『フェミニズムに出会って長生きしたくなった』を読んで
初めに
私は大学を中退してから、政治やフェミニズムに関心を持った。今大学ではフェミニズムやジェンダーに関する講義が人気と聞いて、私もこっそり聞きに行きたいが、通報されて終わるだろうと思うので、パイセンたちの本や記事を読んで勉強に励みたい。
フェミニズムに興味を持ったのは「化粧をしたくない」「パンプスを履きたくない」「就職したらセクハラお茶汲み当たり前の環境に晒される」という気持ちを他にも誰か持っていないかとネットで調べたら、それは政治やフェミニズムに繋がると知ったことだ。
私はそれまで中学高校で習った政治に関する話を自分には関係ないと思っていた。
しかし、自分が生きやすい道を進もうとするとどうしても、政治や男尊女卑の問題を避けては通れないのだ。Twitterのとあるパイセンも仰っていたが、向こうから顔面にぶち当たってくる。
そして、この本を手に取ったのはパイセンにお薦めされたこと、笑いながらフェミニズムを学べるというコメントなどを見て「読みたい!」と思った。
これは『フェミニズムに出会って長生きしたくなった』を読了した後に書いたものである。共感の嵐と、自分の考えや経験を吐き出したいと思って衝動的に綴ったので、読みにくかったら申し訳ない。ネタバレはほとんどないはず。気をつけて書いたので。興味がわけばぜひこのnoteもこの本も読んで欲しい。
結婚出産子育ての話
私はパートナーが出来ても、選択的夫婦別姓が実現するまで結婚しない、と宣言しようと思う。
私は姓を変える気はない。私が約30年も付き合っている愛着ある姓だからだ。
例えパートナーが「自分が姓を変えても良いよ」と言ってくれても、無用な偏見に晒される可能性があるので、断るつもりである。
更に言うと、結婚して姓が変わった女性たちが適応障害になったという記事を読んだことがあるからだ。朝寝床から起き上がれない、食欲不振、気力を無くす、急に倒れる等々、精神的にも身体的にも苦しんでいる。
もし、その時は大丈夫と思っていても、結婚して姓が変わった後に適応障害になってパートナーが苦しむ可能性があるなら、今の時点では事実婚が最善だと考えている。
私は子どもが欲しいと思ったことが一度もない。HSPで耳が良いため、バスや電車で乗り合わせた赤ちゃんや小さな子の泣き声がとても苦痛に感じてしまう。もちろん、自分も通ってきた道だ。文句を言うのはお門違い。しかし日常的にあの苦痛に晒されると思うと、とても無理。可愛いとは思うが、自分の命と心の平安を賭けてまで欲しくはない。
あ、誤解のないように言っておくと、子育てをされてきた方々、今絶賛子育て中の方々、妊活中の方々、妊娠中の方々、とても尊敬しております。大変な思いをしていた方、されている方、本当にお疲れ様です。それでも、人間を産んで育て上げるという覚悟をされたこと、月並みな言葉で申し訳ありませんが凄いと思います。ネットに挙げられている子育て日記を見ていると「oh……」と言葉をなくしてしまいます。大変と分かっていながらも進むその心意気、尊敬の念が止みません。
話を戻して。本書にも書いてあるように今の日本で子育てしろとか難易度高杉くん。金もないし、子どもを連れて外に出れば迷惑がられる。妊娠しているお母さんが腹を蹴られたという事件もあった。
例えパートナーが出来て、考えが変わって二人の子ども欲しいねとお互いがなったら、北欧あたりに移住したいと常々思っている。私は昔から外国が怖いと思っているので、よほどのことでもない限り日本から出たくはないが、考えが変わったら自分とパートナーと子どものためだと思って日本を出て行こうと思う。
今のところは自分とパートナー、あと出来れば子どもの代わりに保護猫ちゃんを育てたいので、二人と数匹が暮らす分には日本にいたい。それが私の理想である。
あとはパートナーが出来なくても、小学生の頃からの親友たちがいるので、誘ってルームシェアもいいな、と考えている。
以前Twitterで「阿佐ヶ谷姉妹みたいに女同士で隣とか近所に住むとかルームシェアしてもいいよね」というツイートを見て、世紀の大発見をしてしまった。
私は一緒に住むのならパートナーでなければならないという呪縛に捕らわれていた。しかし、阿佐ヶ谷姉妹のような生活もめっっっっっちゃ楽しそうやん!!!!! つか楽しいだろ!!!
老後のためにも親友たちにオファーしとかな!
痴漢の話
※性被害に遭った方は苦痛を感じる内容の恐れがあります。
私と私の友達も性被害に遭った。
二つ私の話をしようと思う。痴漢だとすぐに分かった件と、何年か経ってからあれは性被害だったと気付いた件。
前者は電車で帰省中、窓側の座席に座って景色を見ながら片耳にイヤホンを付けて音楽を聴いていた。
隣に60代くらいのスーツ姿の男性が座った。
しばらくすると、その人が肘を私の脇の下あたりに当ててきた。痴漢の思考は分からないので予想だが、胸部に肘を当てたかったのかと思う。力を込めてきて、肘の骨が突き刺さって痛かったのを覚えている。凄く怖かった。
恐怖と同時に腹が立って、私の胴体と相手の腕の間に私の腕を入れて距離を取った。
それでも肘を当ててきて気持ち悪かった。車掌さんが来ると、やっと肘を離した。
すると今度は、太股に違和感を感じて、見ると手の甲を私の太股に当てていた。
さすがにヤバいと思って勇気を振り絞って、席を立った。まだ降りる駅まであと9駅ぐらいあるが、他の座席に座るのも怖くて、ドア近くでいつでも逃げられるようにずっと立っていた。
もちろん、車掌さんが来たときに「痴漢です!」と言おうと思っていたが、以前逆ギレされて女性が痴漢した男性に殺されたという事件が頭を過って、勇気が出なかった。
それ以降、バスでも電車でも一人で席に座るのが怖い。窓側が好きだが、この時みたいに通路側を塞がれたら逃げるのにめちゃくちゃ勇気が要る。相手の前を通らなければならないんだから。
なので、基本はドア付近に立つが、満員で席に座った方が迷惑にならない場合は座席に座る。しかし、男性が隣に座ってきたら、相手が制服を着た学生さんでも怖い。
あとは、一人で電車やバスに乗らないように家族や友達と一緒に乗ることで安心感が違う。一人だと自分で勇気を振り絞るしかない。周りの人が助けてくれると嬉しいけど、見て見ぬふりをされてしまう可能性の方が高い。でも、信頼できる誰かと一緒なら、「助けて!」ってその人の袖を引っ張ったり、小声で伝えることも出来る。それに座席に座っても隣が家族や友達なら警戒する必要がない。
後者、数年後に性被害だと気付いた件は、高校生の頃。
友達と初めて訪れた地域で、公民館(?)の前に立っていた警備らしき人に道を聞いたとき。
その人は50代くらいの男性で、普通に数歩離れた距離で「あの角を曲がって」と指差しで教えてくれるかと思ったら、私の後ろに回って身体を密着させて肩に手を置かれ、背後から腕を出して指差しで案内を始めた。身体が固まった。息が顔に当たるほど顔を近づけられて怖かったし、振り払おうかと思ったが、こっちは教えてもらってる側だし……と意識半分で聞きつつ、なんとか聞き終えて、友達とそちらに向かったが、気持ち悪さはしばらく残った。
フェミニズムやジェンダーについて勉強し始めてから、あれは性被害だったのだと気がついた。でもあの頃に被害届を出しても「それぐらいで」と相手にもされなかっただろう。
私の友達は、下校中に立ち寄ったお店で痴漢されて、逃げたら車で追いかけてきたそうだ。電車で痴漢されそうになった事もあるが、その時一緒にいた人に手を引っ張られて別の車両に移動して事なきを得たらしい。やはり信頼できる同行者がいた方が安心である。
読んでくださってる方にはぜひ、自分の身の回りの多くの女性がそういう危険に日常的に晒されていることを心に留めておいて欲しい。
ある外国の女性は日本へ向けて出国するときに、「日本は痴漢が多いから気をつけて」と言われるらしい。
なんと嘆かわしいことか。女性に対しても、性犯罪をしない多くの男性に対しても失礼なことである。
国は痴漢大国日本と言われて恥ずかしくないのか、不思議でならない。
タクシーの話
私の尊敬する人の中に、株式会社arca代表の辻愛沙子さんがいらっしゃるのだが、彼女が書いた文章に「ああ! 確かに!」というまたもや世紀の大発見をした。
タクシーに乗車すると、男性運転手の方が男性のお客に対しては敬語だが、女性のお客に対してはタメ口というものだ。これはアルテイシアさんの本にも出てきた体験談である。
実は私も体験したことがあった。私自身ではないが、私と一緒にいた人で態度が違ったのだ。それに違和感を抱きもしなかった私も男尊女卑が当たり前のヘルジャパンに既に洗脳されていたのだろう。
私が大学受験の年、オープンキャンパスで母と一緒に他県に行った際、タクシーを使ったのだが、運転手の男性は終始母に対してタメ口だった(私は極度の人見知りなので話を振られない限りは一切話さない)。
翌日、同じタクシー会社の方にホテルに迎えに来てもらって乗車すると、運転手は女性で終始母に対して敬語だった。
数ヶ月後、大学受験で今度は母に代わって父と再び行った際、タクシーの運転手は男性(前回とはおそらく違う方)で父に対して終始敬語だった。
こんな教科書並みに分かりやすい対比が今まであったでしょうか!? いやない!! テストに出ます!!
約10年経っての衝撃的な気づきだ。こんなところにも男尊女卑。本人たちにはそんな気はないのだろうが、私が違和感を抱きもしなかったように、根底に根付いてしまっているのだろう。客でも女性ならタメ口OK!という感じで。
最後に
『「よっこいしょういち」が口癖の43歳』とありましたが、安心して下さい。
私は「よっこいしょうきち」が口癖の20代後半です。初めて言ったのは中学生の頃で、家で言ったら隣にいた母に驚かれました。『お前……! なぜ知っている!?』という顔で。出所は話したこともないクラスメイトの男子です。そうやって歴史は続いていくのですね。
女性に人権を取り戻そうと必死に声を上げてきたパイセンたちに敬意を表します。
そして、これからもみんなが生きやすい社会になるように、私もフェミニストの一員としてパイセンたちと同じように選挙や署名活動に参加するなど、行動していきたいと思います。
若い人たちを中心に、男女問わずジェンダーに関心のある方たちが増えて、若輩者ながらとても希望を感じます。みんなで一緒に生きやすい日本にしていきましょ!
最後まで読んで下さってありがとうございました!