コーヒー豆を冷凍すると味はどうなる?
こんにちは!話題のコーヒー農園や最先端の品種、そして誰もが疑問に思う抽出理論など、コーヒーにまつわるうわさをさまざまな角度から紹介するバリスタ・ロースターチーム、UWASAです。
今回のテーマは「コーヒー豆の冷凍」です。
ご家庭でも豆の保管方法として選ばれていたり、オフィシャルなコーヒーの大会でも豆を冷凍して抽出していたりと意外と馴染みのある手法。今回は改めて、冷凍はコーヒー豆の保管方法として効果的なのかについて検証してきたいと思います。
カッピングによる抽出で味を比べる。
今回は抽出による味の変化を避けるためカッピングという方法で味を比べていきます。今回使用したレシピはこちら。
産地:Ethiopia Guji Buku
品種:Dega
精製方法:Anaerobic natural
焙煎日から2週間のものを使用
豆の量:9.5g
挽き目:EK43s #10.0(中粗挽き)
注湯量:160g
湯温:94℃
挽いたコーヒーにお湯を注いで、4分経ったらスプーンで混ぜ、表面のあくをとって上澄みをスプーンで飲む。
冷凍保管前に味わいをとる。
まずは冷凍で保管前の味わいをメンバーで確認。
こんなテイストコメントが出ていました。
フローラルでグレープのような酸を感じる。
後味にややビターがある。
とうがらしのようなスパイシーさがある。
3種類の状態を3種類の袋で保管。
今回の実験では冷凍の検証と同時に、保管に適したパッケージも探ります。ジップロック、バルブなしのコーヒー袋、※バルブありのコーヒー袋を用意し、常温、冷蔵、冷凍の状態で保管していきます。つまり計9種類の保管方法で検証。 それぞれにコーヒー豆を20g入れて1ヶ月半保管します。
※バルブとは、新鮮なコーヒー豆から出るガスを袋外に放出し加圧状態になることを防ぐために設けられた弁のこと
そして楽しみに待った1ヶ月半後。まずはジップロックで保管した常温、冷蔵、冷凍のコーヒー豆の味わいを確認しました。
ジップロック
バルブのないコーヒー袋
バルブのあるコーヒー袋
冷凍をすると、味わいが残りやすい結果に。
袋の素材関係なく、冷凍で保管したコーヒーはフレーバーや味わいのどれかが残っていました。また、常温の保管と冷蔵の保管で味は大きく変わらない結果に。おそらく冷蔵ほどの温度では劣化を止めることが難しいようです。
では、なぜ常温・冷蔵で長期保管した豆は味わいが劣ったのでしょうか?
保管温度が高いと、酸化が速まる
保管温度が高いと、ガスと一緒にアロマが抜ける速度が速まる
ことなどが考えられます。
一方で冷凍すると、酸化速度が遅くアロマが抜けにくくなるため、鮮度が保たれ味わいがより残ると考えられます。
ぜひ、豆を長期保管して楽しみたいときは冷凍してみてください。
袋の素材選びも、保管において重要。
冷凍したコーヒー豆をジップロック、バルブ付きのコーヒー袋、バルブなしのコーヒー袋でそれぞれ保管したものも比べてみました。判明したことはジップロックで保管すると外気の臭いがつきやすいことです。コーヒー豆の袋の多くは内側にアルミのコーティングが施されており、外気の臭いを遮断すると同時に内側の空気も閉じ込めてくれます。
また、バルブのあるコーヒー袋は内側からガスと一緒にアロマが放出されるため、酸化による劣化は防げてもフレーバーが弱くなると考えられます。
よって長期保管の際は、密閉できて空気が出入りしないバルブなしのコーヒー袋が最適です。
バルブなしコーヒー袋×冷凍 で保管がおすすめ
今回の検証で分かったことは、①外気を通さない素材で、②冷凍以下の温度で保管すると豆のアロマや味わいを残せることでした。
次回はこの冷凍したコーヒーを美味しく飲む方法や、どの素材の袋や瓶が一番保管に適しているかなどをさらに掘り進めて行けたらと思っています。
まだまだ実験は続く…
次回もお楽しみに!