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#大学生
男子大学生の話(ショートストーリー)
「さっきはごめん」
僕が読みかけの本を開くと、挟んでいたしおりに、そう書いてあった。美咲の書き慣れた綺麗な文字だった。その文字が目に入るやいなや、僕は本を閉じて、部屋を飛び出していた。些細なことで、なんとなく気まずくなっていた。しかし、そんなことは、一瞬にして吹き飛んでいた。
常日頃、言葉の足りない僕を、美咲はいつも許してくれた。今回もそうだ。つい、男のプライドってやつが頭をもたげてくる。さっ
「さっきはごめん」
僕が読みかけの本を開くと、挟んでいたしおりに、そう書いてあった。美咲の書き慣れた綺麗な文字だった。その文字が目に入るやいなや、僕は本を閉じて、部屋を飛び出していた。些細なことで、なんとなく気まずくなっていた。しかし、そんなことは、一瞬にして吹き飛んでいた。
常日頃、言葉の足りない僕を、美咲はいつも許してくれた。今回もそうだ。つい、男のプライドってやつが頭をもたげてくる。さっ