UXデザイナーが結婚式の体験設計を考えた話
みなさん、こんにちは。
予定していた結婚式をコロナの影響で中止にし、最近やっと実現することができたまつみさです。
その際、UXデザインセンターの皆さん全員が快く参加してくださり、本当に心温まる時間を過ごすことができました。なんていい人たちなんでしょう。
そんな結婚式での体験設計について今回はご紹介できればと思います!
コンセプトを決めて共通認識をつくる
結婚式っていざ準備を始めると、たくさんのアイデアや希望が出てきて、あれもやりたい、これもやりたいと大迷走が始まります。
大迷走しないで準備を進めるために、まず私たちはこの結婚式で何を実現したいんだっけ?ということを話し合いました。
話し合いの結果、私たちは以下を結婚式のコンセプトにして体験設計を行なっていくことにしました。
優先順位はA>Bとしました。何を1番に優先するのかが明確であれば、迷走してしまうことが少なくなります。
結婚式って服装やマナーなど、伝統的な部分もあったり、世代によって考え方が違ったりしていて新しいことを取り入れることが難しい部分もありますが、私たちはなるべくゲストの負担を少なくすることを軸に結婚式の体験を考えることにしました。
サービスやシステムなどのデザイン設計においても、コンセプトを明確にすることは非常に重要ですよね。コンセプトを定めることで、プロジェクトに携わる全員が共通認識を持ち、最適なカタチを目指すことができます。
式場のプランナーさんにもこのコンセプトを共有し、準備がスタートしました。
出欠連絡はWEBで、ゲストカードを採用
UXデザインのプロセスでは、リサーチによりユーザーのニーズや行動を理解することが大切ですが、今回は自分や夫が結婚式に出席した時の経験を元に考察することにしました。
まず結婚式の招待状を受け取った後にゲストが行う必要があるのが、出欠やアレルギー有無の回答です。返信用ハガキを同封するのが一般的ですが、手間の少ないWEBの招待状も最近は人気となっています。
私は招待状を受け取った時にワクワクする人なので、自分の経験から招待状は紙で手作りすることにしました。ただ、出欠連絡はハガキにすると期限内に記入や郵送といった手間がかかるため、WEBで返信できるようQRコードを印刷したカードを同封しました。
式当日の受付で名前を記入する手間も考え、ゲスト全員分の名前をひとりずつ記載したカードを作成し同封。こちらを持参していただけたら、当日記入等はしなくて大丈夫ですよ!という形にしました。
ご祝儀はクレジットカードの事前払いを選択できるように
多くのゲストの方に”よかった!”と言ってもらえたのが、ご祝儀の支払い方法に”クレジットカード払い”を選択できるようにしたことです。
ピン札を用意したり、ご祝儀袋を用意して名前や住所を記入したり、ご祝儀の準備ってそこそこ手間がかかります。そこで、今回はクレジットカードでの事前支払いも選択できるサービスを利用しました。
面白かったのが、新郎側のゲストはほぼ現金、新婦側のゲストはほぼクレジット払いと分かれる結果になったことです。新郎は親族が多めで、新婦は友人が多めでした。
もらう側になって初めてご祝儀袋の種類の豊富さにびっくりし、中には手作りしたくださった方もいて、どちらも選択できる形にしてよかったなと思いました。余談ですが、式の余韻に浸りながらたくさんいただいたご祝儀袋を開けていく中で、内袋に一言メッセージが書いてあったものがあったんですが、これがすごく嬉しくて。これは自分がご祝儀袋を開ける側に立つことがなかったら、絶対知ることのなかった気づきでした。
引き出物はカード1枚で、プチギフトはスクラッチくじ
引き出物は自分で吟味して選ぼうか迷いましたが、コンセプトに立ち戻ってゲストの負担を最優先に考えることに。遠方から飛行機で来られるゲストも多く、なるべく身軽で帰って欲しい。そこで引き菓子なども全てまとめてカードのQRコード読み込みでWEBから申し込めるものを採用しました。
ただ、式場から『箱に入った状態でのセッティングになります。こちらではカードを箱から出すことはできません』と言われ、それでは嵩張るではないか!と前日に式場入りして箱からひたすらカードを抜き出して、手作りしたカードケースに納め直すという作業をしました。笑
ゲストとのお別れの際に渡すプチギフトは、お菓子などが一般的ですが、私たちはスクラッチくじにしました。ゲストを思い浮かべた時、お菓子だと好き嫌いがあるかもしれないし、持ち帰るのに少し嵩張ってしまうかも…。そこで、小さくて薄いのはもちろんのこと、当たって嬉しくない人はいないだろうとスクラッチくじにすることにしました。(300万当たったゲストは出なくて残念…)
来てよかった!と思ってもらえる付加価値を考える
ゲストの負担削減を最優先で考えて準備を進めていましたが、感謝の気持ちを伝えたいというのも大事なコンセプトです。私たちの結婚式だから提供できるアイディアがないかを考えました。楽しんでもらいたい!日頃の感謝を伝えたい!と思った時に、私にできることってなんだろう?と悩んだ結果、私はちょっとだけ絵を描くのが得意なので、ゲスト全員分の似顔絵を描くことを決めました。一人一人の似顔絵に私との関係と紹介文を添えてウェルカムスペースに飾りました。これが思っていた以上にめちゃくちゃ大変だったんですが、とても喜んでもらえました。
メッセージカードもそれぞれの思い出の写真を一人一人印刷したり、ちょっとでも喜んでもらえるように工夫を凝らしました。
まとめ
UXデザインのプロセスにおいて、”ユーザーにとって使いやすいか”というのは重要なポイントです。使いやすいということは、ユーザーが不快に思うことが少ないということです。
サービスを使う時、利用するための新規登録などの部分で躓いてしまうと、サービス自体の内容に関わらず使いづらかった印象が残ってしまう場合があります。
結婚式に招待してからの負担を削減することは、当日を楽しんでもらうことはもちろん、全体を通した体験としてより良いものすることにつながってくるはずです。また、コンセプトを明確にすることで、夫婦間はもちろん、プランナーさんや式場スタッフとの共通認識が生まれスムーズに準備を進めることができました。
当日は本当に一瞬で終わってしまったけど、準備期間も含め、本当に貴重で一生忘れない大切な経験になりました。
UXデザインセンターの方々からの「何着ていけばいいかな!?」の問いに
「なんでも大丈夫です!1番おしゃれな格好で来てください!」
と答えていたんですが、これが結構ハードルを上げていたようなのでそれは良くなかったな。。。笑