死生観について │ エッセイ
9月に祖母が亡くなった。
近親者で誰かが亡くなったのは、小学生の頃の祖父以来だった。
その時は、「死」というものに触れたことがなく、祖父の遺体を見たとき、悲しいという感情より、怖いという感覚の方が強くて、大泣きしたことを覚えている。
祖母が亡くなる前、わたしは入院していた病院へ一度お見舞いに行った。
祖母は呼吸も落ち着いていて、ぐっすり眠っていた。
看護婦さんから、起きていたとしても、目は見えておらず、声掛けをしても返事は帰ってこない、ただ、声は聞こえてはいる、とのことだっ