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森のようちえん まるたんぼう 体験留学記
1週間の保育園留学に、いってきました!行き先は鳥取県智頭町の「まるたんぼう」
自然保育へのあこがれを感じ続けている私にとってずっと「子どもを通わせたいな」と思っていた園。
夏休みの特別体験があるというので迷わず申し込み、家族みんなでプチ移住してきました。
まるたんぼうの園庭は、町内14か所のフィールド。野山、川、沢、田んぼ、畑などなど豊かな自然に迎えられて、在園児さんとも混ざり合って5日間をすごした子どもたち。
まるたんぼうのスタイルは、いろいろな体験を大人が「させてあげる」場ではなく、本人の「やりたい!」の発露を待つこと。
とにかく子どもたちの主体性に任せて、そしてそれを発揮するまで、とにかく待つ。
ありのままの自然の中で何をしようかなと考え、自分や自分たちなりのルールで、各々が好きなことに没頭する時間
現代のシステムや分刻みのスケジュールから抜け出して、ひたすら気の赴くままに過ごす時間
人間本来の生きる力を育てる、とても貴重な時間を過ごしました
■苦い夏の思い出も、成長の糧
初日の親子登園を終えると、2日目からは子どもたちだけで登園
たったの5日でしたが、楽しいことも、そうでなかったこともたくさん経験したよう。
というのも、子どもたちのやり取りや諍いにできるだけ大人が口を挟まないのが、まるたんぼう流。
子どもを一人の人間として尊重しているからこそ子どもたちに徹底的に任せている先生たち。
自分たちでご飯を作る【クッキングの日】と張り切って登園した4日目、
まさかの長男(5歳児)が持参した生米がこぼれるハプニングが発生したそう。
ご飯の分け前が減っちゃう大惨事!
米を拾うか拾わないか、どうするのか話し合いが始まり(聞いた話はもっと複雑だった笑)、年長児たちは全員お昼まで会議して過ごしたそうで
先生は助けてはくれない(もちろん見守ってはくれる)
「これでおしまいね」「誰々が悪いから謝ったら?」「終わりにしてご飯食べたら?」
そんな、親だったら言ってしまいそうな言葉をかけてくれたりは、しない
自分たちで考えて、言葉で気持ちを伝えて、互いの気持ちを理解して、落としどころを見つける
時に不条理なことや納得できないことがあっても、むやみに他責にせず自分なりに気持ちに折り合いをつける
いろんな考えがあると知る
もちろん一筋縄ではいかないけど、そんな【訓練】になっているのかなと
その日、お昼ごはんを食べずに降園した長男。
「気持ちがモヤモヤする、今日は楽しくなかった」と言いつつ、誰かの名前を挙げたりするわけでもなく、友だち同士で議論???しあったことにどこか得意そうな気配すら感じたり。
詳しく聞こうとしても「めっちゃ難しい話したけん、大人にはわからん」と一蹴されました。(笑)
ただ単なる【自由】ではなく集団として【自治】も同時に求められる環境
時に厳しい環境の中で手を取り合い、しんどいときも楽しいときも一緒に経験するからこそ、深まる絆
そんな日々を通して、「他人」というものを知り、「自分とは違うんだ」ということを理解し、お互いを尊重し合える人間関係を作れるのかなと、たった5日でも、感じました。
■子どもも親も、先生という仲間を得る
普段、保育所に通わせていると意図せずとも「保育サービスを受けている」意識があったなということに気づいたりもして
この5日過ごして思ったのは、「子育ての仲間でもあり先輩と、一緒に子どもを育てている感覚」
親としてのマインドセットも、普段とかなり違っていて、でもきっと、本来子育てってそういうものなんじゃないかなって思ったりもして。
保育所や学校に、正解を求めるのではなく、一緒に子どもにあった最適解を探していく、だったり
先生にすべてを委ねる、期待に沿わなかったら攻撃する(!)といった縦の関係性ではなく(どっちが上であっても)
一緒に子どもの成長を楽しんだり、その多面性を見つめたり
そんな仲間のような感覚でいられたのは、やっぱり先生たちのスタンスが、徹底的に【俯瞰】であり
子どもたちをフラットに観察して、気持ちの機微や行動、その洞察力に目を見張る物があったから
『口は出さない、けど見てくれている』
その安心感が、日々のレポートからもひしひしと伝わって、本当にありがたかった。
同時に、子どもたちが自然の中で自分の感情を解放できていたこともあると思うし、少人数保育だからこその手厚さもあると思う
本当に、まるたんぼうという場所はハードもソフトも、子どもそして親の成長にすごくマッチしているんだなあと思いました
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長男は釣り竿を1から作って、土を掘ってミミズを探して、餌にしてカワムツ釣ったり(釣れなかったらしい)
4歳の次男は10本もマッチ擦ってようやく成功し、焚き火を起こしたりと、初めての経験もたくさんした5日間。
毎日、2人の報告に驚くばかりでした
そしてリモートワークをなんとかこなした我々親たち…
またまるたんぼうの皆さんに会える日が、待ち遠しいです。