理想の音を頭の中で鳴らせ

オーケストラでいろんな人の話を聞くと、どうやって弾くかの方法論にばかり執着して、実際にどういう音が出したいのか、どういう音楽にしたいかが全く欠如している人が多い
そういう人はこうしたらたぶんいいとなんとなく思っていたり、だれかが言った言葉をそのまま真意を理解せずに言ってるだけで、頭の中で具体的な音が想像できていない

つまりゴールが見えていない状態なのだ
そんな状態で練習しても暗闇の中を手探りでさまよっているようなもので、うまくならない
これが、きちんと理想の音が頭の中で鳴っている人ならば、今自分の出した音が良いか悪いか判断できるので道を誤ることなく進んでいける

もちろん、完璧な唯一の理想というものは存在しないが、学生オケレベルなのなら、そんなえらそうなことを言える立場にはないと思ったほうがいい
どうせみんな変な音出してるんだから素直にプロの出している音を目指せば良い

練習とは、自分の音を理想に近づけていく営みであり、すばらしい理想を知ることからはじまる
自分の演奏がなにかうまくいかないときは、理想を知らないか、その実現方法が分からないかのどちらかだ
でも何かうまくいっていないと分かる時点で少し道は開けているといっていい
自分の音がどんなにおかしくても何も思わない人が大多数だ

そしたらどうすべきか、まず理想の音を頭の中で鳴らせ!
なにかがおかしいという気持ちは、自分の音の未熟さの確信へと変わり、自然に理想の音の追求へとつながる

では理想の音を具体的に頭の中で鳴るようにするにはどうするのか
それは、良い音、良い音楽を聴きまくることだ
とりあえず年がら年中プロの演奏をききまくるのだ
できれば生演奏で、できるだけいい席で
生でしか分からない演奏の要素は実にたくさんあってその重要性はここに書ききれないし言語化しきれるものではない
そして、音源をきくならスマホのクソスピーカーとかではなくきちんとしたいい音の出るオーディオで

こうしてずっといい音、いい音楽に触れていればだんだんとそれが体に染み付いてきて、目指すべき方向が見えてくるはずだ
そして、いざ自分が楽器を弾くとなればその音を頭の中で強くイメージする
あの人の「あの音」を自分も出すぞ!

そしたらあとはそれをどう実現するかという現実的な問題になるだけだ
ここでやっと方法論に入れるというわけ
そしてこの「どうしたらその音を実現できるか」というのが難しい
だからみんながんばって努力するわけなんだけどね
それはまたの別の時に述べるとして、とりあえず理想の音が具体的に頭の中で鳴ってないとはじまらない

決して理想を忘れないこと、なにをするかどうするかに執着する前に一体「どこを」目指すのか明確にしておくこと

理想の音を頭の中で鳴らせ!

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