唯一の │ 詩
世界がきっと美しく見えるのは
それは、わたしの理想
世界がきっと残酷に見えるのも
それも、わたしの希望
緩やかな歪みのなか
曖昧な生に対して
わたしはきっと絶望している
救いというものは訪れない
わたしには、何もないのだから
わたしは、ただ憧れていたんだ
変わらないものが、ただ一つあることを
交わした愛が、変わらないってことを
そして、失ったことで、不思議と涙は流れなかった
ううん、泣かないと決めていたのかもしれない
精一杯、我慢しているのかもしれない
それが、わたしに出来る唯一の抗いのように
それが、わたしに出来る唯一の優しさのように
それが、わたしに出来る唯一の救いのように