見出し画像

「リーダーシップに出会う瞬間」【読書会参加記録#05】

第3回の参加記録を1ヶ月塩漬けにした反省を活かして、今回は参加翌日に書く。

▼こちらの本の、読書会第5回目に参加した記録です。


第5回の読書会は、いよいよ主人公がリーダーシップに出会う瞬間の章

月に1~2回くらいのペースで参加している読書会も、いつも間にか第5回目。
物語も進み、これまで他人軸で八方美人的に生きてきた主人公の青木さん(成人発達理論でいう他者依存段階)が、自分なりのリーダーシップに出会い、自分の人生の手綱を握り始める転換の章だ。
他者を貶めるような振る舞いをする小林課長に、思わず、「それはおかしいんじゃないですか」という声を上げてしまったことをきっかけに、自分が本当に大切にしたい価値観に気付いていく姿が描かれている。

青木さんのお母さんがよく言っていたという言葉、「私さえ我慢して丸く収まるならこれでいい」。その考えをそのまま受け継いで育った青木さんが、その呪縛?を脱ぐような瞬間でもある。呪縛を脱いだ後を表現した言葉が、これ。

自分で自分の正当性を臆せずに主張する潔さ

「物事をはっきりいう」とか、似たような言葉はたくさんあるけれど、この表現は、はっきりいうという行動だけを表す表面的なものではなく、中心に自分の軸があって、それを発露させる、というニュアンスがあって好きだ。

そして、この本の青木さんもそうだけど、どうやら人間の怒りという感情は、自分の価値観は現れやすいらしい。いくら押し込んでも湧き上がってくる怒りは、自分の本当に大切にしたいことが否定されたことがきっかけで生まれてきていたりする。だから、怒りを感じた時は、その奥底にある自分の本当のニーズにきちんと目を向けるというのは、大切なことなんだろうな。この辺りは、NVC(non-violent communication)に通づる。

もう一つ、この章で取り上げられていたのが、傍観者の立ち位置に着く場合のこと。誰かが自分の価値観に背くようなことをしていて、怒りや居心地の悪さを感じても、保身のために、声をあげられないことはよくあることだ。いわゆる、サイレントマジョリティと本の中でも書かれていた。そんな時には、「自分は身を守るために、今、保身をしている」と自覚的になることだけでも良いという。まず、自分の弱さから目を背けない勇気を持つことが大切なのだ。

「愛からか恐れからか、気付いていますか?」

ここまでが自分で読んだときの感想。読書会では、3人のグループになって、この章について、語り合って、深めていった。

対話のキーワードとなるような本文中の表現として、挙げられていたのはこんな言葉たち。

● サイレントマジョリティとスマートマジョリティ
● 自分の出会いに気付くコツ
● へっぴり腰で信念に立つ
● 大切にしよう、1ミリの自己犠牲のないところで

著者の有冬さんは、この章で、そして、この本で「人がコアな願いから動いているのか、エゴから動いているのか、つまり、愛から動いているのか、恐れから動いているのか、気付いていますか?」という問いを投げかけたかったそう。
コアな願いから動くようなスマートマジョリティが社会の大多数になればいいなぁとも。そんなの綺麗事と思う人もいるかもしれないが、誰だって、安心安全な場で練習したら自分の主張を言えるようになる、ということを考えると、不可能ではないとも思える。

グループディスカッションの中で面白かったのは、理不尽な場面に出会した時に、「やはりなかなか声をあげられない」、という人と、「黙っていられないのでつい言っちゃう」という人がいたこと。私はなかなか声を上げられない方なので、つい言っちゃうという人を羨ましく思ったいたが、その方の話を聞くと、そういう時は
衝動的に言っているところもあって、上手く言えずに場の空気を凍らせて、後から反省したりすることもあるそう。そんな話を聞くと、あぁ誰だって、いい意味も含めて、傷つきながら前に進んでいるんだなぁという気持ちになった。

人は、自分の想いを裏切り続けられないもの

そこから、全体で合流して、グループワークで話し合ったことをシェアしながら、著者の有冬さんからコメントをもらうような時間に。印象に残った話を羅列していく。

  • 本音でつきあってこそ、他人と愛で繋がれる。
    逆に八方美人は、誰とも関係性を築けない。

  • 自分の本音に対しても、サイレントマジョリティーのように無視をし続けていると、いつの間にか、自分の「愛」がどんなものか気づけなくなっている。
    そんな時にふいに自分の価値観にあった行動をとれた時に感じた爽快感を気っっかけに、自分の「愛」を再発見することもある。

  • 怒りははしたないこと、という教育を受けてきたようなものなので、自分の怒りの感情はネグレクトしがち。怒りこそ、自分で気付いて欲しい。

  • 主人公の青木さんは、人の尊厳に敏感な人。小林課長は一見成人発達理論でいう第2段階のように見えて、実は第4段階(自己主導段階)の人。ただ、恐れにまみれていて、第2段階の行動が発出しているような状態。これこそ、成人発達理論の複雑さ。

  • 自分の弱さに向き合うことも大切だが、自分のポジティブな面(人よりできること、頑張ったこと)も謙遜せずに真正面から受け取ることも大切

  • 社会の中で生きるうちに、八方美人でいられなくなる瞬間に、自分のコアに気付いたりする。

  • 自分の本音を言うときは、ある意味崖から身を投げるような感覚でもある。それと同時に「でもいい、もういいや」と爽快感を伴う。自分が自分の味方でいられるからこそ。

  • 自分の保身に自覚的であると、その時は気付くだけで行動ができなくても、いつか、行動ができる。それくらい人間は自分の想いを裏切れないもの。気付き続けると言うことが大切。


最後に、有冬さんが紹介されていたマリアン・ウィリアムソンの詩をここに引用する。

Our deepest fear is not that we are inadequate.
Our deepest fear is that we are powerful beyond measure.
It is our light, not our darkness, that most frightens us.
We ask ourselves, 'Who am I to be brilliant, gorgeous, talented and fabulous?'
Actually, who are you not to be?You are a child of God.
Your playing small does not serve the world.
There is nothing enlightened about shrinking so that other people won't feel insecure around you.
We are all meant to shine, as children do.
We were born to make manifest the glory of God that is within us.
It’s not just in some of us; it’s in everyone.
And as we let our own light shine, we unconsciously give other people permission to do the same.
As we are liberated from our own fear, our presence automatically liberates others.

― Marianne Williamson, A Return to Love: Reflections on the Principles of "A Course in Miracles"

▼これまでの参加記録はこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?