フランス語日記❸:フランス語って人間らしい言葉だ。(多分)
フランス語の中級文法を始めて少し経ったときに、
英語の文章が恋しくなる。
受験生時代に使っていた単語帳を引っ張り出し、英文をちらと読んでみる。
本をたくさん読んだり、勉強を長い間続けていると不思議なもので、意図せず関係の無い情報が繋がることがある。
フランス語の「照応」
日本語の指示語と異なり、フランス語の代名詞には「照応」という機能が強い側面がある。
例えば、「il」や「elle」などは日本語の「彼」や「彼女」と違い、ヒトやものを直接に表すことはない。
つまり、フランス語の代名詞には、目の前のリンゴや鉛筆を指してさして「il」や「elle」といった指示語を使わない機能がある。
照応とは、モノや人そのものではなく、「ことば」を受けることだ。
概念としての「ことば」を受けるということだ。
前の文にジョンという人物がいたら、そのジョンという人物を
「受けて」いるだけなのである。指してはいないのですよ。
私はこの機能を見て、フランス語って「記号」と「記号」とつながりが強いなぁと感じました。
参考文献:あらわす文法 / 東郷雄二著
人間を人間たらしめるもの。
この記事でも書いているのですが、
人間の最たる特徴として、「言語を認識した関心の対象として捉える」というものがあります。
実際に触れるものだけを「言葉」を使って捉えるのではなく、実際に存在しないものでも、「言葉」で表現することができる。
分かりやすい例をあげるなら、
妄想や想像です。
実際には存在しえない状況を人は語ることができ、それを聞いた人はそのような状況を思い浮かべることができる。
実に不思議です・・・!
記号と記号
そして上にあげた2つのものには共通している部分があります。
概念としての「ことば」を受ける「照応」という機能と、
実際には存在しないものをとらえることのできる人間の特徴。
どちらも、「記号を記号で捉えている」のです。
このことに気づいた瞬間に
フランス語である意味人間的だなぁ
と思ったのです。
人間の最たる特徴を持っている つまり
「記号で記号を理解する」
フランス語には確かにこの特性が垣間見えたのです。
だから私は
だから私は、フランス語って人間らしいなと感じたのです。
でも多分フランス語だけがそうじゃないと思います。世界中にはほんとに色々な言葉がある。
ンジャメナ語。コサ語。アフリカーンス語。アイルランド語。アイヌ語。レト・ロマンス語。フリースランド語。パシュトー語。トルクメン語。
フランス語や英語なんて、その一つや二つに過ぎない。
でも確かに言えることは、言葉は無味乾燥な記号や文法の体系ではなく、
その中に今回のような「人間らしさ」みたいに、
一人一人の人間みたいに、正確や特徴があると考えると、
勉強していて、楽しくなることだと思います。
さて、日本語はどんな「らしさ」があるのでしょうか・・・?
と今日も大学生は物思いに沈んでいる。