自由律俳句 003

溶けるとかじゃなく破壊されるような夏

アイスバーのこと舐めてたわごめん

死んだミミズか金属片か

道端のウンコも干からびた

よろめいて転けたらきっと火傷

汗ばんだTシャツ洗濯まで放置、いいのか

絡みつくような湿気密着する肌着

空く腹さすり夏の暑さに負けた心

表せぬ感情を無理やり言葉に編む朝

雲が飛んで跳ねて重なる

霧と共にライトアップされる小さな影

破るような爆音と共に命削る鋭利な声

独りじゃない独りじゃないと言う本当は一人

憂い纏いて君の家探す月夜

打ちひしがれ憎悪と復讐に燃えただ炭となる

その小さな腹から出る感情全て飲み干した

生ぬるい空気久々の夜歩き追い風も温度

生き恥と170円リンゴジュース

認めてくれよとひかる街灯

とんこつラーメン油で胃もたれ25歳

拝啓言葉にできないこと蠢いていますか

フラストレーション言葉吐けど沈む身体

己の足音遠くに水音虫の音近づいてくる乗用車

台風時の自室世界から孤立した不安

意味のない言葉は本当に意味がないのか

暑さで目が覚めすぐ尿意

餃子も優しくなったね私は嫌なやつなのに

お使い嫌いなものばっか

父の作ったカレー挽き肉が均等

乾く前のネイル気づいたら気持ちえぐれる

お部屋を冷蔵庫のように冷やしたらと母

丸まり読書する母はカピバラのような顔

存在意義を失うよりも作り続けて過労

果てにあるもの そもそも果なんてあるか

右手痺れようとキーを打つ使う指変えて打つ

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ささの うゃ(UYAMUYA)
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