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:0026 〆切七転八倒 感想

詩集など本の紹介 第8弾!


みんなの相棒 〆切

わたしは〆切は守れるほうだ。しかし、〆切は守ろうとすると過ぎているもの。〆切よりも先回りしてクエストをクリアしておく。それがわたしのなかでの解決策だ。

わたしも〆切を決めてからでないと動けない。〆切より、どれだけ自分の移動速度が早いかでこの茶番の難易度は変わる。自分の移動速度に関係なく、〆切はいつもそこにいるのだ。

新刊あります!

わたしも言いたい!同人誌即売会での自分のサークルの見栄えを考えて3冊同時並行で書いている。

だって「新刊あります!」を半年以上叫べないなんて辛くない?

P16の3行目より引用

いまだに1冊も出せていないわたしも辛い。詩集をひとつでも出せば応募できる詩の公募だってある。名刺としても詩集を作りたい。常に最新のわたしの作品を読んでほしい!Twitterで書いても激流で流されて気づかれないのかもしれないと不安になる。

今SNSを開いたら「脱稿しました!新刊あります!」と呟けるーーその事実に震えるほど興奮する。

P28の3行目より引用

わたしもこうなるのだろうかと期待したり恐れながら読んだ。最高の想定も最悪の想定も、だいたいこの本を読めばできるような気がした。

脱稿祝い飲酒デッキ

タンブラーに氷を入れて、焼酎でたっぷり氷を濡らす。(省略)要は、空っぽの胃を守れるなら、なんでもいいのだ。脱稿酒の前にヨーグルト、やったことがない方は、ぜひ試してみてほしい。翌朝の元気が違ってきます。

『〆切七転八倒』のP.74の1-8行目より引用

こんな似たような話がある。

三日間で、合わせて四四ショットのウォッカを飲んだにも関わらず、私は悪酔いすることなく乗り切ることができた。その理由は明快だった。アドバイスを忠実に守り、出されたサーロをせっせせっせと食べ続けてきたからだ。

愛と憎しみの豚』のP.228の15-17行目より引用

ウクライナのファスチフという街での話。ウォッカを飲むまえにサーロ(豚肉の脂身)を食べて悪酔いを防ぐ文化があるという。

サーロとヨーグルトにはどちらも油分がある。わたしはお酒はなかなか飲まないが、たっぷりと油分をとれば安心してお酒をゴクゴク飲んで、ぱぁと酔って脱稿祝いをしたい。そしてSNSには酔った勢いで投稿しないように触れないようにする。

『〆切七転八倒』自体も完結してから脱稿酒が盛んだったのだろう。いつか終わる3冊の詩集の執筆のさき、脱稿酒を楽しんで〆切を急に増やす過ちを犯して。



やまおり亭さんは文学フリマ東京36で出店されます

山折書亭
ブース :C-05
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