9月9日は重陽の節句(菊の節句)

　重陽の節句は菊の節句とも呼ばれています。1月7日の人日の節句(七草の節句)、3月3日の上巳の節句(桃の節句)、5月5日の端午の節句(菖蒲の節句)、7月7日の七夕(星祭り)、そしてラストは9月9日の重陽の節句(菊の節句)。

　この五つの節句を五節句と呼んでいます。

　五節句の内で、重陽の節句が一番、印象が薄いでしょうか。3月3日の桃の節句などは、派手ですから覚えていらっしゃる方も多いかもしれませんね。

　ですが、昔は、重陽の節句を大切な日と考えていました。

　奇数である「9」が重なる9月9日は、とても強い日とされています。奇数は「陽」偶数は「陰」と、中国の陰陽節では考えています。

　陽の気が強く陰陽のバランスを欠くことから、不吉な日とされていました。不吉を払うため、重陽の節句という行事があり、昔は大切にされていたようですよ。

　現在は、陽が重なることは吉、と考えが変わっていきました。

　菊の節句とも呼ばれる重陽の節句では、やはり、菊の花が主役となります。菊の花びらを浮かべた菊酒を飲んだり、菊の花を浮かべた菊湯に入ったり、菊の花でつくった菊枕で眠るなど、菊をあらゆる場面で使います。

　菊の香りは邪気を祓う力があると信じられていました。菊を使った菊枕で眠ると、頭も気持ちもすっきりしそうです。

　菊の他にも、栗ご飯やナス料理などを食べるのも良いそうですよ。

　猛暑日が続く毎日ですが、心身を健やかに保ち、乗り切っていきたいですね。