下手な考え休むに似たり
ちょっと疲れたときに唱える文句、「下手な考え休むに似たり」
良い言葉だなぁ、と思っていても、途切れることのない仕事の最中にここでやすんでよいのかどうか。その区分をつけるのは結構難儀なところがあります。
コロナの騒ぎでお仕事がいつもとペースが違い、ちょっとした合間も出来やすかったり。
あと一息がんばったらまた一つ進むのではないか、なんて思いながらしんどい気分をおさえて頑張るのときもある。
それでも「ダメだー!」って、ごろりと寝転ぶとき、それでいいんだよと、かのお大師さんが教えてくれた。
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いったい精神が不安定なときは、心ものびやかにならず詩興もわ
かない。詩興もわかときは、きままに眠るがよく、眠りは大いに
精神を養うであろう。いつも夜には灯火を置いたままひとりでに
目覚めるのを待ち、無理に起き出すようなことはしない。無理に
起きればぼんやりするだけで、そんな目で見るものは何の役にも
立たない。紙と筆と墨はいつもたずさえていて、詩興がわいたら
すぐ書き留めること。
『文鏡秘府論』空海 https://ux.nu/uLLvu
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うだうだ考えるくらいなら、寝る方がよっぽど良いってことだ。
ごろんとしてても、ふとうかぶことがあれば、メモすればいい。
その時、浮かぶアイデアは結構魅力的だったりする。
何事も、思考にむいてるのは、
「枕上・厠上・鞍上」なのだ。
その一瞬を逃さない。ふと浮かぶ思考を書き留めるために、メモが大切なのも、1200年前から同じなのだ。
そういえば現代でも、何度となく「メモが大切」って本が流行る気するのだけど、お大師さんは文章をかくものの心得として既にうたわれている。
今は、外に出るなと、やたら言われるから、枕か厠で思考するとしよう。