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セミよさらば


軒下の土間に落ちたセミ


セミが成虫になってからの寿命は2~3週間だそう

猛暑が続くこの夏、私は精一杯生きるセミたちを目にした


7月28日

閑さや岩にしみ入る蝉の声
-松尾芭蕉-

芭蕉はこの句を山寺で詠み、蝉の声については「アブラゼミ」や「ニイニイゼミ」など諸説ある


今朝、外出先で晴れわたる夏空のもと緑の木々を眺めていると

クマゼミらしきセミたちの大合唱がはじまった

「岩にしみ入る」という風情はなく

耳にギンギン響いて「脳に食い込む」感じがした


木にとまって鳴くクマゼミ


8月5日

昼間に網戸をみたら

外側にアブラゼミがとまっていた

鳴く気配もなく静かにジッと・・・


網戸の向こうにはセミ、さらに向こうは入道雲が浮かぶ


8月6日

朝、網戸をみたら

やはりアブラゼミがとまっていた

昨日とほぼ同じ位置に

少し角度が変わってはいるものの
やはり静かにジッと・・・


翌日も網戸にとまり続けるアブラゼミ


8月6日よる

昨日からずっと網戸にとまっていたアブラゼミ

シャッターを閉めようと思ったが

網戸との間に挟まれる形になる

さすがに窮屈だろうと思い

「飛んでいけ」

網戸ごしにゆびで軽くつついたら

ポタリと落ちた

すでに息絶えていたようだ

空しい






#夏の1コマ

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