【読書】『英国の幽霊城ミステリー』~幽霊たちは今もお城に住む~
夏ですね。暑い中にも涼を求めて、ホラー小説や漫画を読む方もいるかもしれません。ホラーは苦手ではありますが、ちらほら読んだり見たりします。
久しぶりに図書室に行きましたら、『英国の幽霊城ミステリー』という書籍を発見しました。「建築知識」という建築雑誌で連載されていたエッセイを一冊の本にまとめたものです。写真ではなくイラストであったことで、よけいに興味を持ちました。
お城と共に歴史も紹介されるのですが、拷問、惨殺、魔女裁判などなど、血なまぐさく怖いお話がたくさんありますね。観光スポットとしても、有名なお城ばかりが紹介されていますが、現在も王室の方が住んでおられる場所もあります。
日本でも幽霊譚は数多くありますが、英国の幽霊たちも負けてはいません。あちこちで目撃証言が相次ぎ、科学的に証明できないなどの話には、怖いと思いながらも、思わず聞いてみたくなります。
印象に残ったのは、エリザベス女王が少女時代を過ごしたとされるハットフィールド・パレス。エリザベス一世は、英国の黄金期を築いたとして、今もなお国民に尊敬されています。
エリザベス女王は、母親のアン・ブーリンが処刑され、夫のヘンリー8世との結婚が無効になったことで庶子となりました。ヘンリー8世の6番目の妻キャサリン・パーの働きかけにより、王位継承権が復活します。25歳で女王となるまで過ごしたハットフィールド・パレスでは、学問に打ち込み歌や演劇などの芸術も楽しまれたとのことです。
穏やかな人生とはいえないエリザベス1世の人生ですが、ハットフィールド・パレスで過ごした少女時代を思うと、幽霊の様子も和やかな印象を受けました。
幽霊の話を怖いとは思うものの、歴史や亡くなるまでの人生には、辛さや哀しさがわきおこってきますね。
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