【ドリッパーってどう違う?vol.1】抽出スピードでドリッパーを比べてみた。
こんにちは!話題のコーヒー農園や最先端の品種、そして誰もが疑問に思う抽出理論など、コーヒーにまつわるうわさをさまざまな角度から紹介するバリスタ・ロースターチーム、UWASAです。
突然ですが皆さんはコーヒーを淹れるとき、どんなドリッパーを使っていますか?
ポップで可愛らしいものから洗練されたスタイリッシュなものまで、今は幅広いドリッパーが販売されています。
美味しいコーヒーを淹れるヒントはドリッパーの選び方にきっとあるはず。
ということで今回はドリッパー紹介編vol.1
お湯が抜けるスピード
に注目してドリッパーを紹介していきます。
ということで、メジャーなものから最近リリースされたものまで「うわさのドリッパー」を集めました!
HARIO MUGEN
CAFEC FLOWER
ORIGAMI
KONO
SD1
CT62
(円筒形などのフラットボトムや台形のドリッパーは次回以降に紹介予定です。)
■検証その1
では、さっそく実験していきます。
同じレシピでコーヒーを抽出していき、その抽出時間の違いを調べてみます。
今回使用したレシピはこちら。
粉量 : 12g
挽き目 : Wilfa Svart Nymalt Filterから+2click
温度 : 90℃
使用豆:Ethiopia Washed
使用フィルター︰Hario V60 01W
12gで中挽きの粉に対して、40gのお湯を5回、計200g注いでいきます。※今回は実践想定として複数回注湯した際の湯抜けを検証します。
ドリッパーの湯抜け具合に関わらずタイマースタートから35秒ごとにお湯を注ぎます。注ぎ方はドリッパーの中心から徐々に淵へと広がるように、円を描いて注ぎます。
▪️検証結果その1
今回測定した数値は「落ち切り時間」「TDS(濃度)」です。これらの数値について、簡単に触れておきます。
落ち切り時間:お湯を注ぎ始めてから、注いだ全てのお湯が抜け切るまでの時間
TDS:注いだお湯に対して溶けたコーヒー成分の割合(≒濃さ)
これらはちょっとややこしい部分でもあるのでまた別の記事で補足したいと思います。
ここから特徴的なお湯の抜け方をしたドリッパーをピックアップしていきます。
最も早く抜け落ちたのは「CT62」(下記画像)日本ではここ数年で使い始めたバリスタが多いドリッパーです。
台湾のJake氏率いる Taster's Coffeeによる陶器のドリッパーで、変わった形状のリブと呼ばれる溝が内側に掘られてます。リブの数は縦に24本、ドリッパー下部に円を描くように1本入っています。ちなみに角度は62°。Jake氏いわく、従来の60°のドリッパーよりも2°広げたことでドリッパーに対してペーパーフィルターがより張り付きやすくなっているそうです。
最も抽出が遅かったのは「SD1」ドリッパー。(下記画像)これはインドネシアブリュワーズカップ2023のチャンピオンのHiro氏が開発に携わっているドリッパーです。こちらの素材はポリカーボネート(プラスチック素材の一種)で、同じくリブではなく溝が掘られているのですが、CT62との圧倒的な違いはその溝の数。3本のみの溝で空気の通り道が少ないため、湯抜けが遅いと考えられます。
全体のまとめに入ります。
結果の数字を見ると抽出時間が長いから濃いわけでもなく、短いから薄いわけでもありませんでした。抽出時間と濃度は密接に関係している….とは言えなさそうです。ただCT62の説明にもあったように、リブの形状に加えてドリッパーの角度が抽出速度に影響を及ぼしていそうなことは想像できました。
CT62は目詰まりが起きやすい浅煎りのエチオピアのウォッシュトなどを淹れるときなどに、SD1は抜けの早い深煎りのコーヒーやアナエロビックのコーヒーなどに使ってみてもいいはず。是非お試しください!
さて、初級編はこのあたりで終わろうと思います!
初級編からしっかり検証してしまいましたが、実験はまだまだ続きます…
次回もお楽しみに!
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