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金色昔日~本との出会いを待ちわびて(ツンドクラブ運営自己紹介#2)

こんにちは!ツンドクラブの運営に携わっている月餅といいます。今回は運営メンバーの一人として自己紹介をさせていただければと思っています。

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黄色で囲われたのが月餅本人。積読消化会に初参加した際に撮影

月餅はどこから来たのか

自己紹介と言われて、まずは出身から始めるのが定石かと思うのですが、私の場合ここでさっそく壁にぶつかります。私は幼少期から小学生くらいまで各地を転々としていて定まった出身地を見出しがたいのです。生まれは名古屋ですが生後数か月で大阪へ移ります。その後は兵庫を経てシンガポールへ行き、私のなかにあるまとまった記憶はシンガポールから始まります。日本に戻ってからは再び大阪、名古屋を巡り、最終的には(?)北海道の旭川という街に落ち着きました。旭川には中学から高校までの6年間いました。まとめると、この世に活動し始めたのは名古屋、記憶が始まったのはシンガポール、一番長く住んでいたのは北海道といった形で出身をひとつに定めがたいのです。ただ、先日有識者に相談した結果、一番長く暮らしていたところの出身を名乗るべきだという助言を受けましたので、ここでは北海道出身ということにさせていただきます。

出身だけでだいぶ長くなりましたが、現在は東京大学文科一類の1年生です。色んな場所を行ったり来たりしていましたが、東京に住むのは人生で初めてです。あまりに巨大すぎてまだ全然理解できた気がしないので、おすすめの場所等あればぜひ教えてください!!

本と月餅

ツンドクラブのメンバーならば!ということで、私自身と本の関わりについて簡単にご紹介しておきます。実をいうと、本との関わりはかなり長いです。それこそ生まれたときからかもしれません。最初は親に絵本を読んでもらうことから始まりました。でも、そのうち読んでもらうのが待ちきれなくなって自分から活字に取り組むようになりました。絵本はいまでも大好きで、あえておすすめを挙げるなら「からすのパンやさん」とかでしょうか。小学校に上がっても読書欲は衰えず毎日のように学校の図書館に通っていました。低学年のときは特にジャンルに縛られず児童書の類を気ままに読んでいました。今パッと思い浮かぶのだと「怪傑ゾロリ」や「忍者サノスケじいさん」、「小さなスプーンおばさん」などを読んでいました。高学年になると読む本のジャンルがミステリに寄っていきます。おそらく4年生のときだったと思うのですが「シャーロック・ホームズ」シリーズのなかの「ライオンのたてがみ事件」に出会って衝撃を受けました。詳しい内容は読んでのお楽しみとしか言えないのですが、今読んでもそれなりに衝撃を受けるかもしれません。これをきっかけにまずは図書館にあったホームズ全集を読み漁り、その後ははやみねかおるさんの「名探偵夢水清志郎事件ノート」「怪盗クイーン」、宮部みゆきさんの「レベル7」「ソロモンの偽証」などなどミステリの世界に完全に引き込まれてしまいました。低学年のときは名探偵コナンですら怖くて見られなかったのにすごい変化だと思います。

さて、中学生になると歴史ものにも手を出し始めます。もともと、「信長の野望」というシミュレーションゲームにドはまりしていてその延長線上で歴史全般が小説、専門書を問わず好きになっていきました。宮城谷昌光さんの「太公望」や司馬遼太郎さんの「花神」などが特に好きで今でも好きです。しかし、中学生後半から高校生前半にかけて停滞期に入ります。この時期は自分にとって面白い本が見えなくなっていました。今考えるとだいぶ限られた範囲ではあるのですが、何を読んでも満ち足りないカタルシスが得られないと感じていた気がします。夏目漱石やドストエフスキーといったいわゆる文豪の作品にも触れてみたのですが思うようにはまらず、もっと正直に言うと難しくて消化不良の状態が長く続いていました。

突破口は高校1年生の3月に突然現れました。それが劉慈欣さんの「三体」です。Amazonでベストセラー扱いされているのをみてなんとなく興味をもって読み始めたのですが「三体」の描く世界にほんとうにただただ圧倒されました。「三体」は冒頭で中国の文化大革命という暗い描写が数十ページほど続きます。そして、舞台が現代に切り替わり、世界中で著名な物理学者が次々と謎の自殺を遂げいているという何やらサスペンスめいた展開が始まります。途中で独特なVRゲームが出てきたりもして一体何の話なんだと戸惑っていたのですが、最後に待ち受けていた事実は衝撃的でした。(ここは自分で確かめてみてください)そして、さらに衝撃だったのはこれが合計5冊あるシリーズの第1巻に過ぎなかったという点です。当時はまだ、「三体」は1巻しか出ていかったのですが続きが待ちきれず、新刊が出るたびに書店にいって即買いました。今では、ドラマ化に文庫化もされていてほんとに知名度があがったなと驚いています。まあそれはそれとして、2巻目以降で待ち受けている展開も1巻を軽く上回るくらい刺激的で壮大で圧倒的なものでした。それと同時に、「三体」シリーズという作品がSFというジャンルに属していることも知りました。それからはSFを読みまくる日々でした。少し前まで抱えていたはずの閉塞感はどこへいってしまったのかと思うほど、SFが描くときにキュートでときに残酷でときにコミカルで、やっぱりファンシーそしてカラフルな世界に夢中になっていきました。面白かった本は正直数えきれないくらいあるんですが、テッド・チャンの「あなたの人生の物語」、J・P・ホーガンの「未来からのホットライン」、アンディ・ウィアーの「プロジェクト・ヘイル・メアリー」などは本当に不朽の名作だと思います。SFの世界で本の楽しさ面白さを再発見した私は、改めて色んなジャンルの本を読み始めます。手元に「新潮文庫の100冊」というガイドブックのようなものもあったので、そこに載っている「恋する本」「シビレル本」「考える本」「ヤバイ本」「泣ける本」を目についた順に手に取っていきました。また、それまで無縁で生きてきた流行にも関心をもつようになり、Xで読書垢をつくって旬の本にも触れていきました。こんな状態が高校3年の3月まで続きます。受験勉強はそれなりにしてましたよ、、何はともあれ私の短い人生で本との関わりを切り出すとしたらまさに黄金時代だっと思います。

運命の出会い


だいぶ長くなっているのですがあと少しで現在地です。やっと大学生になりました。大学に入ると東京での新生活や授業、課題、サークルなどなどに忙殺される日々が続き、あの金色に輝く日々はいったいどこへいったのかと思うほど本が読めなくなりました。週に5冊読むのは当たり前みたいな生活だったのが一転、週に1冊読めるかどうかも怪しくなっていきました。時間は有限だし致し方ないという気持ちが一方でありつつも、やはり生まれてから現在に至るまでずっとそばにいてくれたのが本たちです。このまま疎遠になるのはなんとしても避けたいその一心でいたところ、ツンドクラブの存在を知りました。それまでの私は一人で静かに本を読むといったスタイルだったので、みんなで積読に向き合う「積読消化会」なるものに半信半疑の気持ちを覚えつつもとりあえず参加することにしました。ですが、当初の懸念はまったく吹き飛んでしまうくらい本を読むのがはかどりました。周りが本を読んでいると不思議と集中できました。なおかつ、読み終わったときに感想をシェアできる人が近くにいるというのもありがたいことだし、他の人が読んでいる本を見て次に読みたい本が決まることもあります。いいこと尽くめではないかと思いツンドクラブへの参加を決めました。そして、今は運営の一員という形になっています。残念ながらまだ昔のような読書習慣を取り戻せてはいないのですが、あの金色の日々を昔日のものにしてみたくはない。それが私がツンドクラブにいる理由です。

おわりに

ツンドクラブに参加したものの何をしていいのか全くわからない、そんな人も多いかと思います。そんな方はぜひ積読消化会に参加してみてください。多分、かつての、あるいはまだ見ぬ感動を味わうきっかけになるはずです。私自身も運営のひとりとしてより参加しやすい形での積読消化会になるよう頑張っていきます!

最後の最後に二つだけ言わせてください。まず、この記事を読むだけでは私が読書しかしない人みたいな印象を受けるかもしれませんがそんなことは全くありません!小学校の時代には休み時間のたびにグラウンドへいって鬼ごっこに加わるような子供時代でしたし、ゲームや漫画、音楽などもそれなりの好みをもっています。もちろん本は大好きですがそれだけではないので誤解のないことを願います。そしてもうひとつ、この記事のタイトルにもなっている「金色昔日」ですが元ネタがあります。中国のSF作家である宝樹さんが同名の短編を書いているんです。宝樹さんは時間SF(タイムマシンとかループものとか)の名手として知られた方で「金色昔日」も中国の現代史と一組の男女のラブストーリーを絡ませた傑作です。読んだあとの余韻が最高です。中国SF(華文SFともいいますが)は劉慈欣さん以外にも魅力的な作家さんがたくさんいるのでぜひ一度足を踏み入れてみてください。第一歩としては先ほどの短編が表題作となっている「金色昔日」というアンソロジーがおすすめです。

この記事を読まれた方の読書ライフがかけがえのないものとなることを願います。以上、月餅からでした!

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タイトルの元ネタになった本はこんな感じの表紙。豪華です

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