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国内のEdTech市場を徹底解剖(前編)

政府から発表されている「新しい生活様式」に沿った日常は長く続くと思われ、この社会的変化は産業全体に大きな影響を及ぼしており、教育産業もまた例外なく影響を受けると思います。

そんな中で活躍が期待されるEdTech企業、特に上場企業や上場企業傘下にあるEdTech企業に厳選して、今現在どういったサービスを提供しているのかをまとめました!


1.CHIeru(チエル):ITCを活用した学校教育のための「ものづくり」

元々は、教育・情報をメインとした総合出版と事業をバックグラウンドとして持っている旺文社の100%子会社。その後、アルプスシステムインテグレーション株式会社と合併。教育ICT化に特化した企業として活躍しています。

チエルでは、小・中学校から高校・大学向けの、授業改善に役立つ学習システムをはじめ教材、運用管理システム・セキュリティシステムまでをサポート。60種以上の製品・サービスを提供し、種々の教育現場の課題を解決します。


2.すららネット:インターネットを通じてゲーム感覚で学ぶことができる対話型のデジタル教材

2017年マザーズ上場のEdTech系スタートアップです。現代表取締役である湯野川氏が、とある東証一部上場企業の担当役員時代にeラーニング教材すららの事業をMBOによって買収した形で独立。現在では、学習塾を中心として、「すらら」の導入校数は1000校にのぼり、徐々に活躍を広げています。

すららとは、インターネットを通じてゲーム感覚で学ぶことができる、対話型のデジタル教材です。


3.クシム:eラーニング、研修管理、学習管理、コンテンツ管理、集合研修マネジメント、スキル管理等の「アイスタディ」

元々はベンダー資格取得のための学習支援ソフト「iStudyシリーズ」などを開発するソフトウェア企業。企業向けに、いわゆるeラーニングを提供しています。最近はブロックチェーン分野に注力しており、フィスコ関連グループ(ネクス、フィスコ)と業務提携し、カイカの連結子会社となっています。

フルスペックLMS。 eラーニング、研修管理、学習管理、コンテンツ管理、集合研修マネジメント、スキル管理等の豊富な機能搭載。 社員のスキル・資格取得状況を一目で把握。 個人の学習進捗状況を捉えた、的確な研修プランの立案を可能にします。


4.ジャストシステム:”今”、最適な学びが、ずっと続く「スマイルゼミ」

小学校向け学習・授業支援ソフト「ジャストスマイル」を開発。ジャストシステムは、教育機関向けに「一太郎」などを卸していた納入実績もあって、「ジャストスマイル」は全国の公立小学校の85%、約17000校に導入。家庭向けに、幼児・小学生向け通信教育「スマイルゼミ」も展開しています。

スマイルゼミは学習に必要なすべてを専用タブレット1台に集約。低学年のお子さまでも迷うことなく学習できるよう設計されています。
膨大なデータを解析し、お子さま一人ひとりに最適な講座をおすすめするので、学習の偏りがなくなります。取り組みが遅れている教科や、間違えた問題を優先的に出題するため、苦手を作りません。


5.LITALICO(りたりこ):障がいを持つ子どもや、就職困難者を対象としたサービスを展開

ソーシャルスキル&学習教室「LITALICOジュニア」が全国に98拠点、IT×ものづくり教室「LITALICOワンダー」が全国に9拠点。2005年創業、2016年3月マザーズ上場、2017年3月に東証1部に移行、売上高は約121億円(2019年期)という猛スピードで急成長している企業です。

LITALICOジュニアは、幼児から高校生までを対象にした、ソーシャルスキル・学習教室です。一人ひとりの好きなものや得意なことを生かした授業を組み立てることで、お子様の「できた!」を増やし、生きる土台となる力の獲得を目指します。


6.ユナイテッド:現役のプロのマンツーマンメンタリングで実践的スキルを習得「TechAcademy」

「TechAcademy」は、楽天のシステム開発やSI業務を担当していた村田氏がキラメックス株式会社を2009年に創業。2016年にユナイテッド株式会社へ売却。2018年からはユナイテッドの新規事業開発担当だった樋口氏が同社取締役に就任しています。

プログラミングやアプリ開発を学べるオンラインスクール。1人では続かない方のための短期集中プログラム「オンラインブートキャンプ」を開催。
現役のプロのサポートと独自の学習システムで短期間で成長いただけます。


7.フューチャー:プログラミング家庭教師「CodeCamp」

株式会社ビジネス・ブレイクスルー(BBT)でマーケを担当していた池田氏が2012年に創業。2016年にフューチャー・アーキテクト売却。2018年からはフューチャー・アーキテクト出身の堀内氏が代表取締役に就任。テクノロジーの啓蒙から、エンジニア・ビジネスリーダーの育成/輩出することをビジョンとして位置付けて事業を展開しています。

CodeCamp(コードキャンプ)はオンラインプログラミング学習サービスです。初心者でも、現役エンジニアの個別指導で効率よく確実にプログラミングが習得できる。


8.ベネッセHD:1回約10分で学習内容がよくわかる「進研ゼミ(チャレンジタッチ)」

進研ゼミシリーズを運営。約4300万人前後が登録していることが公表されていますが、売上高から逆算すると、その10分の1相当にあたる430万人前後が課金ユーザーであると推定されます。また、ベネッセとソフトバンクの合弁で「Classi(クラッシー)」というICT事業も提供しています。

タブレットで学ぶ小学生向け通信教育「チャレンジタッチ」。国語・算数・理科・社会はもちろん英語・プログラミングまで対応。


9:リクルートHD:大人の英語も、受験勉強も「スタディサプリ」

「スタディサプリ」は、オンライン予備校サービスとして2011年からサービス開始。保護者の年収が、子供の学歴と強い相関関係を持つ「教育格差問題」が社会問題としてありますが、スタディサプリはそうした子供たちを対象に始まったとされています。課金ユーザー数は75万人。全国の学生や社会人が利用しています。

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自分も今さらながら、個人的にスタディサプリで英語を勉強してみましたが、TOEICの点数が3ヶ月で250点くらい上がりましたし、暗記系の授業はオンライン教育やeラーニングで十分だと感じました。


さいごに

オンライン教育が当たり前の世界では、英語はネイティブ講師にいつでもお願いすることができるようになりますし、音楽やダンスなどもプロの講師にお願いしやすい社会に変化していくと思います。

既に一部の大学では、大学外の方をゲストスピーカーとしてオンライン授業にお招きするということがあるらしいのですが、「外部講師を呼びやすくなった」という言葉が印象的でした。

たしかに、どこかの学校まで出向いて講演や授業をやるとなると、移動時間を含めて半日かかりますが、自宅からオンラインで接続できれば移動不要なので参加しやすいですし、忘れ物があってもすぐに取りに行って戻ってこれるので安心ですね。

続いて、後編はEdTech領域の市場分析編ですが、こちらは少々ガチめな内容になっているのでご参考程度に。