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甘噛みハムハムを生み出したユカイな文化メイカソンとは | ユカイな座談会

みなさんこんにちは。デザイナーの はらだ です。

クラウドファンディングを経て、7月27日から一般発売となった「甘噛みハムハム」。
ありがたいことに、すでに多くの方々に甘噛みを体験いただき、ユカイ工学オンラインストアでは120件以上のレビューをいただくことができました。

そんな甘噛みハムハムが生まれた、ユカイ工学のカルチャー「メイカソン」について振り返ります。

プロフィール

冨永 翼( Tominaga Tsubasa ) - CMO
最終面接で「3分落語」を披露し株式会社タカラトミーに入社。営業を経て、新規企画を行う部署へ。数多くの商品を世に出す。2016年にユカイ工学へ。国内海外のプロダクト事業を担当。猫舌の妻・息子2人と暮らす。

青井 美佳( Aoi Mika )- クリエイティブPR
化粧品営業や音響エンジニア、総務人事を経て、BOCCOのつぶらな瞳に心を奪われユカイ工学に入社。ユカイ工学では総務・CSを担当したのち、現在は主にPR・マーケティングを担当。妖精のような小さなロボットたちが身近に潜む世界を夢見ている。

青木 俊介( Aoki Shunsuke )- CEO
東京大学在学中にチームラボを設立し、CTOに就任。その後、PixivのCTOを務めたのち、ロボティクスベンチャーユカイ工学を設立。「ロボティクスで、世界をユカイに。」というビジョンのもと家庭向けロボット製品を数多く手がける。2015 年よりグッドデザイン賞審査委員。2021年より武蔵野美術大学教授。


ユカイな座談会

—— メイカソンとはどのようなイベントですか?

青木 毎年ユカイ工学が社内で開催しているものづくりイベントです。社員全員が参加し、5~6名ずつのチームに分かれて約2~3ヶ月程度ものづくりに取り組みます。アイディア出しから、デモンストレーションができる試作、プレゼンまでを行います。

Qoobo甘噛みハムハムもメイカソンで生まれたプロダクトですね。

この子たちの影響もあってか、最近ではメイカソンの取り組みが社外メディアでも注目されるようになりました。


—— メイカソンをはじめたきっかけは?

青木 最初は社員旅行のサブ企画だったんです。ただ遊びに行くのではなく、ユカイ工学の名前の通りものづくりをしよう!って。2016年に初めて開催した時はチームではなく、個人ごとに面白いアイデアを考えたり、新しい技術に触れるのがメインで、1日で作って発表していました。

チーム形式にしたのは、メイカソンを企画する前によく行っていたkonashiを使ったワークショップがきっかけでしたね。「Bluetoothを使ってこんな面白いことができるんだ!」って運営者側が驚かされることも多くて。中でも面白いアイデアが出るチームって性別や職種が多様なメンバー構成だったので、メイカソンのチーム分けもそこを意識しています。

冨永 そうですよね!メイカソンでは仕事で関わらない人と一緒にものづくりができるなと感じていました。今ではすっかりユカイ工学のカルチャーになっていますよね。

青木 メイカソンって文化祭に似ているんですよね。たいしてデザインとかできなくても「なんか絵描けるだろ」って任されちゃうみたいな。でも、みんなで当日までバタバタ準備して、なんとかしちゃうでしょ。


—— メイカソンの中で印象に残っているプロダクトはありますか?

冨永 青井さんは小さい妖精を永遠と追い続けてますよね。

青井 ずっと言ってますね。メイカソンに近いイベントで、自分のほしいものはこれ!って妄想を披露する「妄想会」っていうのがあるのですが、そこで発表したアイデアをメイカソンに持っていったりしてます。だからか、メイカソンのチームでは他の強い意志を持つ人とぶつからないんですよね。

冨永 たしかに、エンジニアの山田さんとかとは一緒のチームになることないよね。

青井 私のようにはっきりとした妄想を持っている人もいれば、エンジニアの高岡さんのように技術を使うのが好きって人もいるから、メイカソンではそのバランスもみてチーム編成をしてくれていますよね。

青木 そうだね、エンジニアは技術を使うのが好きな人が多いと思う。妄想を叶えるためにどう問題を乗り越えるか試行錯誤する楽しさもあるからね。

メイカソンは年に1度だけど、妄想会はまたやりたいなぁ。妄想会とかで出た没ネタが化けることもあるしね。

青井 たしかに!妄想のタネが貯まるのは良いですよね。


—— メイカソンは今年で5回目を迎えましたが、変化はありましたか?

冨永 メイカソンは年々アップデートしていますが、一貫して「一部の人を熱狂させる製品」ってテーマがありますよね。

青木 そうですね。「妄想をカタチにしよう」とかも言い続けてきたかな。

冨永 たしかに。昔のメイカソンはどちらかというと「普段接しない人たちと何か一緒にやったら面白いものが生まれそうだよね」って感じだったけど、Qooboが生まれてから「メイカソンからユカイなアイデアが生まれるんじゃない?」みたいな感じの雰囲気がちょっとずつ出始めましたよね。

そこから、だんだん事業部を意識した「ヒット商品」ってカテゴリになって、今ではメイカソンが自社プロダクトの王道になってきている感じがします。

心を癒やす、しっぽクッション。Qoobo(クーボ)を抱いている女性
心を癒やす、しっぽクッション。 | Qoobo(クーボ)

青井 Qooboに続いて甘噛みハムハムが出たことで「本当に商品化されるんだ!」ってみんな強く感じるようになったと思いますね。最初の方は、Maker Faireなどのイベントに出すことがゴールのように見えていたんですけど、最近は本当に「売るぜ!」て感じがしたから。みんなの姿勢が変わってきていると思いました。

冨永 甘噛みハムハムが製品化にたどり着けたのも、Qooboから生まれた縁だったりするから、いろんなところに良い影響出ていると感じますね。

青井 たしかに、Qooboがいることでユカイ工学から「また」面白いものが出た!って感じで取り上げてもらうことが多いですね。

青木 そうそう!嬉しいことに、甘噛みハムハムはQooboと見た目は全然違うけど、共通点があるよね!ってよく言われたりもしますね。


—— メイカソンで生まれたプロダクトはクラウドファンディングで世の中にお披露目されることが多いですが、その狙いは?

青木 テストマーケティングなどの狙いがありますね。Qooboの時は僕やCTOの鷺坂さんも対応していましたが、最近は青井さんがメインで進行してくれていますよね。

青井 そうですね。私たちのクラウドファンディングは主にテストマーケティングと、お客さんとつながることと、クラウドファンディングのプラットフォームの力を借りることの3つの狙いがあります。

クラウドファンディングは製造を実現するために応援してくれる仲間と資金を募ることが多いですが、ユカイ工学の場合は、製造は決定しているけど「どのくらいの人が欲しいと思ってくれるのだろうか?どのくらい生産しようか?」を知るためでもあります。

ユカイ工学のプロダクトって便利になるものではないので、正直なくても生活は困らない…だから私たちが面白いと思っていても、本当に世の中の人も共感してくれるだろうか…と、毎回ドキドキしながらトライしていますね。

だからこそクラウドファンディングのプロジェクトページは、安心してもらえること、共感してもらえることを大事に作るようにしています。

でも、私はもともとPRではなく総務として入社したんです。ユカイ工学のメンバーはみんな作ることはすごい得意で、こだわりを持ってものづくりをしているんですけど、お客さんにつながる部分にはちょっとした隙間があったんですよね。

せっかく良いものを作っているんだから、お客さんにももっとその良さが届いてほしくて、やれることをやっていたらPRも担当していました。

青木
 そうだね。最初は作るので精一杯だったな。クラウドファンディングだけでなく、Qooboファンミーティングも青井さんが動いてくれたから実現したよね。

冨永 青井さんは本当に丁寧に仕事をしてくれるので、クラウドファンディングもやるたびにレベルアップしているのを感じますね。

青井 性格が細かいので「大丈夫かな」って不安を全部潰していたら自然と丁寧になっていただけで…

私もユカイ工学のみんなと一緒で、私もものづくりが好きだから、その一番最後のところで、自分が力になれるんだったらやりたい!って手当たり次第やってきました。

そのほとんどが未経験で初めて挑戦することばかりだったけど、任せてもらえたことが嬉しかったですね。

青木 本当にありがたいです。だからこそ、クラウドファンディングで支援してくれた人たちの声も本当に嬉しいですよね。

冨永 そうですね。それだけでなく、ユカイ工学にクラウドファンディング支援のお問い合わせも来るようになったのは、青井さんの力だと思いますね。

青木 クラウドファンディングからユカイ工学を知ってもらえる機会も増えて、嬉しいですね!

—— みなさん、ありがとうございました!


編集後記:妄想がカタチになる瞬間

「こんなものがあったらいいのに。…でも私には作れないしな。」
「あ、作れますよ?」

ユカイ工学にいると度々起こるこのやり取り。
そう、熱量があれば案外作れちゃうんですよね。

自分ひとりでは具現化できなかった妄想が、周囲を巻き込みながらどんどんカタチになっていくのってすごいと思います。

メイカソンの舞台裏を覗くと、その過程のなんと地道で苦しいことか!
それでも、年齢も性別も職種もごちゃ混ぜで、あーでもない、こーでもないと試行錯誤するのって結構楽しいもので。

共感できることもあれば、新しい発想に出会うこともある。
これはチームでものづくりをする醍醐味だなと感じます。

それはきっと、ユカイ工学の中だけに留まらないことなんじゃないでしょうか。

よかったら、私たちと一緒にものづくりをしてみませんか?


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