「甘噛みするだけのロボット」は社員の妄想から生まれた|甘噛みハムハム開発チーム座談会
こんにちは。ユカイ工学 PRの青井です。
2022年3月8日、ついにクラウドファンディングがスタートした「甘噛みハムハム」。開始3分で目標金額を達成し、現在では1,000人を超える方からご支援をいただくことができました。たくさんの応援本当にありがとうございます。
さて今回は、甘噛みハムハムの誕生を楽しみにお待ちいただいているみなさんに、クラウドファンディング開始前に行った社内座談会の様子をお届けします。
甘噛みハムハムはどのようにして生まれたのか? 開発メンバーとともに振り返ります。
プロフィール
開発チーム座談会
----- 「甘噛みハムハム」のアイディアはどこから?
原田 最初は2020年のメイカソンでの冨永さんのアイディアですよね。私は入社して初めてのメイカソンだったのでよく覚えてます。
冨永 メイカソンのチームが決まった後、アイディアを持ち寄る会があって、その時に出したんですよね。最初はあまりウケがよくなくて苦悩の期間がありました。でも、やっぱりいいよなと思って、2回目のアイディア会でも出して、強引に進めました(笑)
ハムハムする仕組みって意外と手軽に作れるんじゃないかと小畑くんにお願いしたら、小畑くんがすぐに「こうやったらできますよ」と言ってくれて。頼もしかった。
----- 最初のデモ機はどんなふうに生まれたのでしょう?
小畑 最初はぬいぐるみの想定じゃなかったんです。ぷにぷにするものが作れたら面白いかなあと思っていて。
ハムハムする仕組みは1週間くらいで作って、外見はモデリングで試作したんですが、外見を作るのは難しいねという結論になりました。
そのあと、既製品のぬいぐるみと組み合わせてみることにしました。ぬいぐるみにメカを入れてハムハムさせてみたら「いいじゃん」と。結果的に、最初のデモ機は今とあまり変わらない形になりましたね。
冨永 でも、製品化にあたってぬいぐるみをどうするか悩むだろうなと思いました。リアルな動物にしすぎても気持ち悪いかもしれないし、アホっぽいのも違和感があるし……
そんな時に、ぬいぐるみを数多く手掛けるりぶはあとさんと出会って、「ねむねむアニマルズ®」のミケネコのゆずとシバイヌのコタロウを知ったんです。
原田 りぶはあとさんのぬいぐるみはどの子も可愛いのですが、甘噛みハムハムにはこの2匹がぴったりでしたね。
冨永 ゆずはよく映えるんです。女優さんの隣にいても負けないと思ってます。
羽田 コタロウは優等生な可愛さを感じます。この2匹のバランスがいいですよね。
----- 社内メンバーにプレゼンしてみて、いかがでしたか?
冨永 メイカソンの発表当日、プレゼンをしたらハムハムを体験したい人が列を作ってくれて嬉しかったなあ。勝った!と思いました。
山本 プレゼンの衝撃が凄かった。「甘噛みをされたい葛藤から、全人類を解放する」とか。体験したい!ってなりましたよ。
冨永 言っちゃったよね(笑)
鷺坂 あのプレゼンを見た時には「またおもろいこと言ってるな〜」としか思わなかったけど、ああいう表現こそ、広く伝えるのには役立ったと思います。
冨永 「甘噛みハムハム」という名前も、すんなり決まってよかったです。
原田 最初から「冨永節」が効いてましたよね。甘噛みハムハムは見た目とは裏腹に、ユカイらしい良い意味で狂ってる部分がにじみ出ている。
私はQooboが好きで入社したのですが、甘噛みハムハムもそれに近い「狂愛」みたいなものがにじみ出ていて、世の中の人も「またヤバイものが出てきた……」と感じてくれているんじゃないかなと思います。
----- これまでにどんなトライアンドエラーがありましたか?
原田 たとえばサイズでしょうか。少し大きいサイズと小さいサイズの2つで迷いましたが、小さい方を選んで良かったなと。社内の他のメンバーにも試してもらいフィードバックをもらっていました。
色んな人にファンになってもらえたおかげで、トライアンドエラーを繰り返せたと思います。社内にもファンがいるのって強いですよね。ファンの熱量がよりクオリティを上げてくれるんです。
----- 甘噛みのしぐさ(ハムゴリズム)は、どう決まっていったのでしょう?
小畑 最初に、自分が6つくらい考えたんです。怒り、悲しみ、あくび、楽しみ。そのあと山本さんにパスしたら、20~30くらい出てきて、驚きました。
山本 2021年の夏ごろだったかな。私はメイカソンのチームメンバーではありませんでしたが、「ハムハムの動きって誰かやるんですか?」と鷺坂さんに聞いたら「小畑さんが頑張っている」と。ハムハムにさせたい動きがあって、やらせてもらうことになりました。
小畑 「もうお前を離さないハム」とかしぐさを細分化してきて、「そうくるか!」と。
山本 当時のアイディアだけでも40くらいありましたね。実装しきれなかったものもありますが。
冨永 甘噛みについてこんなに考えてる人いないだろうと思います。一つひとつの甘噛みしぐさに名前付ける人もいない(笑)
原田 山本さんはPetit Qooboのふるまい作りも担当されていて、その時も思ったんですけど、愛情が深いなあと。さすがだなと思いました。
----- いよいよクラウドファンディングスタートですが、皆さんどうですか?
冨永 「社内を動かすには熱意を持ってやれ」がメイカソンの意義でもあると思うのですが、本当に「ここまで熱意がないとダメなんだな」と感じました。甘噛みハムハムの他にもメイカソンでは面白い作品が出てきます、製品化するためには発案者が自ら周囲を巻き込んで動かなきゃいけない。
クラウドファンディング、どのくらい支援が集まるだろう……楽しみです。
原田 欲しいと言ってくださる方が多くてうれしいです。もっと賛否が分かれるんじゃないかとドキドキしていたのでほっとしています。
冨永 プレス発表直後の「CES 2022」で反響がよく、そのあとテレビやWebメディアなどで紹介してもらったのを見て、もしかしたら、もしかするのかな……と思っています。不安をちょっとずつ乗り越えています。
原田 ものづくりって、ものを売らなきゃいけないからハードルが高いですよね。でも、ユカイのクラウドファンディング史上一番を取りたいです。
山本 そういえば、クラウドファンディングのリターンの中で特にサコッシュとおしゃぶり付きの「お世話セット」を気に入ってるんです。おしゃぶりのアイディアを出した時、チームメンバーからいい反応をもらえて嬉しかったので、すぐに試作しました。
原田 そのスピード感、ユカイの強みですよね。それに「いち早くお届けする」だけじゃない、クラウドファンディングならではの楽しみがあると思いました。
----- ユーザーさんには、どんな時に甘噛みハムハムを使ってほしいですか?
冨永 動物を育てたことや、子育ての経験がある方には、特に共感いただけると思います。
それに、一回噛まれるとどんどん好きになることがわかる。座りながら、TV見ながら……気持ちいいと思います。
羽田 男性でも違和感ないですよね。
山本 男性の知り合いに見せたら「中毒性があるね」「もう少しやっていいですか?」と繰り返してました。
鷺坂 仕事しながらも使えると思っています。Web会議に参加しながら、手はハムハム。会議しながら癒やされるのもアリですね。
原田 デスクに置けるサイズだから、作業中「ああ〜だめだ〜」と思ったらハムハムできるんですよね。「在宅ハムハム」とか「オフィスセット」みたいなのもいいかもしれない。
山本 ハムハムチャージできます!
羽田 お出かけの時にもいいかもしれません。運転中、眠くなったときとか。
山本 小さいと外に連れ出せるのがいいですよね。公園にも抱いていける。
原田 ハムハムに慣れると、だんだん手が寂しくなってくるんですよね。クセになる魅力がこの子たちにはある。だからこそ、多くの方に甘噛みハムハムを体験してもらいたいです。
----- 甘噛みハムハム開発チームのみなさん、ありがとうございました!
編集後記:妄想することを楽しみ、形にする
初めて甘噛みハムハムのプレゼンを聞いたとき、正直「また冨永さんが奇妙なものを〜」と思いました。不安になりながらも実際に噛まれてみると、思わず笑顔になっちゃったんですよね。今ではもう無意識に甘噛みハムハムの口元に指をいれています。
甘噛みハムハム誕生のきっかけである「メイカソン」には私も毎年参加し、「こんなロボットがいたらいいな」という妄想をチームで形にしてプレゼンしています。ユカイ工学のみんなって、妄想を楽しそうに話すんです。そしてすぐ作ってみちゃう。
そんな環境にいると妄想でも応援されて当たり前に感じてしまっていたのですが、「それが何に役立つの?」「人を助けてくれるの?」「必要なの?」という意見が出る方が自然なのかもと思いました。先日行ったアイディアワークショップでも「役に立たないけど、自分が欲しいもの」が多く出ていましたが、「それ面白いね」「こうしたら作れそう」と盛り上がっていました。
現実から離れたクレイジーな妄想でも、ユカイ工学ではポジティブな反応やすぐ行動に移す反応が返ってくるんです。むしろ、クレイジーであればあるほどかもしれない。そんなところがユカイ工学の魅力なのかもと改めて感じました。
もうすぐ、今年度のメイカソンがはじまります。一体どんな妄想が生まれ、そしてどんな姿になって動き出すのでしょうか。職種に限らず、誰もが企画者になれるメイカソン。楽しみでしかたがないです。
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