航海 │ 詩
この海の果てには何があるんだろうね
そう呟いた、今年の夏の或る日
わたしたちには分からないことばかり
明日のことも、来年のことも
当たり前なんてないんだなって
それは絶対がないってこと
なんだか悲しいな、でも、それは当たり前で
矛盾ばかりだな、でも、それも当たり前で
あの海の底には何があったんだろうね
そう、頷いた、今年の夏の在った日々
わたしたちの知らないことばかり
あなたのことも、わたしのことも
分かり合えるなんてないんだなって
それは完璧がないってこと
なんだか寂しいな、でも、それも当たり前で
不純ばかりだな、でも、それもあれも当たり前で
あの日、海の果てに行けていたら
あの日、海の底に行けていたら
何か変わっていたのかな
何か分かっていたのかな
後悔なんてしたくなかったな
ねえ、あの日の海を覚えている?
ふたり、ただ、漂っていた、あの夏の海を