていました。さらに、自分のやりたいことにはいつも勇猛果敢に挑戦し、人生を全力で楽しんでいるように思えました。
インドアでネガティブ思考の私と、アウトドアでポジティブ思考の彼。正反対の私たちは、なかなか上手くいきませんでした。

私たちはこのまま上手くやって行けるのだろうか。喧嘩やすれ違いを減らすにはどうしたらいいのだろうか。私は今どうしたいのだろうか。
沢山悩んで、悩んで、悩み抜いて私が出した答え。それは「彼の好きな物を私も好きになりたい」でした。

可愛いもの好きの目に留まったヴィヴィくん

彼の好きな物を好きになるにはV・ファーレン長崎を知ろう!と思い、インターネットで「V・ファーレン長崎」と検索しました。
私の目に飛び込んできたのは、クラブマスコットの「ヴィヴィくん」。
…か、か、かわいい!!!

可愛いものが大好きな私はヴィヴィくんの虜になり、本物のヴィヴィくんを見るためにスタジアムに行くことにしました。
初めてのスタジアムで試合前にグリーディングしているヴィヴィくんと触れ合った私は、気づいた時にはヴィヴィくんグッズを買い漁っていました!

初めてヴィヴィくんにプレゼントを渡した場面(miyuさん提供)

ヴィヴィくんを好きになり、V・ファーレンに興味を持ってからは彼との喧嘩も減っていき、少しだけV・ファーレンの話もできるようになっていきました。

初観戦は後悔も…しかし今は再びゴール裏へ

初めてスタジアムで見た時の席は、ゴール裏。スポーツに苦手意識のあった私は、V・ファーレンに興味を持つまでオリンピックも見ないほどスポーツに興味がなく、「ゴール裏」という席の存在すら知りませんでした。

初めてのゴール裏での観戦は驚きの連続で、こんなにガチで応援している人達の中、私は場違いじゃないのか…!?と泣きそうになっていました。
それから私は、ゴール裏観戦を封印しました。

ゴール裏観戦を封印したあとはバック側でスタグルを食べたりお話しながらゆっくり観戦し、次はメイン席のアウェイ側、メインの席ホーム側と、慣れるにつれ徐々にゴール裏へ近づいていきました。
声を出してチャントを歌ったり手拍子したりと応援すること自体楽しくなってきたので、またゴール裏に行ってみたい!と思えて、今では再びゴール裏を中心に観戦しています。

メイン席やデジマシートも好きなので、時にはゴール裏以外でも観戦していますが。

苦手を克服し、今ではがむしゃらに応援

私にとってサッカーを好きになることは、苦手を克服することと同じでした。それでも、好きになりたかった。いつも全力で楽しそうに試合を観ている彼氏が羨ましくて、自分もそうなりたかったのです。

昨シーズンが終わりオフシーズンに入った時、選手の契約更新や契約満了、新ユニデザインや試合日程の発表、色んな情報がX(旧Twitter)で流れてきました。
自分でもなぜかよく分かりませんが毎日15時、情報が更新されることが日々の楽しみになっていました。

今シーズンに入ってからはヴィヴィくんのためだけではなく、ただ試合が観たい、応援したいという気持ちでスタジアムに行くことが増えています。

今年描いたゲーフラをヴィヴィくんに持ってもらった場面(miyuさん提供)

通い続けていくうちに「負けたくない!勝ちたい!!!」という思いも強くなっていきました。
そして今は、ただがむしゃらに応援することが自分に出来ることだと思っています。少しでも選手の力になれたらなと。

生きる希望をくれた、V・ファーレン長崎

私に生きる希望をくれたのは、間違いなくV・ファーレン長崎です。そして、V・ファーレン長崎と私を繋げてくれ、長い付き合いとなっている彼氏にも感謝を伝えたいです。本当にありがとう。
苦手なことを克服して好きなことに変えられれたこの経験は、私の人生を豊かにしてくれました。

あんなに思い悩んでいたのは、わずか3年前。新卒で入社して1年目のこと。仕事に慣れることに必死で、仕事終わりには自動車学校に通っていたので、仕事と勉強が忙しく私生活にまで手が回っていませんでした。
アウトドアで忙しなく活動してる彼氏を見て羨ましいと思うものの、自分から周りに声掛けたりコミュニティに入って活動したりといった気力はなし。

休みの日には、家で寝て体力を回復することしか出来ませんでした。
無気力で、生きる理由が分からず、部屋の中で泣いているような女の子でした。
そんな時も話を聞いてくれる友達はおらず、職場の上司に連絡して話を聞いてもらっていました。

その時の私に「生きていていいんだよ」と伝えたい。生きてればいつか大切なものに出会えるから。

昨シーズンのホームゲーム(miyuさん提供)

今人生について悩んでいる人、1人で寂しい思いをしている人、過去の出来事に囚われて苦しんでいる人、生きる希望が見つからない人。
たくさんいるとおもいます。
そういう人たちに、私みたいにネガティブで後ろ向きな性格でも、苦手を克服してサッカーを好きになれたよ!あなたもなんでもできるよ!と伝えたい。
「楽しむことを恐れないで」

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