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自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れを取る技術【読書記録#19】

メンタル系を続けて2冊目。
陸上自衛隊の心理教官を務めていた方が書いた本で、良本だった。読んだら、ここしばらく空回りしていた無駄な頑張りに気付き、すっと肩の力が抜けた感覚がしている。読み返すように、要点を結構メモりながら読んだので、しっかり記録していこう。


1章 ムリしすぎて潰れないために

"ムリ"は、三段階で進行する。

 ① 日常的な疲労の段階
 ② 別人化が始まる段階
 ③ 別人化段階
段階が進む毎に、疲労度は1、2、3倍と増えていく(③になると、同じ出来事出あっても①の3倍心が疲れる。)だからこそ、早めに対象をすることが重要。

どういう人がムリを溜めやすい人なのか?

ムリを対処しきれずに貯めやすい人の特徴には大きく2点ある。
 ①「子供の心の強さ」しかない人
 ここでいう「子どもの心の強さ」とは、我慢する、諦めない、全部やる、一人でやる、完璧にやる、など。
 ② 短期目標で頑張る癖がある人
短期目標は、快感と高揚感を得やすいがゆえに注意が必要。

ムリは以下の理由から自覚しにくい

 ・ムリを感じにくくする麻痺のシステムがある
 ・疲労の質が身体疲労とは違い分かりにくい
 ・もっと大変な人と比べてしまう
  → 年齢もキャパシティも違うことを忘れてはいけない
 ・疲労するともっと疲れやすくなる(冒頭の疲労度の話)

個人的対策としてできること

 ① ムリをできるだけ自覚する
 ② ムリ(労働)を時間で管理する
 ③ 頑張らない自分を認める
  ・方針変換ではなく、追加と考える(今までの自分を否定しなくていい)
  ・目標の7〜3割でOKとする(8割以上はむしろ"取ってはいけない")
  ・手の届く具体的目標で自己肯定感を上げる

しがみつきに注意

疲労度が高い状況にいる時ほど、状況を改善したいがゆえに、さらにムリをして短絡的に目に見える成果を上げようとする。ムリを重ねると無力感に苛まれるバーンアウトへなってしまう。そのときに、ストレスの元凶にしがみついて、もっと自分を追い込むパターンがよくあるので注意。
(私もここ最近このパターンだった気がする。仕事でのゴールを失って、次の仕事のゴールを早く見つけないとと焦っていたような。別に焦る必要はないと気づいたら、ふっと楽になった。)

静と動のリフレッシュ方法を持っておく

ムリを解消する方法として、運動などの動のリフレッシュ法と、読書や編み物などの静のリフレッシュ法を元気なうちに見つけておくと良い。静は瞬間的な快感は少ないがジワジワ聞いていく。

組織のムリの対処法

多様な人が集まる集団で取り組む以上、ムダやムリは発生するもの。ムダやムリを発生させようと躍起になるのではなく、小さなムダ・ムリは発生する前提とした上で、大きくしないことが大切。

チンギスハンは「人並みの体力がある人」を指揮官に選んだ

能力の高い人をリーダーにすると、リーダーのペースで組織が動くため、組織全体にムリが生じやすい。

その上で、リーダーとしてできることは以下など。
 ・2段階目標で合格ラインとおまけラインを定める
  → 合格ラインを超えたら、それだけで十分に賞賛する
 ・すぐ弱音を吐く部下も、アピールしてくれると捉える、話を聞いて共感するだけでもうひと頑張りできることも多い

2章 感情のムダ遣いを防ぐ

感情は大量のエネルギーを消費するもの(感情疲労)

特に怒りや対人不安、自分の自信のなさから生じる不安は感情をムダ遣いする
これらは雪だるま方式に絡み合って増幅する。

怒りの対処法

 ・怒りの対象から距離を取る
 ・呼吸をし、背伸びをする
 ・怒りの必要性を分析する
 ・怒る必要があれば、どう怒れば自分の感情が落ち着くかをイメージトレーニングする(他者をどうすれば懲らしめれれるかという視点ではやらない)
 ・理想的な怒り方をしているモデルを探す

3章 ムラのある人から脱却する

ムラには2種類ある

① 本人のやる気の問題
やる気を刺激したりすることで改善し、長期化することはない。意識からのアプローチで改善する。
② エネルギー不足の問題
無意識の影響が大きい。意志の力では動けない、どうにもならない。

新型うつは従来型うつと違い、蓄積型の疲労によるもの。ジワジワと悪化し、回復にも時間を有する。

ムラへの対処法

満足7:不満3で現状評価し、満足している面にも目を向ける。
また、ムラの解決策もまず休むこと。ムラの回復期の注意点として、リバビリ期のムラでちょっと改善したからといって完治したと思わないように注意。
アクセルは急に踏まず、例えば、1時間勤務を1週間、2時間勤務を1週間、悪化したら2-3日休んで一つ前のステップから、という緩やかなスピードで進める。


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