【人生のためになる言葉】小久保監督が体現「勝って兜の緒を締めよ」と「臨機応変」
今回の【人生のためになる言葉】はよく見聞きする諺(ことわざ)および四字熟語について考察しました。
「勝って兜の緒を締めよ」と「臨機応変」です。
スポーツやビジネスシーンで使われるため「そんなの知ってるよ」と思われるかもしれませんね。
私も9月23日(月・祝)、感動の瞬間を目にするまではそんな認識でした。
小久保裕紀監督の言葉
プロ野球パ・リーグの福岡ソフトバンクホークスが9月23日、念願のリーグ優勝を決めました。
対オリックス戦が行われた京セラドームでは、ホークスの選手たちに胴上げされて何度も宙に舞った小久保裕紀監督。球場で行われた優勝監督インタビューでは次のように答えています。
しかし今季こそ2位以下に大差をつけてマジック(M)が早くから点灯したものの、ホークスとしては過去にM1から優勝を逃した苦い経験があります。
就任1年目の小久保監督としては、采配をふるうにあたってなおさらプレッシャーを感じたことでしょう。
「9月に入ってからの戦いが非常に長くしんどく感じましたね」と話していました。
リーグ優勝で見せた“名将”の器
「勝って兜の緒を締めよ」には、「戦いに勝って安心していると、その隙に敵が襲ってくるかもしれない。油断せずに気を引き締めろ」という戒めの意味があります。
ソフトバンクホークスは4年ぶり22度目のリーグ優勝を成しましたが、ここからクライマックスシリーズを勝ち上がらねばなりません。さらに日本シリーズが待っています。
私だったらきっと「勝って兜の緒を締めよ」のことわざを用いて選手やファンに決意を示すことでしょう。
小久保監督はファンに向けて次のような言葉を伝えました。
「きょうは、優勝の余韻に浸っていただいて。我々も余韻に浸ります」
「しかし!クライマックスシリーズがありますんで。あした以降、クライマックスシリーズに向けての作戦というか戦術に切り替えていきたいと思うんで。きょうは!楽しんでください!」
これはファンに向けてだけでなく“我々”つまり選手を労う意味にもとれます。
むろんマネジメントとして「『勝って兜の緒を締めよ』の精神で気を抜かず、クライマックスシリーズ優勝、そして日本一を目指します」と気合いを入れても違和感はありません。
私は彼が「きょうは優勝の余韻に浸って」と強調したところに注目しました。選手はその一言によって想像以上にリラックスできたのではないでしょうか。
しかも小久保監督は「あした以降、クライマックスシリーズに向けて」と釘を刺しています。緩急を考えた発言は「臨機応変」を思わせます。
四字熟語「臨機応変」は「状況に応じて行動や対応を変える」ことを意味します。中国・南北朝時代について記した歴史書『南史』に出てくる言葉が由来といわれます。
小久保監督は「勝って兜の緒を締めよ」の心得を「臨機応援」に用いて“名将”の器を垣間見せたのです。
ちなみに「飴と鞭」(アメとムチ)という言葉もありますが、小久保監督の言葉に対して用いるのはふさわしくありません。
ドイツ帝国の鉄血宰相といわれたビスマルクによる政策を評したものが「飴と鞭」です。権力者が人民懐柔策として「甘い扱い」(飴)で譲歩しながら「弾圧」(鞭)によって厳しく締めつける方法をいいます。
まとめ
「勝って兜の緒を締めよ」と「臨機応変」について私なりに考察しました。
諺や四字熟語を知ってはいても、日常生活ではあまり使わないのではないでしょうか。
しかしその意味を十分理解して心がけることによって、発想や言動に役立てることが可能です。
偉人の名言なども自分にあてはめてシミュレーションしておけば、いざというときに使えるかもしれませんね。
【参考にしたサイト、ネットニュースなど】
・【小久保監督優勝インタ全文】「オリックスがいたから向かってやれた」「9月は非常に長くしんどく感じた」
・『学校だより「ほほえみ」|勝って兜(かぶと)の緒(お)を締めよ』
・『小学館「HugKum」|ビジネスシーンの頻出語「臨機応変」とは?』
・『Wikipedia「飴と鞭」』
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