「3日で終わりそうな仕事を5日かかるって言ってくる問題」への一つの解決方法
とある中小企業の経営者から
「うちの製造部は、5日かかるって言っていた仕事を3、4日で仕上げてくることがよくあるんですよ」
というお話を伺いました。
納期を守るどころか前倒ししていて凄い……のは間違いないんですが、それが「よくある」というのは、少し問題があると言わざるを得ません。
作業量を正しく申告できていない問題
毎回予定を前倒ししているということは、その予定が「ゆるい」ということに他なりません。
詳しく聞いたわけではないのではっきりとしたことは分かりませんが、本当に見積りができていないか、どちらかといえば
「頑張れば3日でできそうだけど、余裕持って5日って答えとこ」
みたいな状態になっている可能性が高い。そうお伝えすると
「とはいえ、割り込みとかもあって実際に5日かかることもあるし、現場のリーダーの顔も立てなきゃいけないから、3日でやれるだろ!? とも言いづらい」
とのこと。
それじゃあということでご提案した内容を、ちょっとご紹介したいと思います。
余裕を分けて考える
まず割り込み等を一切考慮せず
めっちゃ頑張ればなんとかなる
という日程を見積もってもらいます。その上で
「ここで割り込みが入るかもしれない」
「ここで手間取るかもしれない」
といった遅れる要素を全部まとめて「余裕」として確保します。
つまり、これまで全体的にふわっと余裕を含めて見積もっていた日程を
めっちゃ頑張ればなんとかなる日程と余裕に分けて管理するのです。
なんだかんだ言って8月31日まで夏休みの宿題が終わらない現象
人間は、「3日でやって」と言われた仕事は、なんだかんだで3日フルに使いたくなる生き物なのだそうです(これは「パーキンソンの法則」として知られています)。
なので、敢えて2日という厳しい期限を切る。
するとなんとか2日で終わらせようと頑張るが、万一に備えて余裕を用意しておく、というのが基本的な考え方です。
大事なのは
「余裕を食いつぶすのは当たり前」
という認識を持つことです。
これによって、作業者は安心して「めっちゃ頑張ればなんとかなる日程」を申告することが可能になります。
CCPM - Critical Chain Project Management
これは
クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント
と呼ばれるもので、プロジェクトだけでなく、全社戦略やお子様のお勉強にも用いることができる、なかなか便利な管理手法です。
ネットにも書籍にも情報はいっぱい載っていますので、詳しく知りたい方はぜひ調べてみてください。