子供らしさって何だよ
大人なのに、子どもらしさがあって素敵ですね
と、どこかで聞いたことがある。
サラッと聞いたのだけれど、では「子どもらしさ」とは何かと相も変わらず私は疑問に思ってしまった。
ここでの「子どもらしさ」は、一体誰から見た「子どもらしさ」なのかということがそもそも問題であろう。大人なのに、ということは、大人には普通子供らしさは無いだろうと感じている人間が言う言葉であることが窺える。
ではこれは、大人から見た子どもらしさであって、子どもから見た「子どもらしさ」ではない。
ということは、大人という視点を持って構築された「子どもらしさ」が、最初の「大人なのに、子どもらしさがあって素敵ですね」の中に含まれているのではないだろうか。
では、大人から見た「子どもらしさ」とは一体なんだろうか。
無邪気にはしゃぐことか。屈託のない笑顔を見せることか。くだらないことで笑い合うことか。まぁ色々あるだろう。でもそれは、繰り返すが、当人がそう感じていることではなく、大人が、外から見た印象ではないだろうか。
子どもの中にも、自分を客観視できる人物は、もちろんいる。しかしそういう人物が全員ではない。つまり、子ども自身は、「子どもらしさ」を知らないということではないか。それは自分が自分らしさを、第三者的な立場で可視化することが難しいことと一緒だろう。
だから、いわゆる「子どもらしさ」って、一種の役割としての「子どもらしさ」なのだと思う。仮に子供が「子どもらしさ」を知る場合、それは自己完結的に認識できるものではないだろう。
あ・・・、これが「子どもらしさ」なのか、と自分だけではない視点を用いることによって、「子どもらしさ」を認識する。まさに、それは他者、特に大人という視点から見た「子どもらしさ」なのだろう。
では、真の「子どもらしさ」とは一体なんなのだろうかと、疑問は続く。あなたはさて、どう考えるだろうか。
では、いわゆる、大人から見た「子どもらしさ」に戻った時に、それが失われていくのは何故かを考えてみよう。それはきっと、自分の思うがままに振る舞うことが、他人に迷惑をかけるということを学ぶからだ。まさに子どもは、社会的な人間に成る中で、「子どもらしさ」のようなものを失っていく。
でも、その「子どもらしさ」は、大人になった人でも、持ち合わせている人物がいる。それはいい意味でも、悪い意味でもあって、前者の場合、「子どもらしさ」のような状態とそうでない状態との区別がついている場合で、後者の場合、「子どもらしさ」のような状態とそれ以外の区別がつかない、つまりずっと「子どもみたい」な人の場合だ。
ここで子どもらしさの”ようなもの”と書いたのは、真の「子どもらしさ」と区別するためだ。
前者とした挙げた、「子どもらしさ」とそれ以外の状態の区別がついているという状態は、一体何を意味するか? そうそれこそ、「子どもらしさ」が、大人である自分によって客体化されているということだろう。
大人なのに、子どもらしさがあって素敵ですね
という言葉は、まさに大人であることと、「子どもらしさ」が出現しているという対比を表している。おもしろい。
では再び、真の「子どもらしさ」とは一体なんなのだろうか?
私が思うに、
無邪気にはしゃぐこと、屈託のない笑顔を見せること、くだらないことで笑い合うこと、のようなものではない。
真の「子どもらしさ」とは、「苦悩すること、社会性を学ぶこと」であろう。
社会性を学ぶことも、「苦悩すること」の中に含まれるのだが、とりあえず区別しておこうね。
子どもは、学ぶ者。だって、知らないことが多すぎるから。
大人から見た「子どもらしさ」は、子どもっぽいという理由で、子ども以外の人物によって、再構築されたもの。(何回も言うぜ)
イメージは、「寺田心」くん・・・かな。あの子は物の見事に、「子どもらしさ」を”演じている”。素晴らしい。
でも残念、あれは(少なくとも私の意見では)、真の「子どもらしさ」には見えない。
子どもってのは、泣いて、バカみたいなことをして、叱られて、自分の力の無さ、無力感を感じて、社会性を学び、また失敗して、泣いて、失敗して、主体と客体の区別がつかぬまま葛藤し、怒られてを繰り返すのだ。
まさにその大人という存在に近づいているということが、その過程そのものが、真の「子供らしさ」というか、そういうのが「子ども」なのだと思う。
「いつまでも子供みたいにするな」という時のものが、つまりは真の「子どもらしさ」ってこと。
誰にでもわかる、完成した彫刻のような、一片の傷もない「コドモラシサ」は、やはり私の目には、子ども以外の誰かによって構築された、「観光地」の様に見えてしまう。
まぁつまり、寺田心=観光地ってことだな。うん、意味わからんね。忘れて忘れ~~て。
それと
後は、なんにでも疑問を持つことも、真の「子どもらしさ」かもね。多分ね?
と
今日も大学生は惟っている。
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