積み上げたものをぶっ壊してみたくなった
何を「ぶっ壊す」のか
去年の秋頃まで50円玉貯金をしてました。
たしか以前記事にも書いたと思います。何個も紐に通して棒状にして、室町の頃の高利貸しみたいなことをやりたかったんです。たこ糸と小銭があれば簡単にできたので想像以上に続きました。
ところが最近になって翳りが見え始めました。
たこ糸が劣化で裂け始めたり、コード決済の台頭でそもそも硬貨が集まりにくくなったり。
下がり続けるモチベーションの中で、ふと思いました。
かくして貯めに貯めた50円玉を消費する一大イベントが幕を開けました。この頃の僕はきっと全力で少年でした。
さあどうやって減らそうか
さて困りました。
どうやって大量の50円玉を消費しようか。
ATMには紙幣の投入口はあっても硬貨のそれはありません。
普段の買い物でちまちま使い続けてなくしていこうか、と思った矢先。
それは銀行のATMを利用したときのこと。
少しATMの形が違うな、と思って奥に目をやると…
どうやら銀行ATMに限り硬貨の預け入れが可能とのこと。
一日100枚が限度で、それ以降になると手数料がかかるとのことでした。
というわけで大量の50円玉は銀行に送られることになりました。
厳選!!
さて、ここで全部入れちゃいましょうとなるとそれは面白くないわけで。
どうせなら夢みたいじゃないですか。
レア硬貨、見つけてやろうじゃないの。
実は50円玉って、年ごとに発行枚数にかなり違いがあるんです。
多い年では1億枚を超える一方、少ないと数十万枚といったレベル。
数十万枚の年度のものが見つけられれば、高値での買取も夢ではないのでは…?
まずは全体の数と重さをはかってみます。
数はちょうど700枚。つまり35,000円分を、貯金として溜め込んでいたことになります。
これを1枚1枚紐から外して、発行年度を調べていきます。
すでに時刻、深夜2時。眠気と戦いながら進みます。
ピックアップの条件としては、諸々のサイトを見て「発行枚数1,000万枚前後」を基準としました。
全く見つからないかとも思ったんですがやはり700枚って相当な量だったみたいで、それなりにレア硬貨が出てきました。
最後に並べてみると…
全部で18枚。いいのが見つかりました。このとき午前4時。相当頑張りました。
これを後日、買取業者に持って行って買い取ってもらうことにします。
サイトには「1枚50〜150円」などの表記が。果たしてどれくらいの額になるのか。
それとは別に、残った非レア50円玉は銀行ATMに投下していきます。
いざ、硬貨を入れてやる!と思ったら…
ジャラジャラ〜って入れられると思っていただけに拍子抜けでした。しかも何秒か経つと勝手に蓋が閉まって、何枚硬貨を入れたか計算し始めるんですよ。若干のストレスは禁じ得ませんでしたが、それでも地道に7日間、硬貨を投入し続けました。おかげ残高が3万円ほど増えました。
いざ、決戦のとき
ついに50円玉を売りにいきます。
出張買取をしてもらうこともできたんですが、自宅通いの身としては家族のことを考えると不安で、大阪にある店に出向くことにしました。
店に入りおもむろに50円玉を取り出すと、鑑定員さんの目が少し曇り始めます。
硬貨を一通り指で撫でたあと、一言こう言われました。
そうです。煽られました。
ネットには売れるって書いてあったんだもん!
仕方ないじゃないですか。50円玉の買取知識を持ってるって書いてあったのに。
やむなく買取失敗。900円が900円になって帰ってきたので損はしてませんが、夢は儚く破れました。
レアな50円玉はなんか勿体無くていまだに残しています。
誰か買ってくれたりするんかな。
とりあえず無事積み上げたものをぶっ壊せたので、終わりです。