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国際バカロレア (IB)に魅了され教員に。なぜ?なぜ?の探究心と知識のスパイラルを作って、学びが楽しい場所に!【うつほのわVol.2:大森 美衣南先生(カリキュラムコーディネーター)】

みなさん、こんにちは!

うつほの杜学園設立準備会は、2025年4月にまずは私立の小学校の開校を目指す、和歌山の世界遺産・熊野古道の自然の中で教科横断型の探究型教育を軸としながら、バイリンガル教育に取り組む団体です。

この学校創りに関わっている人たちが、どんな想いを持った人たちなのか?を伝えるインタビュー記事を連載公開しています。

前回、第一回目として発起人・代表理事の仙石恭子さん(https://note.com/utsuho_academy/n/nf961ece8fa16)のお話を綴らせていただきました。今回は、国際バカロレア(IB)教員認定書を持つカリキュラムコーディネーターの大森 美衣南(おおもり みいな)先生へインタビューをさせていただきました。

■ 美衣南先生の“国際バカロレア(IB) との出会い”はなんですか?

 私は高校生の頃から「教育分野に進むぞ!」と決めていたのですが、その時出会った先生に、IBというプログラムがあることを教えてもらいました。そこから調べ出すと、“なんだこれは!”という衝撃で(笑)、興味を持ちました。
 私は、茨城県出身なのですが、山梨県にIBの免許を取れる学科ができることを知り、ここしかない!と思って、大学で4年間本格的に学んだという経緯です。
 
 教育分野に進もうと思った経緯は、実は、“演劇好き”からきています。小学生の時、ミュージカルをやっていて、自分のことを表現することが大好きな子でした。でも、周りを見ると、「言いたいことがあるのに、みんなに言えない」だったり、「みんなの前で話すのが怖い」という子がたくさんいました。
「なんで人の前で話すのが苦手になっちゃうのだろう?」という問いが、自分の中でずっとあり…ある時「答えが一つに決まっていたり、"間違えること"が恥ずかしいと思わせてしまう風潮がある日本の教育が悪いんじゃないか?」と子どもながらに思うようになったんです。演劇って、言葉だけじゃなくて体や表情、いろんなものを使って表現します。だから、私は慣れていただけで、もっとたくさんの機会があれば多くの人が自由に自分を表現できるのでは?と考えました。「ドラマ教育っておもしろそう!」と思ったことが、「日本の教育を変えること」への夢につながったのかなと思っています!

▲ミュージカルが大好きだった美衣南先生。教育への想いは、ここが原点と語る

■ ドラマ教育と国際バカロレア(IB)の関係性についてお聞かせください。

  ドラマ教育から、IBへ興味を持ったきっかけは、IBの中に、ドラマという科目が明確にあることでした。日本だと、アートという部類には美術、音楽が一般的ですが、“ドラマ”が入っていることは少ないですよね。ドラマが学びの分野として確立されていることが、とっても面白いなと思いました。
 さらに、IBが大切にしている目標や学習者像にも惚れ込んでしまいました!その一つとして、“生涯学習者を育てる”というIBの使命があります。“大人も子どもたちと共に学んでいく”という考え方に「めちゃくちゃいいじゃん!」と共感を抱いたのを今でも覚えています。
 
 今でも、演劇は好きで、大人になってからよく観に行ったりしていますよ。うつほの杜の授業の中でも、ドラマという教科はなくとも、探究テーマの発表の際に、みんなでストーリーを作って演劇仕立てにしたり、体を動かしながら何かを表現したりすることなど、ぜひ取り入れてみたいなとも思っています。

■うつほの杜学園にジョインされるきっかけは何だったのですか?

 知人の紹介で、IBを学ぶ院生さんたちのご飯会に参加させていただいたのですが、そこで仙石恭子さん(うつほの杜学園発起人・代表理事)のうつほの杜学園の構想に関するプレゼンを聞いたことがきっかけです。
高校三年生の時に、教育で生きていくぞ!と決めた時、私は大きな人生のミッションとして「日本の教育を変えること。子どもたちは可能性の塊だから、せめて潰さない教育をする!」ということを掲げたんです。

恭子さんのプレゼンを聞いた時は、他の学校の教員として働いていたのですが、これからどう人生を歩んでいくのか?を考えていた頃でした。

 恭子さんが「うつほの杜学園という学校を創って終わりじゃない。ここから日本の教育を見直して、作り上げていく!という次のステップがあると思っている!」という言葉を聞いて、頭から離れませんでした。
教員としてお誘いいただいた時に、このパッションのある方と、そのパッションのある方に集まる方と、一緒に歩んでいきたい!そう思って、ジョインすることに心に決めました。
 うつほの杜では、カリキュラムコーディネーターと、高学年の英語を受け持つ予定になっております。

■ 英語はどのように学ばれたのですか?

 実は、高校生の時まで、英語は全然得意ではなかったんです。ですが、人が大好きで、オープンマインドの性格もあり、英語での会話のノリは好きでした(笑)
今、英語が喋れるようになったのは、大学の時のデンマーク留学で、先進的な北欧の教育を、英語で学んだおかげです。デンマークでの授業は、1日2コマで、午前1コマと午後1コマだけ。1コマ3時間以上の長丁場でした。そのほとんどの時間は、ディスカッションで過ごします。鍛えられました…。最初の3ヶ月は本当に喋れなかったのですが、4ヶ月目に入る時に変わったのが分かりました。英語って完璧じゃなくっていいんだと思えたのがきっかけです。
English NativeじゃないJapaneseとして、英語をどう使っていくのか?そこで分かった気がします。
うつほの杜学園では、高学年の英語を担当する予定で、ネイティブの先生と日本人の私の2人が入る予定です。ネイティブの先生の英語やグローバルな観点は、もちろん素晴らしいですし、私自身の留学経験などから、日本人だからこそ伝えられる知識もあると思っており、タッグを組みながら授業を設計中です。

デンマークへ留学をした大学時代の写真(緑の服が美衣南先生)。“英語” が、コミュニケーションを楽しむ“ツール”へと変わった思い出深い記憶に。

■ カリキュラムへの想いをお聞かせください。

 まず「探究」の授業について。“教科にとらわれず”、自由に考え続けられる授業です。水、山、道など各学年でテーマをすでに決定しており、『どんな概念なのか?それはなぜなのか?』と、自分と周りと対話していきながら、深掘りしていきます。授業の午後の大半は、この探究という授業に当てていきます。
 続いて「教科学習」について。うつほの杜学園では、いわゆる国語、算数、理科、社会といった教科学習も行います。知識と探究は、スパイラル状に関わり合っているので、知識を蓄えると、もっと深い内容に掘り下げることができます。
 うつほの杜学園では、こういった授業も「探究的に」行っていきます。掛け算や漢字などを暗記する時も、苦行ではなく、「どういう風にしたら自分は覚えやすいか?」「どうしたら楽しく学ベそうか?」を、子どもたちも先生も考えます。
これらの授業を行っていくためにも、“生活”という土台がめちゃくちゃ大切だと思っています。現在は、授業の他に、学校のシステムづくりもおこなっています。来年から、子どもたちと一緒に、うつほの杜で学びを広げていくことがとても楽しみです。


■2024年秋のサタデールクール&説明会
夏に開催したサタデースクールに続き、秋にも学校説明会と体験スクールを実施することが決定しました。
また、オンラインでの学校説明会や移住説明会も追加開催決定!詳細は以下をご確認ください。
https://note.com/utsuho_academy/n/n06e8713ef069


◆インタビュアー/ライター:御林友希(MIHAYASHI Yuki)
シンガポール駐在帯同4年目。日本在住中は、インターナショナルキンダーガーテンの施設長を務めていた経験から、日本におけるグローバル教育に興味関心を持ち続けている。子ども達が通っていたシンガポールのインターナショナルスクールでは、Parents Association(日本でいうPTA)を2年間務め、学校と多国籍の保護者と子どもたちを繋ぎ、コミュニティ作りやイベント運営に携わっていた。
出身は、高野山の麓である和歌山県橋本市生まれ。高野山に息づく文化や哲学、伝統行事、食(農業)を肌で感じながら幼少時代を過ごしている。


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