旅のおわりに
子どもたちのコンサートが終わって、ひとフレーズの小さなピリオド。
旅にでかけた。
初めての車中泊道具を空色のフィットに乗せて。
とはいえ、出発は実家の庭キャンプから。
感覚に出会う旅。
味わう
音。
色
かたちと時間のプロセス
植物
覗く
見渡す
道をゆく。良い香りがしたところ
見上げる
旅を終えて、ピアノ。
家にたどり着いて、一眠りしたら、ピアノ。
4日ぶりの。
ベートーヴェンのピアノソナタ「悲壮」の2楽章、先月講座で使った曲を
少し疲れた手に乗せてみたら、
いつもと違う手応え、ひびき。
まだ、滝壺の低音や、
波にさらわれる砂の音、
高原を吹きさらす風の音、
苔の柔らかさ。
山脈の連なりの青。
そんなものが身体の記憶に残っているうちに、
練習をしておきたかった。
これらは私をとおして、どんな「人の音楽」に変換されていくのか。
今回の旅が、とても深いところを動かしたその
自然の奥行きが、音にしみていくような気がした。
乾いた岩に水がしみるように。
愛媛の片田舎でがんばってます。いつかまた、東京やどこかの街でワークショップできる日のために、とっておきます。その日が楽しみです!