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#ショートストーリー
54字の物語(17)『心残り』(ショートストーリー付き)
その日は、昼から小雨が降っていた。昼夜を問わず、人で溢れ返っているこの街。その中で一人、私が辿ってきた道のり。誰の記憶にも残らない、小さな蝋燭の灯火のような私の生涯。父の顔を知らずに育ち、男出入りの激しい母は、中学の卒業を待たずに家を出て行った。年をごまかし、夜の街で働いた。寂しくて、SNSで知り合った男の家を転々とした。暴力と虚構の中で生きるしかなかった。でも、これでやっと終わる。密かに心を寄せ
もっとみる54字の物語(38)『お弁当』(ショートストーリー付き)
☆『お弁当』/Roco☆
「あのさぁ、
お弁当作ってきてあげようか?」
きのう唐突に君はそう言った。
僕は君を見つめたまま何も言えなかった。
「おなかすいたー。」
お弁当の蓋を開ける君と目が合った。
コンビニの袋から取り出す菓子パンの袋。
「あのさぁ、
お弁当作ってきてあげようか?」
きのう、唐突に君はそう言った。
僕は君を見つめたまま何も言えなかった。というのも、話らしい話をした
54字の物語(18)『予期せぬ別れ』(ショートストーリー付き)
☆『予期せぬ別れ』/Roco☆
いつでも会えると 高を括っていた。
「そのうち帰るよ。」を口癖にしていた私。
誰よりも大切な母が もういないなんて。
納涼の候、暑い日が続きますが、
お変わりなくお過ごしでしょうか?
そんな便りを出したくなるような、
京都の晩夏。
賀茂川、夕涼み、かき氷。
「おかえり。おむすび作ったろか。」
母の声が聞こえる。
「秋になったら、トロッコ列車でも
乗り
54字の物語①(10編)
54字の物語
瞬時に切り取った、心の機微。
心模様。9×6の世界。
ショートストーリー。
季節の移り変わり。
懐かしい出来事など。
紫陽花/Roco
雨に打たれ、咲きこぼれる
紫陽花。生滅流転の定め故、
儚きは、人もまた同じ。
君からの短い便り。
まずは、鎌倉にて。
七夕/Roco
告知「私たちは、
偽りの関係を解消し、
それぞれにとっての
真実の愛を求める
ことを誓います。」
7月