サービス業が大好きです。
いらっしゃいませ。
不思議な日本語ですね。
さて、noma東京についてのドキュメンタリー映画を見た。「世界のベストレストラン」というランキングで何度も世界一になったレストランであるnomaが期間限定で東京にやってくるのを追ったドキュメンタリーだ。
日本ではミシュランが有名で、私も今回初めて知ったけれど、食通の中では一つの指標となるランキングのようだ。
そんなランキングで何度も世界一を獲るなんてよっぽどのことだろうと思っていたら、たしかにすごそうな人がシェフをやっていた。
カメラワークのおかげで、レネさんがふとした瞬間に五感を働かせて日常を送っているが分かる。もちろん食材への向き合い方などは真剣であり、なるほどこれが日常的な振る舞いなのであればきっと目が覚めるような、心を打つような、料理ができるのだろうと感じた。
そんなプロの姿勢に感銘を受けるとともに、改めて、サービス業って良いなと感じた。
COVID-19の影響を受けなかった外食産業は一つもなかったと思う。外食産業とまとめられているけれど、正直に言ってチェーン店のことはどうでもいい。そこにもプロフェッショナルがいることは分かっているし、真剣な人々がいることも当然分かっている。企業のための活動ではなくサービスを提供することを生きがいとしている人々と同じだと考えることはできない。地域社会への何の目線もない、企業としての利益を追求していく姿勢に何のリスペクトも湧かない。なにがuber eatsだ、マクドナルドがどうした、スターバックスがなんぼのもんじゃいと思ってしまう。
もちろん、儲けることは大切なことだけれど。今日来るお客さんに何を食べさせてあげよう、今日来るお客さんにどういう気持ちで帰ってもらおう。そんな気持ちで働いている人々が日本にはたくさんいる。それを想像するだけで少しうれしくなる。そういった人々こそ、外食産業の代表たるサービス業従事者だと思っている。
居酒屋、レストラン、バー、喫茶店、食堂、クラブ、旅館、ホテル、民宿、などなど、、本当に沢山の人々がこの業界から日本を盛り上げている。ストレスフルな環境でも、みんなが踏ん張りながら戦おうとすることができるのは、こういう部分からパワーをもらっているからに他ならない。
しかし、実際問題として非常に多くのお店屋さんが閉店の決断を下しているし、営業を続けている人々も非常に苦しいと思う。
ありがたいことに、noteでもそういった方々の苦悩や決断を読ませてもらう事ができる。
本当に多くの人が、特に自営業の人々は苦難の中で、工夫しながらこの災害を乗り越えようとしている。
人間に必要な能力は想像力だと改めて思う。
自分が飲む水、食べるもの、着る服、入ったお店、使っている道具、全ての向こう側に人間がいて、自然がある。
そういった事を想像する言葉、いただきます、ごちそうさま、ありがとう、そういう言葉だけでも増やしていきたい。
サービス業の根本もきっと同じで、どんなお店も「いらっしゃい」で始まって、「ありがとう」で終わる。
お金をくれるというのは資本主義的な評価で、そこにサービス業の本質はない。お店に来てくれた客人を、「来てくれてありがとう」ともてなして、客はその気持ちに御礼をするという行為は資本主義が始まる前から行われていた。
だからお店を閉店しても、上でリンクを貼らせて頂いたような方々は他人に対してきっと敬意を払うことをやめないし、どんな仕事をやろうとも、どこかで人をもてなす楽しさを追求していくのではないかと思う。
そんな人々が日本にたくさんいることが少し誇らしい。それが有り難い。
そんな事を思いました。読んでくださってどうもありがとうございます。