「大阪で生まれた女」だけじゃない!BOROの隠れた名曲たち #私のコレクション
広くない店内は若い男女で混雑していた。かといって騒々しくはない。
誰もがお目当てのものを探すのに一生懸命で、それぞれ集中しているからだ。
私は最近オープンした学生街の「レンタルレコード店」に足繁く通った。
LPレコードを買うには2500円から3000円ほど必要だが、レンタルすれば250円から300円ほどで済む。
自宅に持ち帰ってカセットテープにダビングするか、時間に余裕があればお店に頼んでダビングしてもらうこともできる。
ビートルズからRCサクセション、竹内まりやからマイルスまで広く浅くがモットーな私は、気になるレコードが多くて購入しきれない。
レコードをレンタルするという斬新なシステムは私のような若者のニーズにマッチして瞬く間に広まった。
大学1年生の頃にレンタルして最も愛聴したのが松田聖子のファーストアルバム『SQUALL』だった。
ヒット曲以外にも秀逸な楽曲が詰まっている上に、売り出し中のギタリスト・松原正樹と今剛がレコーディングに参加しているだけで注目に値した。
レンタルレコード店ではヒットソングを安くダビングして聴けるだけでなく、掘り出し物を見つけるのも楽しみの一つだ。
私はある日、運命の1枚と出会った。
BOROと言えば『大阪で生まれた女』(1979年8月)の大ヒットで知られる。しかし私はあまり好んで聴くことはなかった。
それよりもCMソングに起用されて、久々に音楽番組でも歌っていた『ネグレスコ・ホテル』(1983年1月)の方が肌に合う。
『A LITTLE BEST SONGS』の帯には「ネグレスコ・ホテル」をアピールしていたので、手に取ってみた。そしてダビングした。
収録された10曲のなかに『大阪で生まれた女』はない。私としては『ネグレスコ・ホテル』が聴けるだけで十分…なつもりだった。
ところが『ネグレスコ・ホテル』すらそっちのけで、2曲だけをピックアップして何度も何度も聴いてヘビーローテーション(当時そんな言葉は無かったと思う)する羽目になった。
B面の1曲目『ネグレスコ・ホテル』に続く、2曲目『コインランドリーの前で』と3曲目『大阪からの手紙』である。
こちらはポップなレゲエ風サウンドで、夢を見ているような錯覚に陥る感じ…。
片やこちらは骨太なロックンロールだ。
お互いに頑張ってきたミュージシャン仲間との絆を思わせる。
ネグレスコ・ホテルをご存じ?
以上の文章は80年代の学生時代をエッセイ風に振り返ってみました。ほぼ事実です。
ただYouTubeで探しても『コインランドリーの前で』と『大阪からの手紙』の音源が見つからないは残念。
非公式ながら『ネグレスコ・ホテル』の音源はあったので紹介しておきます。
実はカラオケの十八番だったんですが、今は声が出ないだろうなぁ…。
数年前にテレビの旅番組で映った「ネグレスコ・ホテル」を見たところ、私のイメージしていたのと真逆だったのでびっくり。
南フランスにある有名な観光地、コート・ダジュールの中心にあるニース。ネグレスコ・ホテルはそのニースで誇り高きホテルとされるほど豪華なところだったからです。
BOROはまだまだ熱い
2023年11月に全曲書き下ろしオリジナル・アルバム『MILESTONE』をリリースしたBORO。
今年はライブツアー『ROCKはTRIOで!』を開催するようです。70歳にして燃え続ける姿に注目したいですね。
以上、「#私のコレクション」について書かせていただきました。最後までお読みいただきありがとうございました。
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