短歌　006

「愛とは」と語るあなたのしたり顔
つねりたくなるそれも愛だと

居留守して郵便受けの不在票
捨てたい思いを破いて捨てた

「心してかかってこい」と敵の君
心は勇者（きみ）にあげたはずだよ

なくなったはずの心が痛むのは
やっぱり息を吹き返したから

いしゅーとかえびでんすとか知らんけど
わたしを馬鹿にしてるんでしょう

インパクトドライバーとか使ってさ
開けたい風穴、地球の裏側

大学を中退したからなんなんだ
今、無職なのがいちばん恥

唇の逆剥け具合を確かめて
それすら可愛くしてくれる彼

君が笑うことが嬉しくて泣いた
卑屈な僕が華やかに散る

訳もわからずにあなたを慰めて
喜びで泣くなんて素敵ね