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イチゴミルクで魚を釣ろうとしていませんか?

己の欲せざるところ、人に施すことなかれ

これは論語に出てくるフレーズです。

「自分がされて嫌なことを、人にしてはいけません」

という、要するに相手に対して思いやりを持ちなさいよという警句であって、これはこれで非常に大切な心構えだと思うのですが、少し足りないかなと思うので、考えてみたいと思います。

ミニトマトの問題

たとえば、私はミニトマトが嫌い……とまでは言いませんが、苦手というか、できれば食べたくないというか、でも栄養はありそうだからたまには食べようかなと思うこともあって、なんだろう、この感じ分かっていただけますでしょうか?

とにかくそんな感じなので、私にとって「ミニトマトをどうぞと勧められること」は、基本的に「己の欲せざるところ」となります。
が、ミニトマト大好きな人に対してミニトマトを勧めると、当然ですが喜ばれますよね。

「己の欲せざるところ」を「人に施し」たら喜ばれるというケースです。

人の欲せざるところを想像せよ

「暴力を振るう」「悪口を言う」などの、おそらくほとんどの人が「欲せざるところ」であれば「人に施すことなかれ」が成立します。

しかし、世の中には人によって好き嫌いが分かれるものがたくさんあります。
先ほどのミニトマトのように、人によって好き嫌いが分かれるものについては、己が欲するかどうかはさておいて、相手が欲するかどうかを想像する必要があるのです。

相手目線の大切さ

このように、自分はさておき相手が何を欲しているかを考えることは、ことビジネスにおいては非常に大切です。

「自分が売りたいものではなく、相手が買いたいと思うものを揃える」
「自分が話たいことではなく、相手が知りたいと思うことを話す」

マーケティングやプレゼンテーションの技法はいくつもありますが、その根底には相手に対して想像力を働かせることが必要になってきます。

名著『人を動かす』の中で、デール・カーネギー氏もこんなことを言っています。

私はイチゴミルクが大好物だが、魚はどういうわけかミミズが大好物だ。だから魚釣りをする場合、自分のことは考えず、魚の好物のことを考える

言われてみれば当たり前の話ですが、どうしても自分基準で考えてしまうもの。
常々意識しておきたいものです。

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