ソフトボールの練習をしに行ったら、いつの間にか小学生と遊んでいた
研究室対抗のソフトボール大会が近づいてきた先週金曜日の暮れに、研究室のメンバー (男女混合で10人くらい) で近くの公園に練習をしにいきました。
つもりなんですが、全く気づかないうちに小学生と遊具なんかで遊んでいました。なぜこんなことが起こったのか、今日は順を追ってお話ししましょうか。
出会いはちょっと気まずかった
着くとすでに学校終わりの小学生らが占領していたので、私たちは都合グラウンドの半分くらいを借りて練習することになりました。バットも持ってきたんですが流石に危ないとのことでキャッチボールだけとし、2〜4人くらいでボールを回していました。
そんな時ふと「あっ」と声が。見ると小学生のうちの一人が肩を押さえて下を向いていました。どうやらボールのコントロールが効かず、小学生に当たってしまったようです。
「大丈夫?」と駆け寄る先輩。すると取り巻きの一人が「大丈夫なわけないじゃないですか」ときつい口調で睨みつけてきました。そんなに痛かったのかと肩を見てみると、打ち身一つなく赤くもなっていません。どうやら鎌をかけられて揶揄われたようです。
最近は論破やディベートが小学生の間でも流行になり、いわゆるマセた子供が増えているというのはニュースかなんかでも聞いていましたが、これほどまでとは。自分と1回りも違う大人相手に揚げ足をとれる勇敢な姿に感心すら覚えましたが、とはいえちょっと気持ちよくないもの。
最終的には少しとはいえ怪我をさせてしまったことを反省し、グラウンドを小学生に開け渡すという大人な対応をとってしばらくベンチ付近で談笑していました。
おしゃべりレトロ少年との出会い
世間話をしている私たちを見つめていたのは小学生中学年くらいの少年。手にロボットのようなものを持っていたので何かと尋ねると、手足が蛇腹、そしてその先が吸盤になっているおもちゃだと教えてくれました。
駄菓子屋にでも置いているようななかなかレトロな見た目です。200円だというので安いなぁと反応すると、小学生の200円は大金だろと先輩にちょっと怒られました。反省。
小3だというその子は、その後もアニメの話を中心にそれは楽しそうに語ってくれました。エヴァ (アニメの方)、キン肉マン、ジョジョ。なんかどれもかなり古い作品ばかりです。この年にして懐古趣味とは、最近の子はすごいですね。
そして密かにおしゃべりレトロ少年と名付けたこの子との出会いから、物語は急展開します。
お兄さんたち、一緒に練習しませんか?
おレ少 (おしゃべりレトロ少年) と楽しく話している私たちを見て怖い人ではないと察したのか、今度はボールをぶつけてしまった野球少年たちが「一緒に野球やりませんか」と尋ねてきました。と言っても近所の少年野球チームに所属している彼らの「練習」とは決して対等なものではなく、むしろ大人に稽古をつけてもらうというイメージです。
こっちはキャッチボールすらまともにできない人がたくさんいるのになぁと思っていると、学部の頃まで野球をやっていた先輩がそれに見かねて直々にレクチャーをつける運びになりました。
まずはピッチング。そこそこ投げられる少年が2人いたので、先輩がキャッチャーとなり1人ずつ相手をします。ストレートは素人目に見てもなかなかの出来で、球威こそないですが伸びと将来性を感じさせました。変化球はまだ勉強中らしく、先輩がカーブの投げ方を伝授していました。なかなか上手くなったみたいです。
大の大人に話しかけてレッスンを乞うてきた度胸のある2人でしたが、お休み中に1人が私の元に駆け寄ってきて「俺ストライクの球しか投げへん」と豪語していた時には、やはりこれでも小学生なんだな、可愛らしい、とおじさんみたいなことを思ってしまいました。もう年かもしれない。
次にバッティング。ボールが公園の外に飛んでいくといろんな人に迷惑がかかるので、フルスイングはなしでとしきりに注意しながらプレイ。球児のこぼしたボールは私がなんとか処理。やっぱり難しいのかフライは一度も上がりませんでした。
元々ソフトボールの練習のために持ってきたバットがとうとう少年に占領されてしまい、拍子抜けの我々をよそに、楽しくなった小学生たちはどんどんフレンドリーになっていきました。すでに最初とは比べ物にならないくらい表情も豊かになっていました。
現場はカオスを極める
野球少年と一緒に遊んでいるのを見て本格的に私たちが「遊んでくれるお兄さんお姉さん」だと認識されたらしく、ついに奥の方で別の遊びをしていた子供たちも現れてみんなでワイワイする流れになりました。
おレ少とはシーソーを、メガネの賢そうな少年とは鉄棒を。楽しくなってきたのでブランコに乗ってみて、座り漕ぎから飛び降りてみたり (小学生にはあまり見せない方がいいと思ったのでこっそりやりましたが)。ジャングルジムに登って、雲梯を行き来して。小学生に戻ったような瞬間でした。
目をやると同級生が小学生とサッカーの遊びをしていました。フェンスにボールを当てたらゴールでキーパーがその前を守るというルールなんですが、空気抵抗の大きいボールを使うと球の軌道が読めなくてキーパーが不利になるようで、そのボールを「魔球」と呼んでいたのはいかにも小学生らしく微笑ましかったですね。
小学生って、意外と変わってないんだな
17時を回り、そろそろ帰ると告げると寂しそうにされたので「暇な時にまたくるわ〜」と言って公園をあとにしました。貴重な世代間交流を経験し、今の小学生の現実を目の当たりにして少し思うことがあったので最後はそれで締めましょうか。
今の小学生も、当たり前に公園に行って球技や遊具で遊ぶんだな、と。個人的には動画配信サービスやゲームがますます発展し、小学生はみんな家で画面と向き合っていると思っていただけに、自分の頃の小学生と今時の小学生が大して変わらなかったことに少々の安堵のようなものを感じました。
小学生らしい思考も垣間見えて興味深かったですね。ストライクにしか投げない少年、USAって何と聞いたら「え〜?そんなことも知らないの〜?」と煽ってきた少年、「みなさん門限は何時ですか?」と聞いてきた少年。忘れかけていた未熟さ、子供らしさを蘇らせてくれたことが、この日いちばんの価値あるものだったかもしれません。
結局雨でソフトボール大会は中止になってしまいました。頑張ってきただけに寂しいですが、来年はなんとしても優勝を狙います。
では。
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あなたの力で、僕が何かをなすかもしれません