大学生活と支えあい
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東京大学のピアサポートルームでは、毎年「支えあいのキャンパスを目指して」という冊子を発行している。この冊子では、ピアサポートルームが行っている各種活動が紹介されている。この精神についてピアサポートルームのホームページには次のように記載されている。
大学は自由な場所ですが、そのぶん人間関係が希薄になりがちで、友人をつくったり相談をしたりすることが難しいところがあります。「大学生活で不安を感じたとき誰かに打ち明けたり頼ったりできる」「誰かが困っているときそれに気づいて声をかけてくれる人がいる」、そのような大学のあり方を私たちは「支え合いのキャンパス」と名づけ、その実現に向けて活動しています。
実際そうかもしれない。大学は高校や中学校などの教育機関に比べて、学生の授業選択や所属する集団の選択、また日々の生活に関しても裁量の余地が多い。強制され集団で何かをさせられることが少なくなる反面、自分から何かをしなければ人間関係も広がらない。昨今はパンデミックの影響もあり友だちができないとか相談できる人がいないという悩みを抱えた人も多いのではないだろうか。そのような人間関係の輪がない中で学生生活を送ることは様々な点で困難だろう。だから不安に感じたときに相談できたり、試験や就活などで互いに支え合う関係が充実した「支えあいのキャンパス」を実現することは、多くの学生にとって意味のあることだろう。東京大学のピアサポートルームは交流の機会となるイベント開催や情報提供などを通じて支えあいのキャンパスを実現し、東大生が満ち足りた学生生活を送れることを目指している。活動に興味を持ったらこちらのホームページをチェックしてほしい。
さて、今回は、学生ピアサポーターが団体の大切なコンセプトでもある支えあいについて考察する連載を企画した。大学生活において支えあうということはどういうことか。具体性のある考えがなければ、このコンセプトは空疎なお題目にとどまってしまうだろう。3人の学生サポーターにそれぞれの立場で「大学生活と支え合い」について考察してもらった。
「対話による支えあい」では、対話が持つ支えあいの可能性を学生サポーターが考察した。「支えあいと関係性」では、部活などにみられる先輩/後輩関係を題材にしている。部活のような上下関係がある共同体でも支えあう関係は実現している。「共同体における支えあい~その難しさ~」では大学生活での実例をもとに支えあう関係の難しさを記した。支えあいが空疎な理念にならないためにもこういった批判的な考察も必要なはずだ。
一連の考察を通じて、支えあうことの可能性と困難さが明らかになった。私たちは実は日常的に支えあう関係を経験している。それは部活などのような上下関係のある組織でもそうだ。技術や団体の運営など先輩から教わったことを今度は後輩に伝えていく。時間差はあるがこれは支えあいの関係ともいえるだろう。このような我々が日常的に体現している支えあいの関係に改めて目を向けることは、効果的なピアサポート活動の実現にとっても重要であろう。さらに相手の考えを尊重したり、受け止めるなどといった技術は、支えあう関係を築くという点で大きな可能性を持つものだ。ただ、支えあいには固有の難しさがある。誰かに必要以上の負担を強いたり、誰かに強く依存してしまうかもしれない。可能性と困難さ、その両方に目を向けることが、支えあいのキャンパスという理念の実現のためには重要だ。一連の連載をきっかけに、皆さんも支えあいについて考えてみて欲しい。
東京大学ピアサポートルーム
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